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第78回 カーテナ 慈悲の剣

カーテナ・クルタナ・コルタナ・コルタン


 イギリス王家に代々伝わる剣、綴りは「curtana」となっていて、読み方や音の当て方少し変わってくるようです。


 調べている限りカーテナが一般的っぽいですが、一般的な日本人の聞き取りや発音で考えると、どれに聞こえてもおかしくなさそうです。


 名前の由来は「curtain」という単語から、ラテン語まではさかのぼれるようで「詰められた、短くされた」という用語に行き着きます。


 日本語にすると無先剣、無蜂剣となり、刺す事もできないという意味になっていますね。


 その名の通り、まっすぐな刀身ですが刃はついておらず先端は平らです。

 細い板に柄が直接つけられたような形で、角というものが無く作られています。


 この形状をみると「こんな剣で戦えるの?」と思いますが、戦うための剣ではありません。


 別名は「ソード オブ マーシ」綴りは「sword of mercy」です。

 日本語では慈悲の剣として伝わっています。


 色々な作品で「カーテナ」の名を持つ武器が登場したりしていますが、そのデザインはがっつり刃がついていたり、尖端が尖っていたりしており、本来のカーテナとは別の武器になっています。


 1953年にエリザベス2世の戴冠式に使われた事が有名です。

 戦場に持っていくような剣じゃなくて儀礼的、それも国全体に関係するような重要な場に登場する剣になります。


 1642~1649年のピューリタン革命の混乱の最中に失われてしまいますが、チャールズ2世の代で作り直された物が現代に伝わっています。


 戴冠式で使われたのもこれですね。本物を見たい方ロンドン塔の宝物館にあるそうです。

 ピーターは海外に詳しくないのですが、見た事あるという人も多そうですね。





 こうした剣の由来には歴史や物語がくっついてくるのが定番で、カーテナも例外ではありません。

 ヨーロッパ各地の騎士の伝説なども影響して様々な物語があるんです。


 カール大帝ことシャルルマーニュの剣、ジョワユーズと同じ材質、同じ製法で作られていたとされています。


 シャルルマーニュに仕えていた聖騎士ローラン、12世紀頃に作られた彼の最後の戦いを描いたローランの歌。ローランが所持していた聖剣デュランダル。


 敵に囲まれて重症を負っていたローランはデュランダルを異教徒に奪われまいと、岩に叩きつけてデュランダルを破壊しようとしたが折れなかった。


 ローランの死後、天使達の力によってデュランダルはローランの亡骸の元へと届けられた。

 という物語が有名とのこと。


 こうした祖国への忠誠心や、不滅である事、神の祝福を得た事などから、カーテナもこのデュランダルの性質を受け継いでいるとされていたりします。


 話の内容によっては、デュランダルが岩に叩きつけられた時に切っ先だけを失った。という故事にも由来しているとされ、形状の一つ一つにも意味を持っています。


 さらにはアーサー王の物語に出てくる、トリスタンの剣に由来する物があったりなどなど。


 いずれも「キリスト教」「ヨーロッパの文化」「殉教」「祖国愛」など国の歴史に直接つながる様々な人間の物語があります。

 これらの想いや歴史がカーテナに集約されているのかもしれません。

聖剣!


 聖剣と政権って平仮名にすると同じ。


 でも、だれも傷つけない武器もあるんですわ

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