第7回 ナックルダスター ボクシンググローブの原点
多分、もっと詳しく話が出来る人が沢山います。
ナックルダスター
広い意味で言うと拳を強化する物全般を指す。
極端な話、棒や金属の輪っかを握り込むだけで拳は強化されるのだから、該当する武器はとても多くなってしまう。
ここでは、古代のオリンピックで使われていた拳の強化用の革紐からの発展を簡単に説明してみましょう。
詳しい人からは「端折り過ぎ」と言われるかもしれませんが、、、
逆にどこまでも語れてしまう要素があるので、細かくみていくとながーくなっちゃうんですよ。
とりあえず、解説いってみましょう!
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皮と革の違いを知っていますか?
皮とは皮膚そのままのこと、動物から皮を剥いだばかりの状態のことを皮と呼びます。
革とは皮を加工する、つまりなめした物が革になります。
古代のオリンピックでは拳闘が採用され、その時に選手、いや戦士達が拳に巻き付けていた物が革紐です。
この革紐は牛の皮を固くなるようになめして、強度と柔軟性を引き上げた革でした。
これを拳にぎっちりとテーピングするかのように巻き付けて戦いました。
拳に巻き付けられた革は固く引き締まり、拳の強化を図ると共に、自分の拳を保護する役割を担っていました。
この拳の保護という事が重要であり、思いっきり殴る事を続けられるようになります。
素手で殴ると、皮膚が裂けて血が流れるだけでなく、衝撃が直接骨に伝わってしまい手の骨が折れてしまう事に繋がります。
保護された拳ではこのように自身の手のダメージは無く、全力の拳を連続して繰り出す事ができるようになります。
これで、殴り合うのが古代オリンピックの拳闘という競技でした。
いや、あの、殺し合いですよねコレ。
現在でも格闘家が己の拳を鍛えるために、色々な物を素手で叩いて鍛錬する事があります。
極端な物になると、正方形の鉄の棒に麻紐などを巻き付けて、そこに手刀を叩きこむ訓練もあるらしい。
聞くだけで、痛い痛い。
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この革紐が拳を固める物として、様々に枝分かれして進化していきました。
中には、強化するために、革の外側に鉄の鋲を仕込んで拳をトゲトゲにするものもありました。
ここまで行くとその見た目も威圧感が凄まじい物になっていたでしょう。いっちゃいけませんよ中二病なんて。
現在のボクシンググローブの下にはテーピングがあり、拳、親指、手首に布を巻き付けています。この姿は革紐を巻き付けていた頃に近いものがありますね。
その上にボクシンググローブをはめることで安全を確保。
グローブがある事でボクシングがスポーツとして成立するようになっています。
己の拳!
殴るという事は、人間が石や棍棒を持つ前から使っていた原点の原点。