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第68回 試製拳銃付軍刀 いわゆるガン・ブレード

試製拳銃付軍刀しせいけんじゅうつきぐんとう


 実は結構有名な武器です。


 銃とは遠距離攻撃に関しては最高とも言えるアイテムです。

 これの存在が軍の運用などを根本的な所からひっくり返してくれたと言えますし、対人武器がどんどんと残虐で効率的になる走りの武器だと思います。


 銃だけ持っていればいいというものではなく、接近戦では銃よりもナイフや剣に軍配が上がる事も多くあります。


 だからと言って、銃剣をとりつけるような長い銃と、ショートソードのような軍刀を持っていれば荷物が増えてしまいますね。


 軍刀は当然接近戦になったときには欠かせませんし、儀礼的な意味や見た目の威圧感のためにも必要です。

 銃もハンドガンくらいなら持ち運びしやすくなりますよね。


 そんな銃と剣の良い所を取って、一緒にしてしまえば効率的に扱う事ができるのではないか。といった発想の元で試作品が作られたのがこの試製拳銃付軍刀です。


 名前からも分かりますが作ったのは我が国、日本であります。

 1920年頃の日本は軍刀の研究で、馬上で拳銃と軍刀を同時に所持している事の動きにくさなどから拳銃と刀を一緒にできないかという打診があり、真面目に研究を開始したのがこの武器です。


 開発は成功せず、結果として試作品のみが残って終わってしまった武器で、実戦に投入はされることはありませんでした。


 衝撃的な見た目と軍が真面目に研究していたという背景も相まって、現代でも語り継がれて、有志による自作なども積極的に行われている武器になります。





~形状~

 日本の軍刀は反りを持つ西洋刀であるサーベル式が採用されていました。


 刀の握りが銃のグリップに、鍔が銃身と撃鉄に置き換わり、グリップから刀身が伸びています。

 切っ先を空に向けると銃口が正面の敵を捕らえ、通常の拳銃のように構えることができます。


 持ち方を間違えると、銃口が自分を向いてしまいます。

 ってことは無いです、銃身に対してグリップの角度で刀身が伸びていますので、サーベルが納刀されている状態では正面に銃口が向いており、通常通りに抜刀すれば自然と適切な持ち方になります。


 構造の都合上、グリップから丸ごとブレードに変えてしまうと弾丸を打ち出す部分の真ん中にブレードが通ってしまいます。


 ブレードは銃身の右か左に寄せて取り付けるか、弾丸を邪魔しないように円形の穴をの左右を鉄板が覆い、銃の上で左右の鉄板が合わさって一枚のブレードとして伸びるなど工夫しなければなりません。


 試作品だったので色々と作られていたでしょうから、これが正解というものはありません。


 銃を撃った後の薬莢を捨てる排莢は、基本的に右側に排出されるように作られているので、排莢を考えると銃の左側にブレードが付けられていたと思います。

 でも、右側にブレードが付いていた方が剣を扱う時には安定して振る事ができたはずです。


 銃の左右を通るのは問題外ですね、排莢の仕組みも作れず量産には向かない形状になってしまいます。

 薬莢の排出さえできれば、右側にブレードが付いているのが一番使い勝手が良くなりますね。


 まぁ『細かい事は良いんだよ!』『斬撃と銃撃が同時にできるんだろ!』というロマンを追い求めたい方にはバリエーション違いもいかがでしょうか?


 これは試作すら記録に残っていないのですが、当然考えられていたタイプだと思います。


 銃口がブレードにそって向いており、トリガーはスイッチのようにグリップにとりつけられているいわゆるまさにガンブレードというタイプ。

 剣の切っ先を相手に向ければ銃口が相手に向きます。ナイフピストルなどと言われているタイプがこういった形状をしています。


 ブレードが逆式であれば、銃の付き方が納刀したときに通常の持ち方ができるようになっており、グリップから下に向かってブレードが取り付けられています。

 これであれば排莢の問題も気にせずに扱えますが抜刀した状態で銃を撃とうとすると、自分にブレードが刺さりかねない危険な形状になります。


 通常の試製拳銃付軍刀と逆式での二刀流とか、ロマン溢れますよね。


~作者の妄想~ ※ココカラ

 大量に押し寄せるモンスターに相対し、スッと2種類の試製拳銃付軍刀を抜刀。天と地へそれぞれの切っ先を向けると同時に、両手の銃口が乾いた音を響かせながら火を噴く。銃弾を浴びたモンスターたちはバタバタと倒れる。

 数匹倒れて怯んだのか、足を止めたモンスターの群れに向かって走りながら狙いもつけずに弾丸を打ちこむ。目前まで迫ったモンスターの頭へ通常式を振るい横なぎに切り捨てる。その時の回転の勢いを殺さずに体を反転させ、自分の脇を通り過ぎるように逆式の刃と隣にいた別のモンスターに深々と差し込む。

 倒れたモンスターの後ろから別の手合いが棍棒を振り下ろしてくるが、とくに焦る事もなく一方の試製拳銃付軍刀の引き金を引く、打ち出された銃弾は棍棒の持ち主の両目の間を撃ち抜き、発射した衝撃を逃す事なく跳躍し体重を乗せた次の斬撃を放つ。


 ふぅ、スッキリした!

 いやぁ、銃と剣で連続攻撃! かっこいい!


※ココマデ ~作者の妄想でした~





 試製拳銃付軍刀は最初に触れたように実戦に投入される武器ではありませんでした。


 馬上で銃と剣を効率よく扱うために研究がされていましたが、やはりブレードと銃のそれぞれの機構からメンテナンスが大変だったり、重量や重さのバランスが悪かったりとなかなか高性能な物を作る事ができませんでした。

 なんか色々大変だったわけです。


 確かに、切り付けたり、鍔迫り合いの時とかに暴発する可能性があるので常に危険があります。

 銃を構えた時にはブレードを振りかざす事になるため悪目立ちもしたでしょう。


 銃をメンテナンスしようとしたときにはブレードがあっちを向いたり、こっちを向いたり。

 ブレードの手入れの時には弾丸は抜いたとはいえ銃口があっちこっちを向いてしまいます。

 なんにせよ『こっち向けんな』ってなっちゃいます。


 仮に外せたとしても銃を組み立てる事に加えてブレードの取り付けという事は手間も増えます。


 こういった問題もあったでしょうが、一番の理由は馬に乗った兵士の一言でした。


「別々に持ったほうがいいな」

 とっても現実的な意見で、開発が終わりました。


 馬の上で効率よく使うための研究でもあったのに、馬上の兵に使いにくいと一蹴されるという悲しい結果になってしまった武器が試製拳銃付軍刀です。

これぞロマン!


 追い求めても、手が届くとは限らない。

 製品として成立がしなかったとしても、これを開発するために心血を注ぎこんだ人達がいる。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ○ 今現在、試製拳銃付軍刀のアイデアに再挑戦する動きはないもよう………… …………試製拳銃付軍刀は、日本人の独創性の証?(方向性はイグノーベル賞) [一言] ▷こんなのありました………
[良い点] 銃剣がここまで広がるとは…… [気になる点] こんな軍刀を振りかざした指揮官に号令されるのは、なんか、いやだ。 [一言] こうした剣と銃の複合武器ですと……… イギリスの英雄・ネルソン…
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