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第64回 キャット・オブ・ナインテイル ~猫よ~

キャット・オブ・ナインテイル


 東南アジア、インド周辺で使われていた鞭です。いや、もしかしたら今も非合法で使われているのかも。


 世界では一部の地域ですが、現代でも鞭打ちが刑罰として採用されている場所があります。

 撤廃した地域をみても2020年に撤廃となっていたり、本当につい昨日まで鞭打ちがあったのです。


 このキャット・オブ・ナインテイルは鞭打ちに使うための鞭です。

 恐ろしい恐ろしい……


 柄があって先端の鞭の部分に繋がっているというのがイメージしやすい鞭の形状ですが、キャット・オブ・ナインテイルは全部が金属製です。


 持ち手となるのは一本の鎖、その先には円形の金具が取り付けられています。


 さらに、円形の金具には有刺鉄線のように多数のトゲが付いた鎖が何本も取り付けられています。


 さらに、さらに!

 このトゲ付き鎖の先端には重石が付けられていて、振り下ろした相手にザックリとトゲが刺さるように細工されています。


 有刺鉄線をブンブンとふって何かにぶつけても、傷はつきますがトゲが刺さる所まではいきません。

 でも先端に重石をつけて振ると、先端が鉄線部分をひっぱってくれるのでザックリと刺さってくれます。


 さらに! さらに! さらに!

 トゲが刺さった状態で持ち手を引くとトゲが皮膚を切り裂きながら抜けていきます。

 もう、ズッタズタにね!


 何本もあるトゲ付き鎖の、多数の棘の1つ1つが引っかき傷をつけるので、キャット・オブ・ナインテイルで一発叩かれたら、猫の爪とぎでギッタギタにされた壁や障子のような傷が残ります。


 聞くだけで痛い痛い。

 鳥肌が立って来ました。


 ナインテイル、という名前なので、勝手に9本に分かれているのかな?


 なんて思うかもしれませんが、もっと沢山に先端が分かれている物もあります。

 この鞭の最大の威力は全ての先端が相手に当たらないといけません。


 先端全てを扇状に開きながら十分な速度を持って叩きつけないと、猫の爪とぎ跡のような痛々しい傷をつけることはできません。


 振っている時に鞭が扇子を開いたかのように広がり、ビシャリとぶつかる音と同時に引き戻す。

 一瞬遅れて全身を切り裂かれた痛みが犠牲者を襲い、激痛のあまりに雄たけびのような悲鳴を上げる。


 切り傷のなかでも引っ掻き傷というのは治癒が遅く、跡にもなりやすいので傷が塞がった後でも、トゲ1つ1つにつけられた傷が残ります。

 これはキャット・オブ・ナインテイルで打たれた後だとすぐにわかることでしょう。


 全部が鎖ではなく、ラバーのタイプの鞭であればキャット・オブ・ナインテイルという名前で一般販売されています。


 このタイプでは先端に重石がないので、ダメージは肌が赤くなる程度で重い痛みにはなりません。


 重い痛みを与えたい場合はスパンと振り抜いたり、引き戻すよりも効果的な方法があるんです。

 打ち据えたあとに鞭を押し付けるようにすると、衝撃が宙ではなく体内に伝わるので、より大きな痛みになります。


 鞭そのものの威力を上げるなら、先端に重石を付けたり結び目を付けると威力があがります。


 先端が複数に分かれている鞭は練習していないと、先端が互いに絡まって威力が下がります。

 まずは先端の枝分かれが少ない物から振っていきましょう。


 鞭は本気で振ると先端が音速を超えると言われています。

 超高速で振るときの衝撃波や、鞭が肌をこすれる時の摩擦などで深い傷をつけることもあります。

 こうした傷は治りが遅く、傷跡にもなりやすいので気を付けましょう。


 ちなみに現代では、金属のキャット・オブ・ナインテイルような相手に重症や後遺症を与える可能性がある物は、鞭打ちが合法の場所でも禁止されています。


 くれぐれも人に向けてはいけません。


 え? ラバーのほうならいいかって?

 いやまぁ、そういう趣味で、互いの同意があれば……


 ちなみに、鞭も自爆率が高い武器ですからね、自分で自分を打たないように気を付けましょう。 

もう、ズッタズタ!


 え? 猫は家にいないから爪とぎ跡が良く分からない? じゃあ……


 生け花で使う、剣山で背中を洗った跡のような

 鉄製のおろし金で手のひらをおろした跡のような

 砂利道の上で自転車を全力疾走させて盛大に転んだ傷のような


 痛てぇ! 痛てぇ!

 言うだけで鳥肌が止まらない。

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