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〇 布について 防具でも武器でも使われる

次回予告!

「手ぬぐい」 ~ 日用品が武器になる ~


布武器は続きます~

 リクエストで「布」を頂きました。


 最初は幻想武器カテゴリーかなぁと思いました。闘牛士がひらひらとさせたり、腕に巻き付けて対刃物の護身術にしたりという使い方が頭に浮かびましたが……


 これらは布そのものを武器にしている訳ではなく、相手の攻撃の誘発や防御からの反撃や撤退などの次の行動につなげるためのアイテムです。


 布そのもので攻撃するのは、妖怪の一反木綿の絞め技や、ミイラが包帯を伸ばしてきて主人公達を捕らえたり、そんな方法ばかりが頭に浮かんでいました。

 これは現実には無いのでファンタジー的な攻撃方法です。


 ですが、現実には布そのものを武器にする技やテクニックがあったんですね!


 以前に紹介した、ブラックジャックの実験でタオルに瘤を作って水で重くして威力を上げる方法を出しましたがこんな実験ではなく。


 実際に布その物での戦い方や、マインゴーシュやパリィ・イング・ダガーのような防御武器に布を活用するものがありました。


 調べてみると楽しいし、面白い。

 そして、人間は本当に色んな事を考えてきたのだと、改めて感じさせてくれます。


 ファンタジー的な要素の布武器、現実にあった布の武器化、といった話は次回に持ち越させていただきまして、今回は番外編です。


 とうぜん、布である以上は担架だったり、テントだったり、包帯だったり、軍服だったり、などなど戦争や戦いのあらゆる場所で使われていますから『戦う』という事そのものに関係が近い部分をとりあげます。





~最強の武器?~

 武器の話になると【最強とはなんぞや】と必ず話題になります。

 色んなゲームでも「作中最強の武器」とか「○○というキャラクターにとっては××が最強装備」と言われます。

 そんな色んな話の中に『旗』最強とされる説があります。


 『戦旗術』という自軍を示す旗を武器として扱い、矢を払ったり、相手を叩き伏せたりするという戦闘方法が描かれている。

 という幻想武器的な扱い方の情報を頂きました。


 旗を持つ専属の人となると、非戦闘員に近いハズですので、本部や司令部のある中心点にいたはずです。


 ここまで矢が飛んできているとなると、すでに敗戦してませんかね?

 司令部だけが抵抗していても、周辺を全て占領されていれば敗北です。

 情報提供の方も同じコメントが添えてありました。


 最強の武器が戦旗だとしたら、先頭に立って軍を導いてほしい物ものです。

 そうそう、戦旗術で戦闘を切って突撃を……

 じゃなくて、戦旗術はファンタジーですからね。


 この先頭に立って、軍・民衆という国を動かすことができるというのが「旗」なので、旗が最強という表現のことです。


 ジャンヌ・ダルクの銅像が甲冑を身にまとい、長い剣を腰に差している姿ですが、剣で相手を叩き伏せるという使い方をするにしては体が細すぎます。

 剣で戦ったとは思えません。


 そもそも彼女は天啓を受けた聖女と言う事が最大の魅力、聖女とされて信仰を集める、民衆も軍も彼女の後に付き従っていました。

 ジャンヌが持っていた旗はジャンヌの聖女という性質と同化し、民衆を奮い立たせていました。


 国王に初めて謁見する際にも国王が『彼女は私の事を知らない見たこともないはず、天啓を受けたというのなら、私が隠れても見つけて謁見するはずだ』と言って、衛兵の服装をして、兵士達に紛れました。


 ジャンヌは堂々と玉座に座る影武者の元へ歩いて行ったと思うと、急に足を止め兵士達の方へキュッと体の向きを変えて、ひざまずきました。

 当然、その目前にいるのは兵士に扮した国王であり。その場にいた全員が『彼女は本物だ』と確信したことでしょう。


 さらに、戦場でもジャンヌは見張りをしている兵士に『そこを退きなさい!』と急に呼びかけます。


 戸惑いながら、兵士が後ずさりした直後、そこには大砲の球が飛んできて大きな穴をあけます。

 兵士もその周辺にいた人もジャンヌの天啓に助けられたという実感が沸いた事でしょう。


 こうしたエピソードが沢山あったからこそ、彼女が持つ旗について行けば、戦争にも勝つ事ができる。天啓を与える聖女と共に歩むことができる。

 こうした思いを持つ人々がジャンヌに導かれていきました。


 旗がなければ、ジャンヌの姿を見つけられない人もいたはずで、国すらも動かすことができたジャンヌの旗が、彼女の本当の武器だったという考え方です。


 さて、この旗は何で作られていたでしょう?


 そうです、布ですね。

 戦場では欠かせない旗、自軍・敵軍の見分けに限らず、指示などのメッセージも伝えられます。戦争で重要な役割を果たす旗がなければ戦えません。

 こういった事から旗が最強という説が考えられています。


 直接ぶっ叩くというような、攻撃に使われていないけれど最強なんです。





~攻撃補助的な防具~

 日本では道着とか袴とかを武道の服装としてよく使われています。


 近接での格闘術では、こうした服は相手に掴まれてしまったりと不利になると言う事もあります。

 ですが、空手などでは相手を掴む事が前提だったりします。


 物によっては動きにくそうに見えたりもしますが、お互いに服を着ている事が前提の戦い方なら、試合の時は掴まれて大丈夫な道着を使ったりします。


 剣道などでは、袴で足を隠すかのような服装になっています。

 これは間合いを見切られないために一役買っているんです。


 棒でもブンブンふってみて、壁に当らないギリギリまで近づいてみます。ちょこっと膝を曲げて、振ってみましょう、躊躇なく思いっきりブオンと振り下ろして下さい。

 いい音を立てて壁に棒がめり込んでくれるはずです。


 剣や槍では踏み込みの瞬間も含めて、僅かな膝の動きでも武器の軌道がかわります。

 つまり、足さばきが丸見えになると不利になります。


 格闘技では膝は攻撃の起点になったりしますが、武器を持っている時は膝は狙うべきポイントになります。

 拳で膝は砕けなくても、剣なら切り付けられますし、膝をやられたら立てなくなるため戦闘不能になってしまいます。


 足の動きを悟られず、さらに足を守る事が求められますが、重装備では刀の素早さと切れ味が活かせません。動きやすいことが求められます。


 袴で足さばきを隠す事で、こちらの間合いを読ませず、次の手を見せず、弱点を隠すなど、戦いを有利に進めやすくなります。


 剣の扱い方では、相手の上半身を狙うと見せかけて足を切りつける技や、足にひっかけて転倒させる技術も世界には存在しています。

 簡単に切り裂かれるはずの布が、袴という形で防御にもなっています。





~ファンタジー的なやつ~

 色んなキャラクター特に妖艶な女性が布のような物を使って、自由自在に飛び回ったり、動き回ったりしています。


 伸びたり縮んだり、布なのである程度は分かりますが、数メートル程度簡単に伸びて行きます。そればかりか、引っ張られても模様が変わったりもしないという不思議仕様。


 剣や槍で切られても傷すらつかない、いや本当に何で作られているんですか?

 こんな性質があれば十分に武器として扱う事ができますね。


 以前に紹介した乾坤圏けんこんけんの使い手の哪吒なた混天綾こんてんりょうという地震を起こす事ができる真紅の布を持っていました。


 これは水中で振る事で地震を起こすという効果を持っていました。魔法のような効果です。


 ギリシャ神話にも黄金の毛を持つ羊から作った黄金の布が登場します。

 この黄金の羊は黄金の体毛だけでなく翼も持っており、金毛羊きんようもうと呼ばれ、コルキスの秘宝としてドラゴンに守られていました。


 日本神話でも、燃えない毛皮となっている火鼠の皮衣があります。火洗布かかんふとも呼ばれ、火の中に放り込むことで汚れだけが燃えて落ちるとされています。


 空飛ぶ魔法の絨毯などは、ファンタジーをイメージすればだれでもイメージは沸きます。

 いくらでも荷物が入る不思議な袋も、布製で作られている物が多くありますね。


 う~ん布って不思議。


 直接、戦いに関わってきている事が少ないにも関わらず、強力なサポートだったり、象徴だったりとあちこちで使われています。

う~ん

このご時世ですから、手拭きタオルなどの使いまわしは止めましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 鳥羽伏見の戦いの時、錦の御旗を掲げた新政府軍が頭をよぎりました。旗のパワーはすごい!
[良い点] 再開のフラッグが、立った! [気になる点] 「布」がずいぶんと多彩にふくらんだような?? ( 足さばきに触れるとは………) [一言] 「たのしみです」
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