第44回 飛爪(ひそう) 多用途に使える。お部屋の飾りにもいかが?
飛爪・フェイチャオ・双飛爪 もしくは「飛鉤」
※言い方には諸説ありますが、今回は飛爪をベースに進めます。
飛爪と一発変換できなくて「飛び爪」と入力してから「び」を消しているので、入力がまぁまぁめんどい。
映画とかでもよく見る、ロープや鎖の先端にフックみたいな物がついている武器。
フックの数も1個~複数、フックではなくかぎ爪が3本~5本のタイプなど様々あります。
中には、折りたたみ式になっていて、投げた時にフックやかぎ爪が開くようになっているものまである。
すごいのは蜘蛛が8本の足を伸ばしたようになるタイプもある。
タイプが非常に多く、中には虎や竜の爪を模した形状に皮紐をつけておいて、インテリアのようにもなっている物まであります。
ここまでくれば美術品ですが、これは立派な暗器。
家具家財として見せる事で武器を堂々と部屋に置く事ができます。
爪部分は鋭利な刃物になっており、手にはめて殴れば近接武器、紐を持って振り回せば中距離戦もこなせる武器になります。
まぁ、はめられるように作られている物はほぼ無いんですけどね。
基本的には紐部分を持って使います。
1つの爪に紐や鎖が付いていれば「飛爪」となり、2つの爪が紐や鎖で繋がっていれば「双飛爪」となります。
爪の形が竜をモチーフにしていれば竜吒、梅の花をモチーフにしていたら梅吒など爪の形によっても名前が変わります。
爪そのものにも色々な細工がしてあり、投げた時に開くようになっている物、一般的なイメージもこれかな。
内側に曲がるように閉じるようになっており、引っかかりやすいように作られている物などもあります。
具体的な形状などが見たい方「飛爪」と検索すると色んな作品の武器やモンスターの画像などもヒットします。
「飛爪百練索」と検索すると、色々なタイプが見つかりますからぜひ見てみてください。
ちなみにこれも販売しています。
これがあれば、あなたもハリウッドのアクションスターになれるかも!?
紐や鎖で操作をする武器というのは、熟達するまでは自滅の可能性と隣り合わせです。
ヌンチャクで自分を思いっきりぶっ叩いた人は星の数ほどいらっしゃるでしょう。
この飛爪も同じです。
次から使い方を解説しますが、練習するときにはくれぐれも事故に気を付けましょう。
というか、実行してはいけませんよ。
そもそも爪の部分が刃になっているタイプなら銃刀法違反ですし、爪つきのロープや鎖を持ち歩いていたら十分に職務質問の対象になります。
では、解説いってみましょう!
◇
ロープ部分を持ってヒュンヒュンと振って投げると爪部分が屋根などに引っかかります。
かるく引っ張ってみて、外れない事を確認したら、ロープを伝って屋上に上がって侵入しましょう。
まさにアクションスターですね。
絵になるシーンですが、意外としっかり引っかける事は難しい。
金属性なので大きな音が出る事もあるので、侵入するときに「ガンガラガッシャン」鎖が「ジャラジャガ」と音を出すならこのようには使えません。
対侵入者では、城壁の上や屋根の上から飛爪を投げて、相手の武器や鎧へ絡みつかせて引っ張ります。
こうすることで武器を奪ったり、体勢を崩させて数名で捕まえたりと撃退の起点として使います。
金属の爪なので投げつけられた相手は怯みます。そもそも金属投げつけられるって怖いですが、それが爪なので、ざっくり切り傷を付けられるのは誰だって嫌がります。
相手の目の前で紐を持って勢いよく飛爪を振り回していれば、投げつけられる事を警戒するため相手は攻めあぐねるので、十分時間稼ぎになります。
投げるという表現をしていますが、紐付きの物を投げても相手にはうまく絡みつきません。
投げ方にはコツがあったはずです。
爪が開いたり閉じたりするタイプであれば、相手に向かって投げつけて引っ張れば引っかかってくれるとは思いますが、引き倒せるほどしっかりかかるとは考えにくいです。
実際には振り子のようにして相手に絡みつかせたり、爪部分を重りにして紐を振り回しながら近づいて、相手の腕や足、武器などの比較的細めな部分に絡みつかせるように使ったのではないかと思います。
色んな作品で『鞭をはじめとした武器は、手元の動きで挙動がまるわかりになるとよく言われます。
だから『避けるのはたやすい』とか言う人がいますが……
ビュオォォと叫びを上げるほどに振り回されている刃物が付いた金属の固まりですよ。
簡単に避けられるものではありませんね。
武器に道具に使える飛爪でした。
食らえー! うわぁぁ!!
ほーら、言わんこっちゃない、自分の腕を飛爪で切っちまってまぁ、縫合しなきゃいかんから医者行きますよ。
みなさんも気を付けましょう。
「うわぁぁ!!」
ほんとう、もう、言ったそばから。




