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〇 糸で人は切れるのか、色々な作品で挙げられる「糸」

 リクエスト頂いた内容ですが、武器としてというよりも番外編として書きたくなりましたので、このような形で取り上げさせて頂きました。


 テーマは「糸」です。


 世の中には色々な糸状の物がありますが、糸では強度が足りなかったりすると、束ねて強度をあげた「紐」にします。


 紐でも強度が足りなければさらに束ねたり、紐を編み込んだりして「縄」にして使います。

 この最小の単位や太さに属する物が「糸」です。


 様々な作品で、糸を武器として扱う描写が見られます。

 糸を飛ばして攻撃する、金属製の糸で括って腕や足などを切り飛ばす、投げた糸が相手に刺さる。


 なんて描写ですが、ぶっちゃけた話『難しいんじゃないかなぁ』というのがピーターの感覚です。


 糸を飛ばす事についてはそんなに難しくありません。

 糸巻きの糸の端ではなく、その糸が巻かれている芯の方を投げれば、戻ってこないヨーヨーのように糸を伸ばしながら飛んでいくでしょう。


 逆に、糸の先の方だけを投げようとしてもヘロヘロとなってしまって上手く投げられません。

 そもそも紐状の物では輪を作るなどすれば投げる事はできますが、端の部分だけを先端として飛ばす事は不可能です。

 先端の重さよりも他の部分の方が重くなるから当然のことですね。


 バイクで、スピードを出している人がピンと張られた金属の糸に向かって突っ込んでいって、スパッと体が切れてしまう。

 こんなこともあるんでしょうか。


「この特別製の糸は、触れるだけで皮膚を裂き、括れば骨まで切り飛ばすぞ」


 という武器を使っている人がいるとして、括る以上、自分の手も糸に引っかかっている状態になります。

 それで引っ張っても切れず、それを繰り返しても大丈夫となると、その糸よりも使い手が身に着けている防具の方が高性能といえますね。


 骨を切るほどの刃物に常に触れていて丈夫というのはすごい!

 対「斬撃」の防具としては十分に活用されることでしょう。


 今日はこの糸状の存在を活用した武器があるかを考えて行きましょう。





 糸という細くて見えにくいという特性を使った武器でパッと思いつくのはトラップです。


 ピンと張った糸を爆弾や地雷の起爆装置に結び付けて置いて、それに足を引っかけると爆発する仕組みです。

 手榴弾のピンを抜いておいて、糸と組み合わせて即席のトラップにするというのを映画で見た事があります。


 あと、王道としては鳴子とかですかね。

 乾いた竹と板がぶつかるように糸につけられていて、そこに繋がっている糸に引っかかると、カラカラと竹が音を立てて侵入者を知らせる日本のトラップです。


 これらは糸をトラップの起動装置の一部として使っています。

 糸そのもので攻撃しているのではありません。トラップや侵入者に気が付いた人間が攻撃を加えています。


 色々な作品には金属の糸を武器として扱うキャラクターも沢山登場しています。


 確かに、ピンと張られた針金のような金属線に勢いよくぶつかれば、体が切れたりする事はありえますが、人間が戦っている時にそれほどの勢い、つまりスピードを出す事は難しいと言えます。


 まして、先端に重さが無い、糸そのものを投げるのではまっすぐに飛ぶ事もありえません。

 投網のように編み込んである形状であれば、先に行くにしたがって使われる糸が増えるので重さが発生するので投げる事ができますが、相手の動きを抑えるという程度の効果になるでしょう。


 あと、ロープで遊んでみればわかりますが、木の枝などにヒュっと投げて一瞬でも自分がぶら下がれるくらいにひっかっかるということはほとんどありません。


 これが、さらに軽い糸であれば相手にくるくると巻きつく事はあり得ないですよね。





 投げて相手に絡みつく、糸状の物を押し当てて切るという事が難しいと考えました。


 ならば、締め上げる事を考えてみましょう。

 よくドラマなどでは紐で相手の首などを絞めてしまい、相手は死んでしまい警察に追われるようなストーリーがあります。これが糸でも出来るでしょうか?


 金属線で強度のある事で有名なピアノ線、これは物によっては1本で80キロを吊るす事ができるほどの強度をもっています。


 パラシュートの紐に使われているパラコードは金属製ではないけれども、1本で70キロを吊るす事ができます。


 人が動いたり、瞬間的に強く引っ張ったりすると自分の体重以上の力をかけることができるので、70キロの人でも80キロ以上の力をかけることができます。


 つまり1本だけなら、死に物狂いで引っ張れば、自身の皮膚が切れたり、筋肉を傷めたりするかもしれませんが切れる可能性があります。


 2~3本くらいをまとめて使っていれば、さすがに切れませんから相手をつるし上げる事も可能です。

 パラコードでは実際に首に絡まって窒息する事故が発生しています。


 締め上げる方も、素手では糸が手に食い込んでしまいますので、本能的に力を緩めてしまいます。


 厚手の手袋や芯となるパーツを組み込んでそこを持つなどしないと、力を込められませんし、相手に暴れられてしまうと摩擦で自分の手が切れてしまいます。


 引っ張っても切れにくい材質の糸状の物であれば、締め上げる攻撃はできそうですね。





 私は糸状で切断する攻撃ができる武器を知りません。あくまでも武器ではないというだけです。


 武器ではないですが、人体に骨が見えるほどの大けがを負わせる糸を知っています。

 この糸はインドで行われてる凧揚たこあげに使われています。これは死亡事故も起っているほどの切れ味をもっています。


 意図的に武器として使っていないだけなので、厳密には武器と分類できませんが、十分に武器として扱える性能があると言えます。強度といい、切れ味といい十分に武器として成立します。


 インドの凧揚げは日本の物とは違い、空高く上がった凧を眺めたり、操って楽しむ物ではありません。他の人の凧糸を自分の凧の糸で切断して凧を落とす戦いなのです。


 当然、使われる糸も切れにくいように丈夫で「切る」という機能が付加されています。


 凧揚げをしたことがある人は分かりますが、うまく上がった凧が風を受けてピンと糸を張る力はなかなか強いもんです。

 これで切れないように作られている凧糸は糸の中でもかなり丈夫な物になります。


 この丈夫な凧糸に、ガラス片を混ぜ込んだ塗料を染み込ませていきます。

 ガラス片は「切る」という機能の強化、塗料にはガラス片の固定と糸を切れにくくさせる効果があります。


 染み込ませるのも1度ではなく、数回繰り返して糸を強化していきますが、時には作っている人の手をスパッと切ってしまうこともあるほどです。


 この糸なら、相手の体にひっかけて思いっきり引っ張れば、スッパリ切り捨てる事ができるかもしれません。


 この凧糸はネットで検索するとたくさんニュースが出てきます。現在は禁止されている所も増えているようで、インド当局もガラスや金属で強化された糸の使用を禁止していますが、今でも使われているようです。


 このような加工はインド国内だけでなく、中国製の製品もあるようで「けんかだこ」の文化がある所で使われており、使用禁止されても熱狂的な方々によって使い続けられている現状があるようです。

ステンレスを糸状に加工できれば!


 とか考えていました。丈夫な金属の糸で、それを研いでおけば切断する糸が作れるかもしれませんね。


糸 → 紐 → 縄

 と太くなっていきますが、明確な定義は無いみたい。


 リクエストありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
[良い点] ◎ インドの凧糸⁉︎ 知りませんでした……(検索]。マンジャ糸。 なるほど。凧揚げの何かしらのルールのもとで、同じ凧糸同士なら破壊のツールとして使える…… [気になる点] ◎ あれ? …
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