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第36回 プリズン・ウェポン さぁ、脱獄の準備をはじめよう

プリズン・ウェポン


 刑務所という自由が制限されるだけでなく、監視の目が厳しく、手に入る物品も限られる。

 こんな制限下でも人間は武器を作ってしまいます。


 プリズン・ウェポンはそんな場所で作成された武器の事を指します。


 刑務所では規則や持ち込みの物品などが本当に厳しく、刑務官や作業を教える技官などの方々も、徹底的に物品の管理がされるようになっています。


 ひょいひょいと色んな物が手に入るかというと、そんな事はありません。

 作業場からくすねて、部屋で工作しようにも同じ部屋に入っている他の囚人、定期的に見回りに来る看守などなど。

 たくさんの人の目があるので、まるわかりですぐに止められてしまいますね。


 中には賄賂が通じたり、見逃してくれる人がいたりするかもしれませんが、やりにくい環境であることは間違いありません。


 こんな環境でも、あの手この手を駆使しながら、色々な発想で武器を作っていました。


 過去の記録からでは鉈を作ったという話や、木製のピストルが出来たという話まであります。

 そこまで行くとプロの犯行ですが、監視の人達は何を見ていたんだというレベルになります。


 武器があるということを周囲の人が知っていれば、自分に向かってくる・攻撃してくる人は減ります。

 暴力の対象にしようとするなら、当然リスクが小さい対象を狙います。

 これには自衛という面もあるのかもしれません。


 ですが、中には対抗する組織の人間を見つけて、暗殺をしようだとか考える人間もいるのです。

 ああ、恐ろしい。


 色んなゲームや映画、小説の中にも牢屋からの脱出などのシーンが描かれている物が多くあります。


 主人公たちの武器防具をそのまま、両手足の拘束もなく檻や部屋の中に放り込まれるシーンもありますが、これでは『どうぞ、出て下さい』と言っているような物です。 


 悪の組織に捉えられてしまい。武器・防具・道具は剥ぎ取られ、服も粗末な物。

 小さな小窓から差し出される質素な食事、何もないと言える程の部屋、そこから脱出する事こそカッコいいシーンですよね。





 武器に使う物品の調達方法も色々ありますが、ここを語ると別のお話しになってしまいますので、ガッツリカットさせていただきます。


 ただ、刑務所や刑に服する囚人の取り扱いによっても差があるります。

 模範囚として色々任されている人と常時暴れて独房・懲罰房に入れられっぱなしの人では手に入る物品に大きな違いがある事は間違いありません。


 囚人に掃除や製造作業をさせる所であれば、物品の調達は余裕です。


 箒やモップが渡されました。

 先っぽの部分は取り外せそうですか?

 そこが外れれば、柄の部分が棒として活用できますね、十分殴打に使えますね。


 水の入ったバケツも十分武器になります。

 相手にぶっかける?

 いえいえ、勢いよく回して振り下ろせばメイスの一撃と大差ありません。


 製造では針金や釘などの細かい金属と手の平に収まる程度の木片が手に入りましたか、なければ割り箸みたいな物で数をそろえても構いません。


 木片に打ち込んで、指の間から釘や針金を飛び出させるようにすれば、拳の強化に加えて、相手を切る事ができるメリケンサックの出来上がりです。

 割り箸なら束ねて固定して握りの部分に加工できます。


 歯ブラシ、使い捨てのプラスチックの柄があるタイプ、ホテルのアメニティでもよくあります。


 プラスチック何とか鋭角に柄の部分をカットできませんか、使い捨ての刺突武器になります。

 カットができなければ、石でも壁でもいいので根気よく削って尖らせる事も出来ます。


 食器の先割れスプーンが武器になったり、トンネルを掘ったりできるという描写もありますが……

 先端部分は小学生の力でも曲げることができる貧相な金属なので、実際には難しいです。


 逆に言えば、先端部分をクニクニ動かして金属疲労で折ってしまえば切り口が疑似的な刃になります。


 他にも管理が厳しい物ですが、ハサミやカミソリはそのまま武器になりますし、運動場に小石でも落ちていれば武器に道具に活用できます。

 ただの石でも砥石の代わりになりますからね。

 

 



 これまでの物は比較的加工が簡単な物でしたが、ここからは少し難しいアイテムを見て行きましょう。


 サバイバルでも使える技術ですが、缶詰の蓋や周りの薄い金属が手に入ればナイフが作れます。

 そのままでも手を切ってしまった人が多いはずなので、切れ味は確かです。


 缶詰周りの薄い金属の板であれば、長い辺を縦にして、下半分をくるくると巻いて布でくるむ、上半分は小石でも何でもいいので研げば簡易ナイフの出来上がりです。


 缶詰の蓋なら、棒に切れ目を入れてそこに差し込むように固定すれば、棒が持ち手になってくれます。


 髭剃りのカミソリの刃が1枚と、歯ブラシなどのプラスチックの棒でもナイフになります。


 カミソリの刃を歯ブラシのブラシ部分に置きます。ライターなどで先端をあぶってみましょう。

 歯ブラシの先端部分を溶かしてカミソリを固定すると使い勝手が良いナイフに早変わりですね。


 ブラシ部分が燃えてしまうようなら、別のプラスチックや接着剤などを使って先端に刃を固めてしまいましょう。


 着ている服も武器になります。ビリビリと引き裂いて、出来るだけ長く丈夫にねじりながら紐状にしておきます。

 先端部分に何か重りを仕込んで振り回せば、十分に武器として活用できます。


 重りになる物は発想次第、石や金属に頼らなくでも、土を詰めるとかでも十分です。

 水を加えて固めれば強度もそこそこになります。1㎏の土の塊を勢いよくぶつけられたら脳震盪くらい起こります。


 細い鉄パイプが手に入ったのなら僥倖です。

 そのまま殴る事も出来るし、釘の後ろに綿でもつければ吹矢のように飛ばせます。

 やろうと思えば銃弾を仕込んで、後ろをハンマーなどで叩けるようにすれば銃も作れる可能性が見えてきます。

 あとは銃弾の調達だけですが、これが最大の難関でしょう……


 長い紐があれば、カミソリの刃を通して鞭にもできる。

 重石を付ければメイスにもなる。

 延長コードをこのように加工したアイテムがあったと記録にも残っています。


 というか延長コードがあれば銅線をむき出しにして、レンガや石の上にでも束ねて置けば、即席のコンロとしても活用できますね。


 電源は電池かコンセント、電池は小学校の実験と同じく両端を電池に繋ぐ必要があります。


 コンセントに繋いでクッキング&DIYを楽しみましょう。え? 電池もコンセントも無い?

 使える場所が限られているようですし、電気が使えなければ活用も困難ですね。





 などなど、囚われの何とかとなっても色々とできるものですね。

 囚われての数日は様子見になるでしょう、見張りなどの人数や時間、囚われている間の日課、日用品やゴミなどのレベルでもいいので、手に入れられるアイテムにどんなものがあるか、十分調べるに値する情報です。


 地形など出来る限り調べて、脱獄の計画を練っていきましょう。看守に賄賂や色仕掛け、仮病などが通じるかどうかも重要なポイントです。

 人の動き方から鍵などの管理方法まで予想も含めてチェックする事も大事です。


 調べた情報を元に計画を練られたら、決行のタイミングを気付かれずに待つばかりです。


 そもそも、捕まるような事をしてはいけませんし、捕まったら反省して刑に服している方がよっぽどスムーズに釈放される場合がほとんどです。


 ここで紹介した物は作ってはいけませんよ。

 プリズン・ウェポンを作って、使うのはフィクションとファンタジーと空想の中だけにしましょう。

脱獄だー! みんな続け―!!


 ってならないって、出来ないって。


 限られた環境下でも人間は武器を作ってしまいます。

 そんな武器もご紹介でした。

 総合的な言い方なので、作成する物によって名称や使用目的が変わるので、必ずしも武器じゃなかったりします。


 脱獄や脱出をテーマにした作品、個人的に大好きです。

 ファンタジーでも囚われてから、どうにかこうにかして脱出するまでって凄い好き。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ◎ プリズンウェポン⁉︎ ピーターさんのエッセイは、ほかの方の武器(アイテム)解説エッセイにない視点があるので油断❔できません。 (…今回はテーマ丸ごと) [一言] ◎ リクエストです…
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