〇 破魔 魔除け 悪魔よけ 武器に込められた平和の祈り
みなさま、あけましておめでとうございます。
これを書いていたのは、お正月というおめでたいところですので、武器の意味付けの簡単な説明から、平和への祈りと代えさせて頂きたいと思います。
しばしのお付き合い、よろしくお願いいたします。
日本に限らず、世界の武器には災い、悪魔、悪い物、病気、悪鬼、悪霊など人々に取って嫌な出来事をもたらす存在から身を守り、さらには倒す事ができると信じられています。
時には決意の表明や、証明とされる事もあります。
お正月に備えて、破魔矢を買ってきた方も多いかと思います。
これは、自分にかかる悪い物である「魔」を「破る」という意味に加えて、的を射るという事から「好機を射止める」という結果をもたらす願いも込められています。
日本には、言葉遊びのように願いが込められている物も多くありますね。
刃物にも悪霊を払う力があると考えられています。
死んで魂が抜けた体には、悪霊が入り悪さをするという考えがあり、短刀を抜いて死者を寝かせている布団の上や枕元に置いておく文化もあります。
私も父に「悪霊は刀とかの刃物が嫌いだから、こうして置いて近寄らないようにしている」と教わった記憶があります。
銀の短剣なども悪魔には有効とされています。特に不死者や吸血鬼には特効と言われていますね。
銀そのものは丈夫な金属ではありませんが、銀の上では細菌の繁殖が抑えられ、殺菌作用すら持っています。
貴族が使っている銀の食器などは、見た目の豪華さに加えて、仕込まれた毒を無効化したり、毒で色が変わったりと信じられていました。
身を守るための銀、伝説や物語なども混ざっていくうちに悪魔に有効というイメージもより強力になっていったかもしれません。
成人した証明や当主が受け継ぐ物として、刃物が使われている文化も世界中にあります。
短刀を持つ、専用の刀をもらう、先祖からの剣を継承するなどなど、数え始めればきりがありません。
確かに「子供」と扱われていれば刃物なんて持たせられませんから、専門の短刀や刀がある事は「大人」の証明としても分かりやすいです。
大人として、刃物を仲間には向けず、敵に向けて必要な時にだけ使うという分別がついているという事になります。
また、当代となるために剣を引き継ぐというのは、剣に様々な意味合いも込められているからです。
正義、信仰、権力など、剣には様々な物の象徴となる意味があります。
時には武器としての剣とは対極とも言える「平和」や「慈悲」の象徴にもなり、刃を削り、先端も丸めた剣も存在しているほどです。
以前に取り上げた「ヴァジュラ」
日本では独鈷や三鈷杵という名前で仏像がもっています。これも元は雷神インドラの雷の力を具現化したものです。
これも仏の力の1つで、悪しき物を倒す力を持っている事を示す物の1つです。
他にも沢山意味が込められた武器はあちこちに存在しています。
これらは、誰かから奪うための意思が込められている物ではありません、自分達を脅かす「魔」という存在を遠ざけ、倒す事で日々の安全な生活が実現できるように願いを込めています。
争いに使われる武器が、日々の安全な生活を願う象徴になっています。
よくよく考えると不思議な話に感じますが、武器を通じて争いを思い出して「もう、そんな事にならないように」という教訓からと思うと分かる気がしてきますね。
武器は知っていても使ってはいけませんよ。ラブ&ピースです。
暴れて、武器を使って争い、戦い、殺し、殺されとするなら想像の中だけにしましょう。そして、その恐ろしさを実感して現実にはやってこないように気を付けましょう
平和って大事ですよね
本年もよろしくお願いいたします。




