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〇 ちょいとコラムっぽい物、飛び道具の「射程」ってな~に

 意外と好評だった? コラムっぽい物、第2弾です。


 飛び道具に必ずついてくる「射程距離」、ようするに投げた・撃った時にどこまで届くのかという事を示すための用語です。


 地上で発射される限り、その軌道は必ず放物線を描きます。

 そこには重力や気圧、風に湿度や温度、使い手の体勢や発射場所の地面の状態、本当に様々な環境の影響を受けています。


 そのため、正確に設定をすることがとても難しいけれども、射程距離がその飛び道具の性能の一番わかりやすいポイントとなります。

 なので、必ず押さえるポイントです。


 作品によっては、重力以外の条件を全て無視できるとんでもない弾丸があったりします。

 宇宙空間では重力や空気といった条件がなくなりますが、重力がある事を前提とした加速ができないため、さらに条件が変わります。


 この辺を語りだすと、武器マニアではなく、物理学やSFに行ってしまいます。

 筆者ピーターはそっちのジャンルではないので、武器の話にしましょう。





 射程という用語に対して、明確に測り方を定めた定義などはありません。

 国や団体によって違う物が採用されているようです。射程を計測した時の環境などの条件が定められていて、それに乗っ取った計測が出されています。


 飛距離、射程距離、有効距離、決戦距離、最大射程距離、装甲貫通距離など、射程を示す用語は沢山あります。

 武器によっても使う目的や撃ち方が違うため、扱う用語も変わってきたりします。


 このくらい知っていると「あっ、なるほど!」となりやすいかなという所を一緒に確認しましょう。


「飛距離」

 文字通り、飛ぶ距離のこと。


 現在のスポーツでの飛距離を競う種目がコレ、飛ばした地点から地面についた所までの距離を示す。

 ハンマー投げとかだと、最初に地面にボスッと落ちた地点を測っていますね。

 やり投げは地面に刺さった所が飛距離になります。


 これが銃弾や矢だったとしたら、失速してヘロヘロになって相手の足元に落ちたとしても、届いたとなる距離。

 武器の射程として採用するには難しい。


 ガッチガチに武装している相手の足にヘロヘロの矢が当たっても戦闘には問題ありません。




「有効距離」

 打ち出された後に敵に当たって、ダメージを与えられる距離。


 例として弓と矢で考えてみましょう。

 弓と矢を用意して、標的を置きます。この標的に『刺さる』距離が有効距離です。


 ギリギリ届いて相手の皮膚1枚切った所で相手は倒せません。

 相手が倒せる距離で考えておかないと武器として成立しません。


 戦場では『いった~い』くらいではノーダメージと同じです。

 倒せる距離、倒せなくても腕や足に刺さって戦闘の継続が難しいほど『致命的』なダメージが必要になります。


 この致命的なダメージが与えられる可能性がある距離が有効距離です。




「最大飛距離・最大有効距離」

 普通は矢や銃は水平よりも微かに上に向けて撃つ事が多いとされています。

 発射後の軌道は放物線になるため、狙い通りの場所に当てるための工夫ですね。


 これに最大が付くと、斜め45℃と言えるほどの角度で空に向けて放ち、発射する体勢を含めて、その武器の限界の射程距離で放った場合の飛距離を指します。

 落下するエネルギーが加算されるので、飛ばした物の性質によっては飛距離=有効距離となります。


 この軌道だと相手を狙って当てる事は難しいですが、施設を攻撃する場合や相手が固まっている場合などには有効です。

 さらに障害物を超えて相手に届くので、発射場所を特定しにくいという特徴があります。




「装甲貫通距離」

 本来は銃器が相手の戦車や戦艦、城壁などに取り付けられた装甲版をどの程度離れた場所から貫通できるかを示す距離の事になります。


 ファンタジーの対人戦ではプレートアーマー、鎧具足、チェーンメイルなど、防具の上からでも、戦闘の継続が出来ないほどのダメージを与えられる距離のことになるかな。


 木の弓と矢でプレートメイルを貫通できるかと言われると多分できないですね、装甲貫通距離は「なし」です。

 これが銃となると、相手から〇メートル・〇歩までなら装甲を貫通できると明記できるでしょう。


 大体、この辺を押さえておくと、飛び道具を考える時に面白いと思います。





 魔法的、スキル的な物を付与した時を考えるなら、木の弓と矢でも十分アーマーを貫通させることが可能でしょう。


「私の魔法をかければ、木の矢でも100歩離れたところから、鉄兜も貫けるわ」


 わぁ、チート。


「ワシの魔力を込めれば、この布も鋼よりも固い盾となるわ」


 受けるほうも、わぁ、チート。


「通常飛距離200メートル、最大飛距離500メートル、80メートルまでならフルプレートすら貫通します! これが新型のクロスボウです!」

「すばらしい成果だ! よくやった」


 みたいな感じにもなります、すみません、この会話の数値は適当です。

 スナイパーライフルみたいなクロスボウになってますね。

 ファンタジーなら成立しそう。





 以下はおまけのQ&Aです。


Qトレビュシェットみたいな、大型投石機の飛距離と有効距離の違いは?


A弾丸が100㎏を超えるほどで、地面についた場所が最大の威力を発揮する場所です。

 飛距離=有効距離で大体合ってると考えてていいと思います。この場合は最大飛距離=最大有効距離でもあります。




Qチャクラムみたいな独特な軌道だとどうなるの? 装甲貫通距離は?


A弧を描くような軌道で投げると測りにくいですが、自分とターゲットの直線距離で当てられる範囲が飛距離になります。

 フリスビーのように障害物を避けながら投擲できる事が特徴なので、飛距離だけで考えるとチャクラムの魅力が下がっちゃうように感じてしまいます。

 チャクラムの項目見てくれると嬉しいです。


 性質上、高台から投げるとか複雑な条件を入れると、有効距離はさらに伸びる可能性があります。


 あと装甲貫通距離って、戦車とかプレートメイルとかを相手にチャクラム使わんでしょう? 

 革の鎧でも防がれるから、奇襲するか、首筋とかむき出しの部分狙ってください。




Qチャクラムの回答がそれだと、腕前次第ってことですか? 何とかアーマー突破できませんか?


A飛び道具全般が使い手の技量に思いっきり左右されます。比較的習得が容易いとされる物でも、的確に当たったという想定が威力の目安になっています。

 チャクラム好きっすね。アーマー対策なら魔法使って切れ味上げるとか、異能力使ってアーマーの材質を空気に変えるとかして下さい。



Q異空間を通して狙撃した場合飛距離は伸びますか?


A世界の法則を捻じ曲げているので、既存の射程距離の概念が崩壊しています。ワープした距離に通常の飛距離を足せば大体計算できるんじゃない?

 異空間の中が水だったり、強風が吹き荒れてたりしたら、とかだったりすると飛距離は伸びません。



QファンタジーとSFを混ぜた作品を書いています。光の射程を飛距離で教えて下さい。


Aえぇー!? 現時点での地球から一番遠い観測できた星が90憶光年だから、それ以上が飛距離じゃないかな。

 到達時間を考える必要が出てきてます。到達で90億年以上かかっちゃう、それにこれ飛距離なの!?



Q装甲貫通と言いますけど、鎧や盾の材質や当たった場所によっても違うと思うんですが、国際的な定義はどうなってます?


A射程に関しての国際的な定義は無いですって。

 それに装甲貫通距離って本当は対装甲板とかだからね。鎧とか盾じゃないからね。

 というか、射程で軍隊で使っている装備で、戦力の推察になる情報だから、近年~現在使用中の装備に関しては徹底的に秘密にされていると思います。



Q防具に関して、対飛び道具の明確な防御力を示して頂きたい。


Aうちは防具屋じゃねぇです。

 防具に関しては主力商品として扱っていないので、他のお店に行ってください。



Qせめて、ケブラーアーマーにカップ1程度の水ぶっかけた後、倒れた姿勢からコンポジットボウを撃ち込んだ結果だけでも教えて下さい。矢じりは二股に分かれている奴でお願いします。


A条件が複雑すぎる!

 ケブラーは水に弱いとされているけど、アルカリや酸性に弱く劣化が加速するだけだから、濡れてすぐなら性能落ちないと思いますよ。

 普通の水ならあんまり影響ないです。


 貫通しても体に突き刺さる所まではいかないんじゃないかな。

 でも純粋にケブラーの繊維部分なら、濡れていると貫通されやすくなるので、水が浸透していた場合は貫通される可能性はあります。


 そもそもですが、転倒状態だとコンポジットボウは十分に引けないので、強い矢を放てない、今度『弓』とりあげます。



Qいつも楽しみにしています。


Aそれは、本当にありがとうございます。今後もよろしくお願いします。

 投石や、弓とかになると、熟練しているかどうかで射程や命中力が変わるので、もっと複雑。

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