第26回 スリングショット&投石機 弾丸の値段が安い! お得品?
スリングショット スリング (今回はスリングショットに統一)
石を投げるための紐状の道具です。投石器の一種類がスリングショットです。投石『器』ですね。
これは人間が持ち運んで運用する道具になります。
そして、もっと大きい石である岩を投げるのが投石機です。投石『機』ですね。
当然1人では持ち運ぶ事ができません。車輪を付けて運んだり、組み立てて使う物になります。
設置や建造が必要な兵器です。
石と岩の違いについて、個人の手で動かせるのが石、個人の手で動かせないのが岩ということが区別の線引きだそうです。※所説あります
スリングショットは紐の真ん中をカゴのように編んだり、布や皮を取り付けたりして石を置く場所となる石受けを作った紐です。
紐の片方を輪のようにすることで、持ちやすくしたものもあります。
使い方についてですが、箇条書きが見やすいかな。
①紐の一方を手に持ちます。
②石受け部分に玉となる石や金属を置きます。
③紐のもう一方を①と同じ手に持ちます。
④頭の上でブンブンと振り回して加速します。
⑤③で持った紐だけを離します。
⑥加速された玉が飛んでいきます。
※注意、⑤の時に①の紐を離さないように注意しましょう。スリングショットごと飛んで行ってしまいます。
※警告、手を離すタイミングに注意しましょう。自分や後ろにいる味方に加速した石が直撃します。
意外と簡単に飛ばす事ができますし、体験したいのであればフェイスタオルやスポーツタオルの真ん中に石を置いて、両端を持って振り回してみればわかります。
ただ、この場合は石受けが無いので、タオルの両側から石がこぼれてしまう可能性があります。
ヒュンヒュンと音が鳴るほどの速度まで加速されていれば小石でも打撲跡を作るくらい威力がありますので、大変危険です。
※良い子も悪い子もマネしてはいけません。
※拳大の石ともなれば死亡事故にもつながります。試す場合は水風船など、比較的安全なアイテムをつかいましょう。
形状は要するに「紐」なので、くるくると丸めてしまえば持ち運びは容易です。
また、玉もこだわらなければ石、小石を袋に詰めて紐で縛るなど調達しやすいのが特徴です。
最悪ゴミも投げられます。
飛ばすだけなら簡単ですが、的に確実に当てるのは至難の業です。
下手な鉄砲数打てば当たる、もしくは相手が集団で「どこに飛ばしても敵に当たる」という環境で使う事が効果的でしょう。
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投石に使える道具は以外と多く存在しています。
スリングショットと同じ形状の物でも、日本では投弾帯、南アジアではカマン・イ・グローハがあります。
製造コスト、使い勝手、持ち運び、効果、これらの要素が満たされているアイテムと言えます。
違った形状では、柄杓やスコップのような形状があります。
棒の先端にカゴや紐を編んだ石受けが作られていて、ここに石をはじめとした玉を入れて、背中から振り下ろせるように構えて、肩ごしに大きく振って投げる物です。
当然、手で投げるよりも高く遠くに飛ばすことができるので、慣れた人が使えばホームランコースのような距離でも届くほどになります。
投石というのは、今も昔も行われています。暴動が起った時でもよく石が飛び交っています。
石なんてその辺にゴロゴロしていますし、ホームセンターでも20キログラムで100円~500円くらいで簡単に買えます。
投擲の場合、玉が使い捨てになってしまうので、ここのコストが恐ろしいまでにかかります。
とくに一本一本を工夫した投げ槍にもなれば、1万円札をばらまいているようなコストがかかっても不思議はありません。
命中率は低いけど、一発0円~数十円の弾丸、お得感がすごいですね。
スリングショットの材料も要は紐なので、木の皮でも作る事ができます。
本体も玉もお店が無くても手に入る、ますますお得感がすごい。
今ならなんと0円、うらの山で作り放題、玉も取り放題です。
簡単に行っていますが、誰でもプロ野球選手みたいな速度と飛距離で石を投げれるようになるので、恐ろしい事です。
十分に加速された石が頭などに直撃すれば、即死も十分にありえます。
やっぱり試してみてはいけませんね。
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スリングショットでは投げられないどころか、人間が持てないほどの物を投げるのが投石機です。
てこの原理をつかっているので、要はシーソーですね、これもスリングショットと同じように命中させるのはとても難しいものでした。
イメージは大きなシーソーです。
①片方に飛ばす岩をセットします。
②反対側に重石をセットします。
③セットした重石を勢いよく降ろします。
④①でセットした岩が飛びます。
①はシーソー部分の木に石受けを作って乗せる物もあれば、スリングショットのような投石紐がつけられている物もありました。
投石紐があると、振り子のような運動も加わるのでさらに速度が上がり、威力があがります。
投石紐があると、ただでさえ低い命中力がさらに下がります。扱いが難しくなるためです。
②の重石には、大きな岩や砂や岩を詰めた箱が使われていました。
これを滑車などで巻き上げてシーソー部分の木にセットして、勝手に降りないように支えを入れるなどのロックをかけています。
トルバシェット、もしくはトレビュシェットと呼ばれる投石機は140キログラムの岩を300メートルも投げる事ができたそうです。
重石には砂や石を詰め込んだ大きな木箱を使用、投石紐で岩を投げるようになっていました。
これは投石器の中でも重量といい、飛距離といい最強の物と言えるでしょう。
現代でもこんなもの食らったら、ビルでも倒れてしまいます。城壁どころか、城まで届き一撃で瓦解させるほどの威力があります。
140㎏の岩を投げれるのはすごいけど、そんな岩をどうやって戦場で運んだんでしょうか?
普通は数十キロ程度の岩を現地調達で使うという想定だったかもしれませんね。
極端な話、岩壁や土壁だって丸ごと玉にすることも可能ですから。
お値段最安!
投石機、威力あるけど、玉の重さが、たまに瑕。
お後がよろしいようですね。
ほんとにいい? 後書き、これで大丈夫?