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第22回 ガーンディーヴァ アルジュナが持つ神の弓(幻想武器)

ガーンディーヴァ


 ヒンドゥー教の聖典マハーバーラタに登場する、雷神インドラの息子アルジュナが持っていた弓。


 ファンタジーとなる伝説や神話というのは世界中に沢山あり、様々な剣や魔法の存在がその中に記されています。

 『剣』と魔法ってなってくるのが基本のセット。


 そう『剣』なんです武器の中でも限定的なんです。

 弓とか、槍とか、剣以外の武器に『名前』がついている物となるとその数がガックーンと少なくなります。


 今回『名前付きの弓でファンタジーの物』と貰ったんですが、私、これしか知りません。

 それ以外はですね「アルテミスの弓」とか「キューピットの矢」とかになってしまうんですよね。


 歴史を見ても「与一の弓」とかになってしまうので、刀のように銘がついている物も少ない。


 なんか、剣だけ扱いが濃くないっすかね?


 確かに儀礼的な場に持って行くには姿といい、サイズといい丁度良いのだと思います。

 儀式の真ん中に魔弾みたいな『野球のボールに見える』物とかを両手で掲げるのもなんか違和感です。


 剣に慣れ過ぎているだけかもしれません。


 私、インド関係の神話や伝承には疎い所がありますので、突っ込みは優しくしてもらえると嬉しいです。

 『この本、サラッと読めるし分かりやすいよ』っていうのあったら教えて下さい。


 どうも、ギリシャ神話とかインドの神話とかは、役割だったり関係だったりがごっちゃごっちゃして、頭の中で整理できないんですよね。変な事言ってたら素直に謝ります。

 




 さて、このガーンディーヴァですが持ち主が何度も何度も変わっています。


 アルジュナがこの弓をもらったとされている話には諸説あり、シヴァ神からもらったという説と炎神アグニからもらったとされる説があります。


 『所説あります』ので、気になる方はインド神話を調べてみましょう。


 製作者であるブラフマンの手からガーンディーヴァはシヴァ神へ渡り、プラジャパティ、インドラ、ソーマ、アグニとその持ち主が変わっています。

 アルジュナにはシヴァ神もしくはアグニから手渡されて、目的を遂げた後は神に返されたとされています。


 ガーンディーヴァは森を丸ごと焼き払えるほどの威力を秘めています。


 放たれた矢は狙いを決して外さないとされていましたが、ガ―ンディーヴァにはそんな能力はありません。

 持ち主であるアルジュナが弓の名手であり、その腕前は並外れたものでした。


 だからこそ、アルジュナがガーンディーヴァを扱う時には、凄まじい威力を確実に当たるという腕でコントロールすることが出来ていました。


 森を丸ごと焼き払える力があっても、コントロールできなければ、ただの厄災ですからね。


 焼き払うと言う事に使おうとされている弓ですが、空と水の神ヴァルナの物であったとされている説もあります。

 豪雨と暴風の神であるルドラがシヴァと同一の神であり、このシヴァからもらったため水の力を持つと考えられているということですね。


 風を操る力を持つ、雨を降らせる力があるとも描かれています。





 英雄アルジュナはナーガの王タクシャカが住む、カーンタヴァの森を焼き払うように炎神アグニから命じられます。

 そして、アグニはアルジュナにガーンディーヴァを渡しました。

 ※このときにガーンディーヴァを受け取るために、シヴァ神の元へ行き、虐殺をしようとしていたアルジュナにシヴァは悪魔の姿で戦いを挑んだという話もあります。

 この話では、戦いの中でアルジュナの行いを咎め、己の考えを恥じて反省したアルジュナ。

 その姿を見たシヴァはアルジュナにガーンディーヴァだけでなく、パーシュパタという人間に対して使ってはならないとされている武器か秘法を渡しています。


 親友であり、神の1人であるクリシュナと共にカーンダヴァの森におもむき、ガーンディーヴァを使い森を焼き払った。

 このときにアスラ族のマヤという建築家が森の中から逃げようとした。炎神アグニとクリシュナはこれを見つけ、マヤを殺そうとしたが、アルジュナは二人を止め、マヤの安全を約束した。


 この事にマヤは深く感謝をしてアルジュナに何かできる事はないかと申し出をしました。

 アルジュナは命を助けた見返りを要求するつもりはないと伝えましたが、マヤは『そんなわけには行かない』と強く申し出を続けました。


 アルジュナはマヤにクリシュナの頼みを聞いてやってほしいと伝えると、クリシュナは素晴らしい集会場を建設してほしいと頼み、マヤはアルジュナの頼みとしてクリシュナの願いを受けることとなりました。


 カーンダヴァの森を焼く、戦いを終えたアルジュナは、ガーンディーヴァを元の持ち主である神に返したのです。

 




 アルジュナは半神半人の英雄であり、ガーンディーヴァは神のみに扱える弓だったそうで、たとえ半神とは言えども人間にはアルジュナしか扱う事ができなかったそうです。


 それだけの力と腕を持っていた人物ということですね。それだけではなく、性格にも逸話があります。


 このアルジュナはとても真面目な人間であり、真っ直ぐな性格をしています。

 それゆえに真面目すぎて、ちょっと待てと言いたくなるエピソードが沢山あるんです。


 先ほどの神話でも、マヤが人間ではなく悪魔の化身だったらなどとは微塵も疑っていませんし、自分のためではなく友人のためにマヤの申し出を受けています。


 武術の腕前を競う大会に出場した時には、優勝した褒美としてその国の姫を渡されました。


 褒美の内容を知らない母に『褒美は兄弟5人で分けるように』と言われ、真面目がすぎるアルジュナは本当に姫を兄弟5人の共通の妻にしてしまいました。


 これには、母も兄弟も、妻となった姫も頭を抱えたことでしょう。


 融通が効かないほどに真面目だったので、神たちも「こいつになら、貸していいか」と返しに来る事を信用してガーンディーヴァを渡したのかもしれません。

狙いは手動! 誤射は大災害!


 最近だとあちこちの作品に登場しているみたいですね。


 次は可動式ダガーをやります。

 グレートソードの補足にもなるかな。


 リクエスト頂いていた物です。

 何度も言います『所説あります!!』

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― 新着の感想 ―
[良い点] 予想と外れました。だからこそ良かったのですが。 そして、幾人へと渡り歩く弓、というか武器もまた珍しいですね。 しかしまた、凄まじいスケールですね。 森を焼き払うのと、虐殺がイコールで…
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