第21回 レイピア 細い剣でしょ、あれ?太くね?
レイピア
ゲームの中で小剣や軽量剣の中でも、最弱な扱いにされていることが多く、かよわい女性やキザったるい男性が持っている印象が強い武器。
レイピア、フルーレ、エストックと攻撃力や豪華さが上がっていく印象がありますね。
という個人的な見解と思い込みがある武器です。
マインゴーシュの時に剣の年代やサイズ、重さを書いたのですが、とりあえずそれを再掲載します。
ちょっと見て下さい。
『レイピア』
ヨーロッパ
16世紀~17世紀
長さ(持ち手含む)70~80㎝
重さ1.5~2㎏
『エストック』
ヨーロッパ
13~17世紀
長さ(持ち手含む)80~130㎝
重さ0.7~1.1㎏
『フルーレ』
西ヨーロッパ
17世紀~現代(フェンシング競技用含む)
長さ(持ち手含む)100~110㎝
重さ0.3~0.5㎏
気が付いた方は沢山いるはずです。
一番重いのが、レイピア。
そして、一番短いのがレイピアです。
片手剣なので持ち手部分は短い、持ち手を守るナックルガードや鍔の部分も細工こそされているが全部を覆ってはいない。
ということは……
つまり、太いんです。
貴族の決闘では先に血が流れた方の負けと言いますが、80㎝で重さ2㎏はある鉄の棒の尖った武器。
こんなんで刺されたら、拳銃で撃たれたより大きな穴が開いてしまいます。
まさに命がけの決闘でした、相手を殺さずに勝敗が決まる。
そんな、なまっちょろいもんではなかったでしょう。
そして、どうやって帯剣していたんでしょうか。
サイズを考えると腰に差せる長さです。100㎝とかになってくると、おそらく腰に差すと不便さが出てきたと思います。
80㎝程度なら、腰から斜めに差していれば地面を擦ることはあまりないでしょう。
ですが、100㎝にもなればガリガリと地面に擦りそうです。
ズボンに工具のように引っかけていては、2㎏ものレイピアの重量でズボンが脱げてしまいます。
手に持つ物でもないし、背負う物でもないので、レイピア専用のベルトがあったのかもしれません。
そうじゃないと、ズボン脱げちゃって、恥ずかしい上に歩きにくいので、めっちゃ格好悪いっす。
実際に帯剣している写真だと、馬上の物しか私は見た事ありません。
しっかり探せば見つかるでしょうが、帯剣につかう鞘やベルト等への差し方はハッキリしていないように思えます。
レイピアなどの刺突剣が発展したのは、銃の登場によりフルプレートアーマーなどの重鎧が廃れてからです。
銃に対し刺突剣では軍配は銃に上がります。ゼロ距離に近ければ剣に軍配があがるようになります。
そうなると、レイピアなどの剣も持っていれば、銃も持っているということになってしまいませんか?
荷物多くね?
鎧が無くなっても重い荷物を持ち運ぶ呪縛からは逃れられなかったかもしれません。
決闘だ!
左の手袋投げるのは、右利きはレイピア持つ手袋残すためかな。
刀身や使い方の情報は多いのに、帯剣についてや鞘についての情報が少ないんだよなぁ。