○コラムっぽいもの 槍ってごっちゃになってない?
いつも読んで頂きありがとうございます。
重箱の隅っこも隅っこのコア過ぎる『武器』というテーマのこの作品、いつも目を通して頂きありがたい限りです。
さて、今回は番外編「コラムっぽいもの」でございます。
今回のテーマは「槍」です。
自分を含めて皆さん、色んな槍をごっちゃごちゃにしているのではないかと思いまして、そこを整理していきたいと思っている所であります。
はい! ではまず「槍」をイメージしてみましょう!
どんな槍が頭に浮かびましたでしょうか?
突進特化のランス
多様な扱いのハルバード
投擲もできる短槍
人の身長程度の十文字槍
集団戦法の代名詞の長槍
などなど、エトセトラのエトセトラです。
みんなイメージする槍って違いますよね?
さらには投擲にしても、長い物・短い物。
単身で扱う槍もあれば、集団戦法に扱うための槍など、ごっちゃごちゃになっていくではありませんか?
槍でありながら、突き攻撃に頼らないどころか、切る方・殴る方が得意という槍までありますね。
ピーターなりに大まかに整理すると……
①1人で使う槍
②みんなで使う槍
③投げつけて使う槍
となってきますので、これで見ていきましょう!
◇◇◇
①1人で使う槍
ハルバードがまさにこれですね。
他にも十文字槍、スコーピオン、ハルベルトもそうですね。
ジャンルとしては槍とは外れてきますが、薙刀とかも1人で使う物です。
呂布が使っていたと様々言われている「方天画戟」とかも1人で使う物と筆者ピーターは考えます。
これらの槍の特徴としては「振る」という動作が入ってくる事が特徴ですね。
だからこそ、1人で使わないと効果が上がらないとなります。
相手へ攻撃する際には突きなら、となりに誰かいても問題なく攻撃できますよね。
では、ラインダンスをするかのように左右の人に密着している状態をイメージしてくださいね。
できました? 装備はみんなの憧れ、ハルバードですよ。
さぁ、思いっきり振ってやりましょう!
自分のハルバードが隣の味方を切りつけて、あなたの腹には隣の人が振ったハルバードがぶっ刺さってます。
ね? 1人で使わなきゃダメでしょう?
突くという攻撃に限らず、振るという動作ができるからこそ。
受け・弾きという防御に加えて、切りつける・引っかけるといった複雑な攻撃も繰り出す事ができるようになります。
1人で無双するにはこうした槍を使うしかありませんし、1人だからこそ槍の性能を最大限に発揮できます。
これが、かっこいいんだ!! たまんない!!
なので、あんまりにも長いと複雑な動きがやりにくいので、人間の身長~身長に頭一個か二個足したくらいの長さになっていることがほとんどですね。
逆に短いと攻撃の間合いも短くなっちゃいますから、別の扱い方になっていってしまいます。
◇◇◇
②みんなで使う槍
「えい・えい・おー!」の掛け声の語源の一説ともされているのも、みんなで使う槍という話につながっていたり、なかったり。
日本の槍戦術の最初とも言われる菊池槍から始まり、長槍がこれに当たります。
西洋だと、パイクとかランス。中国だと、槍をはじめ狼筅や筅槍などがあります。
こうした槍は集団で使うからこそ真価を発揮するものです。
長柄槍とも言われる長槍は5メートルを超えてくる槍となり、素早く正確に動かす事は比較的やりにくい槍です。攻撃方法も突き・振り下ろしの2択に絞られます。
あまりの長さに振り回すことは困難なので守りも困難、パッと見て武器として成立していないほどです。
これが集団で、みんなで呼吸を合わせると化けます。
槍を掲げる事で、槍が屋根のようになり飛び道具を防ぎます。盾兵や自分の装備も合わせれば矢の雨すらも耐えるんです。ただの槍なのにですよ。
そして、突き攻撃は槍の壁の突進となり、振り下ろしは刃の屋根が敵の上に落ちる訳です。
呼吸がずれるとバラバラになるので、隙間ができて攻撃をかわされますし、守りの時も敵の飛び道具が抜けてきてしまいます。
みんなで呼吸を合わせるために「えい」で攻撃「おう」で防御など、掛け声をかけながら戦っていたとされています。
こうした槍はみんなで使う事ですごい効果を生み出しますね。
5メートルの槍をひとりで使っても威力も効果も何もないので「無用の長物」と呼ばれる訳です。
◇◇◇
③投げて使う槍
1人で使う槍、みんなで使う槍、それぞれにも分類できるかもしれませんが……
1人で使う槍は複雑な動きができるという特徴。
みんなで使う槍は単調な動きながら、集団戦法になると化けるという特徴。
でも、どちらも直接攻撃なんですね。
ですが、これは飛び道具。手の届かない所まで攻撃が届くという夢のアイテムです。
狩りでは1人で使うことで獲物を逃がさず仕留めます。
戦いではみんなで使い、槍の雨を降らして確実に敵を仕留めます。
投槍競技の原点となったと言われるジャベリン、古代ローマのいやらしい投槍のピラとピルムなどが投擲用の槍です。
直接的に投げつけるというよりも、放物線を描く軌道で投げるので、尖端が下を向くようにならないと刺さってくれませんから、製造についても大きな違いがあります。
短い槍というのも、弓矢が発明される前から狩りの道具として存在していました。
これも飛び道具としての側面をもっていたので、加工された投擲武器としては槍が最初だったんじゃないかなと思ってます。
卑怯な槍の使い方を「犬槍」と言ったりしますが、戦場ではやってもOKなんだけど、これを自慢する事がよくないという文化がありました。
槍を投げつけてダメージを与える方法も、ここに分類されています。
やっぱり飛び道具って強いから、飛び道具で勝っても自慢すんじゃないってことなんでしょうね。
投げつけるために複数持つ事を前提にされるため、槍の中では小さめで複数の持ち歩きも容易にできるのが、投げて使う槍の特徴ですね。
◇◇◇
さて、いかがでしたか?
そんな事知っとるわい! と言われるかもしれませんが、おつきあい感謝です。
「槍」と一文字で表していても、その中にはものすごい種類がギュ~ッと詰め込まれているという事が良く分かりますね
もっと言えば馬上で使う専門の槍や、接近戦~投擲までこなせる槍、長物のハンマーの先端に突起をつけて槍モドキにした斧なども出てきてしまいますから。
やっぱり武器って面白い。
ランサー!!
槍使いっていうと大体は1人で使う槍が思いつきますよね。
集団戦法だと、え~と……
ランサーズ? なんか、かっこ悪い印象が出てくるのはなんでだろ?
集団戦法の槍もキレイに決まると、メチャカッコいい! しかも高威力!
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