第155回 マル 角でアタック!
マル
マドゥ
マロ―
ネジネジと伸びる動物の角を2本、上下にくっ付けた所の中心部分に握りとなる小さい盾をとりつけたもの。
角は加工して尖らせてあったり、金属をはめ込んだりして鋭くて丈夫になるようにしてあります。
盾は20直径20センチ程度なので、小さめのお鍋の蓋ですね。
握りも棒一本の鍋の蓋のごとくとりつけられています。
真ん中にぽっちがあるような感じではなくて、握り込めるようになっています。
動物の角は盾の端から50~60センチくらいに対角線で飛び出ているので、角の先端からもう一方の先端までは120センチくらいのサイズになります。
小型の物では100センチ未満になります。大型の物になると、身長をはるかに超えるサイズにまでなったりするので、扱い方が根本から変わってくることもありますね。
重量は意外と軽くて1キロ程度です。
最大級に重いサイズでも4キロ程度とされています。
盾の部分が全部金属だと、もっと重くなりそうですから、厚手の革などに金属で補強をするようになっているのかなと思う所です。
たまーにですが、漫画などにも登場してきたりしますね、メインのキャラクターが持っているというよりは背景に登場したり、モブキャラが構えていたりする印象があります。
ネジネジと伸びる動物の角が、悪魔や鬼をを連想させてくれますよね。
17世紀のインド、マラーター王国を中心に作られたマラーター同盟(マラーター連合ともいうらしい)で使われた盾であり、武器がマルです。
今回はこの攻撃的な盾、マルを見ていきましょう!
◇◇◇
~マルの性能~
マルは盾ですので、基本的に別の武器とセットで使われます。
片手に剣、片手にマルという基本的な剣と盾の装備……
ではないですね。
ぶっちゃけ、どっちも武器なんで、剣とマルの二刀流です。
まず、盾としてマルはかなり優秀な働きをします。
この上下に伸びる動物の角が、相手が振り回す剣などを良い感じに受け止め、受け流してくれるので、対剣や対棍棒では真価を発揮します。
相手が横なぎに振ってきた剣に対して、マルをヨイショとぶつけてやれば、例え盾部分で受け損ねても、角が相手の剣を受け止めてくれます。
自分の体と相手の剣の間に、マルの角が挟まってくれるわけですから、自分の体は斬られません。
振り下ろされる剣に対してはマルを少し斜めにして受け、クルリと回すかのように押してあげると、相手の剣は外側に反れていってくれます。
角が相手の剣を絡め取ってくれるんですね。
目の前には剣を持つ手を明後日の方向に向けている、スキだらけの相手になっているので攻撃のチャンス到来です。
マルは相手の武器を止めるだけではなく、弾く、絡めるということまでやってくれます。
小さい盾に棒状の突起がついていると、盾としての扱いの幅が非常に広がるのですが、マルも例外ではありません。
◇◇◇
~武器としてのマル~
もちろん、マルは攻撃の起点としても優秀です。
相手の武器を受け止めたら、スライドするようにして、動物の角の突き攻撃が可能です。
下へスライドさせてば相手の足元を突けますし、横向きにして受けていればそのまま踏み込むだけで相手の胸元や首を狙えます。
当然、マルでの先制攻撃も有効です。
相手が盾を構えているなら、先にマルで突き攻撃をしてワザと受けさせます。
サッとよこへ回り込めばもう一方の手の武器で盾を持つ手を切りつけられますし、マルに気を取られているスキに足や首筋などを狙うこともできます。
マルを突き出す仕草をするだけでも相手にはプレッシャーになりますね。
相手が剣とマルを装備していた場合は接近戦はオススメしません。
メインの武器で来るのか、先にマルの突きが来るのか。
常に攻撃の手が2倍になっているので、やりにくいことこの上ありません。
こちらが先手をとれたとしても、マルの防御と攻撃の性能が高い事を常に警戒しなければなりません。
メイン武器で受けられたら直後にマルの突きが来ます。
マルで受けられたら、攻撃した手をメインの武器が刈り取りにきます。いや、喉元に角が突っ込んでくるかもしれません。
ほんっとにやりにくい!
大きく動く事ができる場所であれば、格闘術のようにマルを扱う事も可能です。
相手の上段からの攻撃を受けた直後に、ボクシングなどのレア技、バックハンドブローを打つように体を反転させれば、マルの角が相手の背中や脇へと吸い込まれるように刺さってくれます。
盾部分は相手の攻撃を流すように使えるので、相手の剣を受けつつ踏み込みをができれば、マルが剣の上を滑るように相手の体へ刺さります。
相手の攻撃をさばきつつ、拳を打ち込むような動きになるので、格闘術に通じる物を感じますね。
マルは盾としても優秀でありながら、武器としても優秀というということが分かりました。
マルの攻略方法は……
槍の集団で雨のような突きをかますか、飛び道具で狙い撃ちか、どっちかですかね。
重装備でマルを扱う事は少ないため、一度外したら、身を隠されてしまいますからチャンスは限定的です。
身を隠して逃げてくれればいいですが、走り込んで間合いを詰められたら、大変な事になりそうです。
接近戦に持ち込めれば勝利が確定する盾でありながら、強力な武器でもあるのがマルと言えますね。
シールドアタック!
とても盾とは思えない、積極的な武器です。
盾が付いていないタイプや、角が段違い平行棒のようになっているような亜種も存在している。
なんて話があったり、なかったり。