〇 トラップハウス 丸ごと罠にしちゃいます
さて、今回は番外編。
武器の一部として時々「罠」や「トラップ」を紹介してきましたが、今回は特にそこに焦点を当てていきます。
罠って名前がついているものばっかりじゃなくて、咄嗟に作った物とか自然を利用した物も沢山あります。
個別の名前がついていなかったり、名前があっても分かりにくい物もあったりして、細かい所まで解説しなくても良さそうな物もあります。
クロスボウとかも、どこかに触れると留め金が外れて矢が発射されるなんて仕組みはあちこちの作品で出てきたりしますね。
ドアを開けた時に「ヒュッ!」とかいって矢が飛んできたところを、バシッと掴む!
そんなことできるかぁ! とも思いながらも、こういうシーンってかっこいいですよね。
ですが、トラップって1個あるだけではそんなに引っかかってくれないのが現実です。
落とし穴も作っておいても、かならず引っかかるわけではありません。たまたま、踏まなかったなんてよくある話です。
輪っかを引っかけたり、岩を落としたりするような所でも、避けられたりする可能性も十分にあります。
当たらなければ、直撃しなければ、トラップの意味が無くなってしまいます。
そもそも、トラップのある道を通ってくれるとも限らない……
なら、どうするか。
対応は実に簡単な話です。
「山盛り仕掛けたらいいじゃん」
こんだけ仕掛けりゃ、どれか1個くらいは引っかかってくれるだろ?
というヘタな鉄砲を撃ちまくって無理やり当てる大作戦です!
トラップに使えるアイテムや道具は結構沢山あります。
近代で定番なものだと、手榴弾とヒモやワイヤーを組み合わせて、扉を開けたり・蓋をあけたり・飾ってある物品を触ったりするとピンが抜けたりして「ちゅどん」とすることが定番とも言えますが……
これは近代アイテムですし、確実に命を奪うレベルの威力を発揮する事を目的にしています。
もうちょっと求める威力を下げて「相手を転倒させる」「軽度な怪我を負わせる」「侵攻を遅らせる」などの嫌がらせレベルから考えれば結構沢山思いつく物です。
では! 居住するにはデメリットばっかり!
危ない危ない、トラップハウスを作って行きましょう!!
あ、良い子も悪い子も、老若男女の区別なく。
『作っちゃダメですからね!!』
絶対に作らないとお約束できる方だけお進みくださいませ。
◇◇◇
~家の外から~
では、まず庭の周辺から行ってみましょう。
草がボウボウに生えていれば、僥倖ですね。草むらの一部の草をお互いに結んでみるとかどうでしょう。草に足を取られやすくなりますし、丈夫な草なら転倒まで視野に入ります。
長いツタなどを絡んでいる所から少し外して、引っ張っておいてもいいですね、良い感じに相手に絡んで鬱陶しい事この上ありません。
イラクサとかの棘や毒がある草があれば尚のこと効果的ですね、木の枝なども尖らせて混ぜておけば、引っかけて小ダメージを喰らってもらえるかもしれません。
棘のある植物ってのも結構ありますからね。イラクサみたいな棘も毒もある物なら特に有効です
庭石もグラつくようにしておいたり、壊れやすいダミーにしておけば、躓いたりしてくれることでしょう。
ダミーの下に小さい落とし穴に釘を打ち付けた板でも仕込めば、1人くらい無効化できる可能性もありますね。
庭石が並んでいて、いくつか踏んで問題なければ、そのまま歩いてくるのが人間の心理ってもんです。
玄関先にも出来る事はあります。
屋外のマットの裏面を滑りやすい素材にしておけば、ツルッと滑って転んでくれますね。
あ、玄関のタイルに油や洗剤を撒いとくとかもありですね。
とどめに玄関は開かなくしておきましょう。
ん? 鍵かけとくって? それはそうですが…… ドアノブをすぐにとれるようにしておいて、そこに針やら酸やら仕込んでおくとかどうですかね。
ドアノブ取れるなら、玄関から入るにはぶち破るしかないので、時間稼ぎにはなりそうに思いません?
◇◇◇
~家の中~
さて、家の中ですが、手始めにスリッパでも出しますか。
もちろん細工はしてありますよ、強烈な両面テープを裏面にびっしり貼っておく、もしくは床に打ち付けておきましょう。
疑いもなく履いてしまったらそのままビッターンと転んでくれます。玄関先になんでもいいので尖っている置物でも並べておけば追撃にもなりますね。
家の中にも落とし穴は設置できますよ、しかも意外と簡単です。
床の収納や床下へ入るような所を開けておいて、上に絨毯でも敷いておけばオッケーです。
あ、床板腐っている所も活用できます。
玄関先にも使ったような油や洗剤を撒いておくのは変わらず効果的です。
階段の上の方だけに仕掛けておけば、一番下まで転げ落ちてくれるでしょうし、2~3段にしかけておけば一段抜かしで登られても十分に仕留められます。
階段はトラップのオンパレード、床板の固定を外しておくだけでも効果的です。
さらに、ビー玉などのオモチャを大量にばらまいておくだけで簡単には登れなくなります。
止めに一番上にはマットを敷いておいて、裏側と床をツルツルにしておきましょう。マットを踏んでくれればツルッといきます。
足元を気にしてゆっくりと登り切ったときに僅かに油断しますから、そこを棒で思いっきり突いてやればマットごと一階へ帰ってくれるので、上手くやれば大ダメージです。
ビー玉などのオモチャに、洗剤や油、さらにツルツルのマットなどなど、階段の足場をトコトン悪くしてやれば、上から飛び道具で一方的に攻撃ができますね。
◇◇◇
~ドア~
ドアと言えばトラップの王道、引き戸であれば黒板消しを引っかけておいて、ドアを開けた人の頭に落とすなんて、古からの伝承トラップも存在しています。
意外とびっくりするのが「スライドドアにドアノブ」「ドアに取っ手」です。人間習慣的にドアノブが付いていると押すか引くかしますから、すぐに開けられなくなります。
ドアの足元部分や壁に透明なテープや丈夫な紐を張っておくことも有効です。
慎重に足を進める時ほど、すり足になりますから逆に引っかかりやすくなりますね。
ドアを開けにくいようにつっかえ棒とかしておけば、相手は他にトラップ無いとおもいますから、開けた事に安堵して躓いてくれたりもします。
スキを生じぬ2段構えはトラップにも有効なんですよ。
ドアを開けた瞬間に落とし穴みたいな攻撃も有効です。もちろん重い物などが開けた瞬間に倒れてくるなんてのもありです。
天井や壁にフックや釘をつけて、紐を通しておけば、様々に活用できます。
襖やドアを開けた時に紐が引っ張れれば、天井から振り子のように物をぶつけるようなトラップが作れます。
当然、ボウガンやクロスボウなどの発射機構に結びつけることも可能なので応用の幅が広いですね。
シンプルにドアベルも開けられた事が分かりますからお手軽に設置できるし、費用もお安くできます。
2階だったりすれば、外に直通のドアにしておけば、一歩踏み出したら1階へお帰り頂けるトラップになります。
壁にドアだけ取り付けておけば、無理やり開けようとして時間を稼げるかもしれません。
◇◇◇
~家具~
当然家具にもトラップは仕掛けられます。
それも、嫌がらせレベルから、一撃必殺レベルまで。
椅子の足の一本をもろくしておいたり、ネジを外しておくだけでも十分トラップになりますね。
座ろうとした相手は床に転げてくれます。
透明タイプの強力両面テープとかも意外と有効、ベッタリくっついてくれたら嫌がらせには十分です。
カッターの刃や釘など尖がっていたり、触れると傷がつくような危険なアイテムを用意します。
それを、ひじ掛けの裏、机の裏や引き出しの取っ手、ソファの薄いシートの下などに仕込んでおけば完成です。
気付かずに触れてしまったら、手をスパッとやってくれるトラップの完成です。
深めの切り傷が出来れば戦闘力を大幅に奪うことができますね。
毒を染み込ませた綿も一緒にセットしておけば、追撃にもなりますよ。
嫌がらせに使うならインクを染み込ませたシートでも張り付けておくなんていかがでしょう。
【バーカ】とかの文字を鏡文字にした形にインクを付けておけば、相手の体に悪口を刻みつけられます。
蛍光塗料とかにしておけば、暗闇でも目立つようにさせられますし、カラーボールのインクみたいな簡単には取れない物なら長時間有効です。
ソファや椅子、ベッドなどのクッションの中に上向きにナイフを仕込んでおけば、疲れて座ってきた敵のお尻をザックリ切りつけられます。
え? ナイフが無い? じゃあ、庭木でも鋭く尖らせて仕込めばオッケーです。毒を持っている樹木を使えば攻撃力もアップですね。
壁に穴があけられるなら、そこにクロスボウやボウガンやらをセットできませんかね? もちろん爆薬や火薬に火種でも十分効果があります。
紐を引き金に取り付けて、壁の穴には高級そうな額に入った絵でもかけて隠しておきましょう。
もちろん、紐は絵の裏側に取り付けておいて、動かしたら発動するようにしておきます。
ここでワンポイント『絵はちょっと斜めに』しておきましょう。
人間、こうしたインテリアが曲がっているとちょっと気になる物、ついつい直そうと手がでてしまいます。
直そうとして一旦外したり、動かしたりした瞬間にトラップが発動。当然、絵を直そうとして正面に立っている訳ですから、急所にズドンって寸法です。
ということは、応用すれば、札束やジュエリーなんかにワイヤーをつければ同じようなトラップが作れますね。
◇◇◇
さぁ、沢山のトラップが仕掛けられましたね。
他にも食料に毒を仕込んでおいたり、水に薬品を仕込んでおいたりすることもできます。
仕込みをしてある物資を相手にワザと奪わせるようにすれば、敵を内側から崩す作戦にも繋がります。
放棄を検討しているような施設をトラップハウスに仕上げて、ワザと敵軍に奪わせる。
こちらが、普通に使っていた施設ですから、相手もそこまで警戒しないで使ってくれる事でしょうから、意外な打撃が与えられるかもしれませんよ。
ファンタジーでは主人公を苦しめるトラップの山で、演出的にも大きな役割を買ってくれるトラップの数々。危険な魅力を感じますね。
盗賊のなんちゃら、みたいな施設はトラップハウスの代名詞といっても過言ではありません。
ですが、くれぐれもトラップハウスなんて作ってはいけませんよ。
なぜなら、現実の世界でトラップハウスを作った方々は……
大体、自分の作ったトラップに引っ掛かって、命を落としているからです。
もし、作ってしまったら……
最初の犠牲者は貴方かもしれませんよ。
自滅注意!
トラップの管理って結構大変。
失敗は自分に被害が出る可能性が非常に高いです。
気を付けましょうね。
熊用のトラップの檻に間違って自分が閉じ込められたなんて話も……