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第140回 ダート 手投げの矢

ダート

ダーツ



 パッと考えると、得点が書いてある的に向かって手で小さい矢を投げるゲームを思い出しますよね。

 弓などを使わず、手で投げる矢の事をダーツと言います。

 ちなみに、1本だとダート、2本以上あれば複数形のダーツと呼びます。ダーツもダートも同じ物なんですよ、数が違うだけです。



 手投げの矢その物はかなり昔からありますね。しかも世界の各地で見られます。

 ただ、投げ槍と混合されていたりすることもありますから、細かい分類は解釈によって色々と変わってくるポイントでもあります。



 こんかいのダーツは、ゲームでもあるダーツのルーツにも関わってくる物でもあります。

 的当てのダーツに使われているものは全長15センチ程度、重量は50グラム以下なので、これと比べると明らかに大きい。

 今回紹介する手投げ矢の武器は長さ30センチ、重さ300グラムくらいとされていますね。



 先端の矢尻の大きさ、お尻部分の矢羽の有無や大きさによっても全長が変わってきます。

 確かに重量50グラムくらいの小さな矢が刺さっても、毒でも塗ってなければ大きなダメージになりにくいですね。

 重さ300グラムの矢であれば、腕に穴くらい開きそうですから、威力としては成立していますね。



 投擲の文化の中で、紐や棒などを組み合わせて投げるようになる前、人間は手で物を投げていました。

 しかも、この投げ方そのものの研究に研鑽を重ねて人間は物を投げるという技術を磨きに磨きあげてきました。



 野球選手は時速100キロを超える速度のボールをポンポン投げ、ピッチャーともなれば時速160キロを超えることすらあります。

 やり投げ、砲丸投げ、円盤投げ、ハンマー投げなど色々な投擲がありますが、どれも重い物なのに数十メートルを投げています。



 当然、弓をつかう事が強いイメージの矢も手で投げることができます。

 さて、それでは今日のテーマ、手で投げる矢を見て行きましょう!



◇◇◇



~ゲームとして~

 まず、手で投げる矢は、ゲームセンターやビリヤードなどが楽しめる施設に併設されているダーツがパット思いつきますね。

 


 これは1455年のバラ戦争でイギリス軍の兵士達が、ささやかな遊びとして矢を投げて樽の蓋などの木に当てるというゲームを始めた事に由来すると言われています。

 1896年には点数区分を的につけることが考案されて、現在のダーツの原型になりました。



 元々、矢を手で投げるという所に原型があったというわけです。

 当初は今のような手のひらサイズではなく、弓をつかって放つ矢をそのまま使っていました。

 これが、ゲームとして洗練されるにつれて、コルクボードに刺さって抜けない細く鋭い先端を持つようになり、サイズも室内でポケットに入れられる程度となりました。



 的を狙うゲームのため、人に危害を加えるようには作られていません。

 最近のダーツの先端はプラスチック製が主であり、コルクボードなどに使うための金属製だとしても画鋲を長くした程度です。

 人体でも眼球などの弱点となる部分に直撃でもしない限り「痛い!」程度で済みます。



 そもそも、人に向けて使う物ではありませんから、ちゃんと的に当てましょう。



 そして、今日のテーマはダーツなんですが、このゲームのダーツではありません。

 これは武器じゃなくて、ゲームの道具ですからね。



◇◇◇



~武器として~

 実際に手で投げる専用の矢というのも存在しています。

 日本語では「手矢(てや)」と言ったりしますが、手矢そのものはまた別の武器。

 ああ、ややこしい。



 弓を使わずに矢を放つわけですから、石を投げるようにはいきません。大きく振りかぶったり強い踏み込みが必ずしも必要というわけではないんです。

 手裏剣のように、上半身の力だけで手のひらから打ち出されるようにして投げる事ができます。

 少し、持ち方は違いますが、下半身や腰をひねるような動きが不要なゲームのダーツの投げ方に通じる物がありますね。



 最初にも言いましたが、手で投げるための矢は全長30センチ、重量300グラムです。

 歴史は旧石器時代にまでさかのぼる事ができ、木の棒に尖らせた石などを括りつけて、得物がみつかれば投げつけて仕留めるという狩りの道具にされていました。



 狩りの道具として使えるということは、対人でも歩けなくさせる程度のダメージを与える事ができるということですね。

 弓や槍などでは大きく持ち運びが手軽ではありませんが、こうした手矢であれば、筒状の容器があれば複数をまとめて持ち歩く事ができます。



 先端部分が金属で鋭い刃となっていれば、現在で言うノミやナイフを投げつけるほどの威力を生み出します。

 骨を断つまでは行かなくとも、ナイフが腕や足に突き刺さるほどの威力を発揮するのが、ダートになります。



 基本的に形状は矢そのものなので、手で投げても弓で放つよりスピードや射程に劣りますが性質は変わりません。突き刺さる攻撃をする飛び道具です。



 もちろんですが接近戦でも使えます。

 至近距離で投げつけて相手を怯ませるだけでなく、しっかり狙える距離であれば、顔面や喉に投げつけてやれば一撃必殺にもなりえます。

 投げるだけでなく、握って振り下ろすように刺せば強力な刺突も繰り出せます。



 一見すると弓に劣るようにみえますが、そこは状況次第。

 弓を引くという動きができない狭い場所や、体のバランスの維持が難しい船の上やぬかるみの上などでは弓の威力は十分に引き出せず、持ち込むだけでも動きに制限がかかります。

 こんなところなら、ダーツを持ち込んだ方が効果的ですね。



 実際、古代から洗練されて狩りの道具になるだけでなく。ヨーロッパ付近では実践にも投入されていました。

 手軽に持ち運べて、木の棒と矢尻だけで最低限の性能は確保されるという、比較的低予算で作れるため水上戦などで活躍したとされています。

直接狙う!


 しばらく投稿できておりませんでした。

 またガンバリマス!


 色々トラブルがあったり、眩暈の治療になったりしておりましたが、一応復帰してまいりました~

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― 新着の感想 ―
[良い点] ピーターさん、お帰りなさいませ(*^_^*) 今回はシンプルな武器ですね。 しかし、狩りに使っていたことを考えると、昔の人の身体能力の高さがうかがい知れます。兎や鳥あたりは成功率高そうです…
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