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第134回 マンプル 小手の先は刃です

マンプル



 西ヨーロッパに存在していた刀剣ですが、あまりにも独特すぎる見た目と扱いの特殊性から一部の人間が身に着けていた剣です。



 最大の特徴は握るための柄がありません。

 そう、握らないで使うんです。

 この世に武器は数あれど、手に握らない武器なんてものは万に1つ程度しかありません。

 その数少ない武器がマンプルです。



 ガントレットの手の甲に当たる部分から、まっすぐな刀身が伸びており、その両脇には悪魔の爪を思わせるような短い刀身が対となって存在しています。

 このガントレットは指を覆わないため、手のひらは自由になっていますので、何か細工をしたり物を持ったりする事ができます。



 やろうと思えば、マンプルを付けた状態で剣を持つ事すら出来てしまいます。

 マンプル2刀流に、刀剣の2刀流を加えれば、短い刀身も含めてなんと8刀流!!

 そんな無茶苦茶な絵もできちゃいます。まぁ、実用性は皆無ですけどね……



 今回はこのマンプルを見て行きましょう!



◇◇◇



~どうやって使うの?~



 いやほんと、どうやって使うんでしょうか?

 資料が少なすぎて、扱い方の技法まで分からないんですよね。でも、出来る限り考察してみたいと思います。

 筆者ピーターの主観入りまくりですので、ご了承下さいませ。



 歴史をみてみると、スペインでイスラム教徒との紛争が落ち着いた頃にイタリアに伝わってきて、その周辺に広まったとされていますが……

 広まった?



 あまりにも特殊な形状の武器は製造にも手間がかかり、その扱いを習得するのにも手間がかかります。

 なので、広まったとはいえず、極めて僅かな人数がマンプルを手にして……じゃないですね。

 マンプルを腕にして、さらに少数の限られた人間がマンプルの扱いを習得したことでしょう。



 こうした手に付けるタイプの武器だと、パタとか、ジャマダハルみたいな剣を思い浮かべますが、あれは握り拳を突き出すように使うだけでも十分な効果がある武器です。威力はこれに準ずるものと見て良いでしょう。

 マンプルは腕に付けるわけですから、指にダメージがあったり、傷があったりしても遠慮なく振るう事ができますね。



 形状はアジアの一帯で見られる、3本に分かれた短剣サイズの武器、十手を思わせる(さい)に似ています。この釵は3つの尖った先端と別れている隙間を利用して様々な扱いをすることができます。

 左右の先端を引っかけて引きずり倒したり、隙間に相手の武器を受けたり絡めとったり、やろうと思えば、引っかけた部分から自分の体全体の動きを加算して、投げ飛ばしたりすることもできます。



 マンプルも中心の刃で全体重を乗せた必殺の突きに加えて、短い対称についている刃を引っかけて引き倒したり、押し倒したりすることもできそうです。

 さらには手が自由になっていますから、ここで相手を掴んだりすることもできそうです。手に毒薬でも仕込んで置けば相手の無力化もできますね。



 ファンタジーやゲーム的に考えれば武器を出したままの状態でアイテムを扱える訳ですから。

 攻撃1発に加えてアイテム1個使える訳です。戦略の幅が滅茶苦茶広くなると思いませんか?



◇◇◇



 あまりにも特殊な武器のため、ネットで画像を探してもほとんど出てきません。

 ツイッターで武器防具兵器など関係の有名な方が出しているのが見つかるくらいじゃないかなぁ。



 ですが、総合して『マンプルの威力は高かった』とされている資料ばかり、威力には定評があったとされています。

 基本的に全体重を乗せた必殺の突きが恐ろしい威力だったとも考えられると思っています。



 それに、握らない武器という特徴が加わる事で、マンプルしか扱えないという人もいたのだと思いました。



 腕を切り落とされたキャラクターが、無くなった腕の代わりに刃物や銃を仕込んで戦場に戻ってくる演出があります。

 不屈の闘志、敗北と屈辱の恨みを晴らすため、様々な感情が入り混じりながら、トラウマとなってもおかしくない状況に再び身を投じています。



 マンプルも指や手が動かなかったり、無かったりしても手首が残っていれば装着できそうです。肩と肘が問題なく動けば扱う事ができそうです。

 無くした・動かない腕に変わり、マンプルが剣を握らせてくれたのかもしれませんね。

貫けェ!!


 こういう刃の突き攻撃は本当に強力です。

 薄い鉄板とか皮鎧だったら、根元まで刺さっちゃうんじゃないかな。


 次回以降、中国系の武器触れて行きたいと思っています。

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