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第133回 カミソリ 本来武器じゃないよ……

カミソリ

剃刀



 一言でカミソリと言っても色んな種類があります。

 女性のお肌のお手入れ用のカミソリもあれば、男性の髭を剃るためのT字カミソリ、床屋さんが使っているような折りたたみ式や片刃のナイフみたいなカミソリなどなど。



 という訳なので、カミソリと言われるとイメージが皆さん変わりますね。

 ですが、どれも新品の状態やお手入れがしっかりされている物であれば、例え皮膚を切り裂いてしまっても「痛い」と感じる事すらないほどの切れ味を発揮します。

 お肌を切ってしまったという体験はカミソリをつかっている人はだれでも経験していますね。

 


 以前にプリズン・ウェポンとして少し触れていますが、カミソリの刃があればナイフが作れます。

 カミソリの刃をばらして、歯ブラシや櫛などのプラスチック部分を溶かして溶接したりするなど、無理やりでも柄を取り付ければナイフとして扱う事ができます。



 世界各地にはこうした日用品を武器化するような技術が生まれて、とっさの時に身を守ったり、侵入先などで武器を現地調達するときなどに活用されることもあったりします。



 今日はこのカミソリを武器化してしまう事を見て行きましょう。

 ……危険だから使っちゃだめってことですからね。



◇◇◇


 

~武道カミソリ~



 あるものなんですね。

 床屋さんが使っているカミソリの中には柄の部分に上質で固い木を使っているものがあります。

 ここで叩かれたら痛そうですよね。



 こうしたものであれば、とっさに手に取って素早く展開すれば、ナイフのような見た目になります。

 カミソリのナイフは長方形のため先端が平らで刺突には向きません、ですが、人の体毛をスッと切り落とせるというのは相当な切れ味がないとできませんので、斬撃に関してはトップクラスです。



 柄を使った打撃、刃の部分を使った斬撃、これを組み合わせて扱う護身術が存在しています。



 折りたたみ式のカミソリを瞬時に開閉させて、自分が望む形で握ります。

 スタンダートに柄を握り、親指側に刃、小指側に柄頭が出るように握る。

 逆に親指側に柄頭、小指側に刃が出るように握る。

 これがスタンダードな持ち方ですね。



 変則的な持ち方だと、握った時に中指と小指の間から刃を出したりして、殴るようにして切り付けるような扱いができます。

 フックを撃つ要領で腕を振って、胴体ではなくても腕や手に切り傷の1つ2つ与えてやれば、相手は攻めあぐねることでしょう。



 こうした開閉術はバタフライナイフにも通じる物がありますが、こうした可動域がある物を武器とすると可動部に負荷が集中するため故障や破損につながりやすくなります。

 もちろん日用品のカミソリなので、メインの武器というよりも咄嗟の時に扱うため、素手に比べたらはるかに有用と言えるでしょう。



 柄による打撃、刃による斬撃、握り方と振り方に加えてパンチ・キックなどの格闘技の動きを加えると攻撃の手段は千差万別です。

 暴漢に襲われた時でも素手に比べたら、小さな刃物でも握っているほうが相手も近寄りにくくなります。もっとも、妙に反抗しようとするよりも抵抗ほうが良いとされる場合もありますが……

 こちらに致命傷を与える事が前提の相手なら、何が何でも抵抗しなければなりません。



 カミソリも武器として認めた武術が存在している訳ですから、武術としての考え方も実践的です。

 あくまでも護身術、それも身近にある物をつかったものですから、相手を倒そうとするものではありません。

 相手をけん制することや、攻撃を弾いたりすることがメインになります。

 それでも相手を倒す事を優先するなら、後の先の不意打ちです。



 手の中にカミソリを忍ばせておき、相手のパンチなど手を使った攻撃の瞬間に懐に踏み込みます。

 フックを撃つように、相手の腕に自分の腕を絡みつかせるようにパンチを繰り出しますが、このときにカミソリの刃を展開して顔面や首筋を深く切りつける方法があります。

 かなりの高等技術が必要とされるため、よっぽど特殊な訓練をした上での極秘任務中でもないかぎり使わない技術でしょう。



 折りたたみカミソリでなくても、通常の片刃カミソリや両刃カミソリを武器化したりする技術も存在しているようですが、あくまでも護身術ですからね。

 活路を切り開き、逃走経路を見出すための物ですからね。



◇◇◇



~両刃カミソリ~



 先に言っておきますが、本来切るのは『髭をはじめとした体毛』だけですからね、お肌のお手入れ以外には使ってはいけません。

 これを本来の使い方とは別に使います。



 一枚両刃の替え刃式のカミソリの刃の部分を使います。

 指の間に挟んで置いて、掌底などの体術で殴りつけるついでに切りつけるなどの攻撃もできますが、以前にもプリズン・ウェポンとして紹介した時のように工作して武器化する事の方が多いですね。



 通常のカミソリとしての柄では武器としては使いにくいため、加工します。

 歯ブラシなどの先端に固めるなどもできますが、これだと片刃のカミソリと変わりません、物資が手に入りにくい環境ではこれでも十分ですが……



 紐に結び付けて鞭のように振り回して使ったら誰も近づいてこないでしょう。

 振り回さずとも、複数の刃を取り付けておいて、足元にピーンと張っておけば即席のトラップです。

 そういえば手紙の中に大量に仕込んでおく攻撃的な嫌がらせ、カミソリレターなんてものもありましたね。



 手や足など、スパッと切ってしまうだけでも人間はパフォーマンスが低下しますし、一度トラップや嫌がらせのダメージを喰らってしまうと精神的に疑心暗鬼になり、警戒するあまり反射なども遅くなってしまいます。

 たかだか小さな切り傷でも人間に隙を作るには十分な性能です。



 日常で手に入る刃物も悪用しようと思えばいくらでも出来てしまいます。

 本来の用途以外に使うと道具も作り手も泣きますし、あまりにも悪用がひどいと規制させてしまい不便になってしまいます。

 くれぐれも悪用しないように気を付けましょう。



 そして、世の中にはこうした悪用方法を考えて実行する危険な人間がいることも忘れてはいけません。

 危うきには近寄らず、自衛することで刃物も平和につかっていきましょう。

切れ味抜群!


 とりかえたばかりのカミソリはとってもキレイに剃れるので、お肌つるっつるになりますね。

 むしろ、古いカミソリの方が、肌まで切れてしまう事が多くありますよね。


 適切に使いましょう!

 人を傷つけるために使う事は言語道断です!

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― 新着の感想 ―
[良い点] カミソリが武術で使われるという話にびっくりしました。確かに切れ味いいですもんね。子供の頃、遊んでて血まみれになっていたと、親から聞いた話を思い出しました。
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