第12回 青龍刀 え? 無いってホント!?
青龍刀 (せいりゅうとう)
幅広で、肉厚な刃を持ち、手元か刀身に竜をかたどった細工や彫り物がされている中国の剣。ヤクザ映画みたいな所やカンフーアクションの映画などでも登場しているので印象に残っている人も多い。
ただ、これ『青龍刀』じゃないんです。さらに言うと、青龍刀なんて刀は無いんです。
幅広で、大きく反り返っている刃、これを持つ中国の刀は存在します。一応、柳葉刀のことを日本では青龍刀と呼んでいるとされるのが一般的ですが、この柳葉刀はイメージの青龍刀ほどの反りは無く、肉厚というより薄くて軽やかに振れる作りになっています。
柳葉刀は前回解説した、双剣で触れているのでそちらをご覧ください。
ただ青龍刀というイメージそのままで行くと柳葉刀とは別の刀剣になると思います。青龍刀の肉厚と大きな刃を考えると長さが持ちてを含めて100㎝くらい、重量も2㎏前後になると思います。対して柳葉刀はせいぜい1㎏程度なので、イメージとは異なってきます。
ただ、中国の刀剣類は恐ろしいほど種類があるので、今の作者では特定は不可能です。
ですが、この青龍刀のイメージや見た目がそのまま通用する武器がありますので、そちらも紹介します。
解説逃げたとか言わないでくださいね、資料揃えたら細かく説明したやつを追加であげますからね!
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イメージの青龍刀、肉厚で大きな刃、竜の細工があって、持ち手は20㎝くらいでしょうか。
持ち手が20㎝ではなくて、150㎝以上あり、全長が170㎝~300㎝くらいの長物であれば実在します。
三国志で関羽が扱っていた武器、偃月刀がこれになります。関羽が扱っていたこの武器には青龍の文様が入っており、青龍偃月刀と日本で呼ばれています。
関羽が使っていた青龍偃月刀には冷艶鋸という名前がついていたそうですが、この辺の解説はピーターが三国志に詳しくないので避けておきます。
中国の発音にちかくすると偃月刀と言うそうです。長物であり刃の部分も大きいため大変に重い武器になり、その重量は最大25㎏にもなっていました。
25㎏、2リットルのお茶の6本入り段ボールで12㎏に段ボールが数百グラム、これが2箱で大体それぐらいの重量です。
重すぎて振り回せないですよね。戦場では機動力が下がる重量というのは致命的です。運ぶのにも体力が必要で、場所も取るから他の物資を削らなければいけません。
たとえ威力があったとしても重さ5㎏の槍5本を持っていくほうが効率的なため、ここまで大きい偃月刀は訓練用だったらしいです。
この偃月刀も時代が進んでいくといくつかの進化を遂げます。長さや形状を工夫してより実戦に耐えうる装備になっていきました。
桃刀
寛刃刀
片刀
虎牙刀
など、これらは偃月刀を軽く短く作り、一部の兵達が使うようになりました。
名前はあるのですが、それぞれの詳細な資料が手元に無いため、どれがどの程度の長さと重量、反りを持っていたかがご紹介できず申し訳ありません。
これら偃月刀の進化と発展の中に、私たちがイメージする青龍刀に近い物があったはずです。
青龍偃月刀、見たい方は中華街へゴー! 関羽が持っています。
お出かけの際は感染症に気を付けましょう。
なぜかリクエストでは中国系統の武器が多い、特に刃物は複雑なんですー!
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