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第120回 ヒッター 鎖付き鉄球の発想

今後もフレイル系統は出していきます

ヒッター


 ドイツを中心に短い期間使われていました。

 柄となる1メートルくらいの棒の先端に、鎖を取り付け、鎖の先には猛犬の首輪にでも使えるような放射状のトゲを取り付けた鉄の輪をくっつけた武器です。

 ようするにフレイルですね。


 以前にも紹介したフットマンズ・フレイルの仲間ともされているのが、ヒッターです。

 ぶっちゃけた話、尖端部分が木の棒から鉄の輪になっただけです。


 フレイルの鎖の先にとりつける殴打するためのパーツを「殻物からもの」と言ったりします。

 この殻物が違うだけでフレイルの呼び方は千差万別に変わっていくようになります。


 特に放射状に棘をつけた金属を殻物にした場合の威力は高いと認められており、見た目的にも攻撃的です。

 実際に扱ったら先端の重さによる打撃的なダメージと、棘による刺し傷・切り傷を同時に喰らう訳ですから、恐ろしい話ですよね。


 このヒッターはドイツで行われた農民戦争の際に急場しのぎとして生まれた武器に数えられています。


 1524年に始まったドイツの小規模な農民の反乱は翌年には非常に大きな範囲にまで広がり、反乱の地域はローマ帝国との国境付近にまで広がっていました。

 それだけ広範囲で戦いが行われていたというわけです。


 農民達ですから、剣や槍などが揃っていたわけではありません。

 身近にある農機具や家財道具や大工道具などを武器として手に取っていたことも多くあったでしょう。

 その中で道具を組み合わせて武器を作り出すということは当然に行われていました。


 この年代にはこうして、身近にある物を組み合わせたり、壊れた物を無理やりにでも修理した武器が多数生み出されました。


 ヒッターに使われるのは棘付きの鉄の輪が一般的でしたが、刀剣の柄頭のパーツであるポメルを殻物として使われている物などもありました。


 敵が使っていた剣などを奪い取ったり、混戦の中で壊れて捨てられた刀剣類のパーツの中から特に重さがあるポメルに無理やり穴をあけて、そこに鎖の先端をつないで、折れた槍などの木の棒に強引に接着すればヒッターの完成です。


 純正の鉄の輪の殻物でも引きちぎれたり、ひしゃげたりした物も、反乱に参加しているメンバーの中に鍛冶をかじった人間がいれば無理やりにでもくっ付けて、再度使用させるといった事も出来たはずです。


 無理矢理に作ったフレイルでもあるヒッターですが、キチンと威力を発揮させるための形状や重量といった条件は十分に満たしていました。


 実はヒッターの資料を見ると、全長が60~150センチと幅があり、重量も1.5~3.5キロと広くなっています。

 色んな破損武器をかき集めて、無理やりにでも修理したと考えると、この幅の広さも納得が出来そうですね。

再利用!


 例え棘がヘタれても、金属の固まりがあるというだけでフレイルの威力は十分です。

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