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〇 ちょいとコラムっぽいもの 重さは力?

 ファンタジーだと重さの概念の桁が違いますが、現実だと数百グラム変わるだけで桁違いの感覚になります。

 需要があるかどうかと思いながらも、そこそこ伸びているからいいかなと思って書いてる「コラムっぽい物」シリーズ、今回のテーマは『重さ』です。


 ファンタジーに登場するキャラクター達は沢山います。そしてそれぞれに様々な武器を持っています。


 巨漢の戦士の身長より長くて、上半身よりも面積が広いバトルアックス。

 人間が後ろに隠れることができるような、大きな鉄板を思わせる大剣。

 身長2メートルを超える鬼や悪鬼が持っている巨大な鉄の棒。


 オークやトロールは巨木をそのまま棍棒として扱っていますし、大型の魔物は家ほどもある巨大な岩を持ちあげて投げつけたりします。


 どれも、かっこいいですよね、憧れます。


 ただ、これらはあくまでもファンタジー。

 これらは全部100キログラムを超えてくる物ですし、家ほどもある巨石は単位がトンになってしまうので文字通り桁が違います。


 リアルでは『持てるかそんな重いもん!!』ですが、ファンタジーなら魔法をはじめ不思議な事が沢山ありますから、何の問題もありません。

 むしろ、オークやトロールが通常の人間サイズの棍棒持ってても絵になりませんからね。


 武器とは振ったり、刺したりして使う物ですので「なんとか持てる」という事では武器になりません。

 『持ち運び』が出来て『振ったり突いたり』して『使える・扱える』という事ができて、初めて武器になります。


 重量挙げの選手は数百キロを持ち上げますが、持ち上げた物を振り回したりはしませんし、持ち上げるバーベルを直接自分の手で会場まで持ち運んだりはしません。

 上げ下ろしくらいしますけど、運搬には車とかをつかいますよね。


 大概の場合「持ち上げられる重さ」≠「武器の重さ」です。イコールではありません、ノットイコールです。

 なので「振り回せる重さ」=「武器の重さ」がより正解に近いという事です。


 大概の場合というのは、設置型のタイプだったり、複数人で扱う武器などもあるため全てが振り回せる重さに収まっているとは限らないためです。


 中には転がして使うような物もあったりしますから、剣や斧、槍、弓など手に持って扱う武器の重量だと思っていてください。


 それでも人間が持つ物じゃないだろって規格外の物も実在していたりするのですが、それは別のお話しです。


 では「振り回せる重さ」ってどれくらいなんでしょう。

 そして、武器を使っている時間はどれくらいなんでしょう。


 戦いの時間と場所が決まっているのであれば、比較的使う時間も短いため、多少重くても疲労し切らずにこなす事ができたかもしれません。


 逆に、朝から晩までいつ敵がくるか分からないという所では、ちょっとした重さの物でも1日中構えていればヘロヘロに疲れ切ってしまいます。


 体の大きい小さい、戦う場所や地形にもよるため「振り回せる重さ」もその環境で変わってきます。


 今回は武器によって色々調整されて、考えられている武器の「重さ」に着目していきます。





 普段、振って使う物は何があるでしょうか?

 現在の日常生活にある物と言えば、バッドやゴルフクラブなどのスポーツ用品。


 ハンマーやバールなどの日曜大工の工具、ご家庭によるでしょうけれども鉈とか鍬とかの農作業用品ですかね。

 鉄パイプとかの日曜大工パーツとか、薪割り斧とかあるかもしれません。


 木刀がある?

 はいはい息子さんが修学旅行で担いで帰ってきたんですね、こうしたものは大体は実戦向きではありません。

 白木の中でも強度が低かったり、軽量な物は鑑賞用ですね。


 え? 明らかに重いし、水に沈むって……

 アイアンウッドタイプの木材つかっているんですか!?

 そんなもん棍棒の殴打以上の破壊力でますからね!

 取り扱いには気を付けて下さいませ。


 ちなみに木刀は武道での稽古で使用される事も多くあります。

 剣道・古武道を学んでいる方の家にはこうした物が数本置いてあってもおかしくないですね。

 ……くれぐれも人を叩かないで下さいよ。


 レアな木刀はちょっと脇に置いても、ハンマーやバットなどは数百グラム~といった重量でしょう。

 重くても2キロくらいといったところでしょうか。


 大工道具のハンマーも数百グラム程度なので、あの小さい釘の頭に確実に当たるようコントロールして使うことができます。


 1キログラムのバッドでも人間に向けたら重症を与える結果をもたらします。


 工事現場で使うような巨大なハンマーだったりすると、あの太い杭に当てるだけでも結構なコツが入ります。

 しかも、全力で振り下ろしたりせずにコツコツといった感じに当てていますよね。


 万が一手元がずれたら、杭を支えている人の腕にハンマーがぶち当たり事故になってしまいます。


 思いっきり振り下ろして重い物だと、餅つきのきねとかもそうですが、あれも本来は杵その物の重さを活用して振り下ろすというよりも、落とすという形で餅をついていきます。


 そうしないとコントロールが乱れて、餅ではなくうすの方を叩いてしまい、衝撃で砕けた木片が餅に混ざり、美味しさがダウンしてしまいます。


 これやると、めっちゃ怒られますし、餅が美味しくないって恨まれますからね、気を付けましょう。

 経験者は語ります、気を付けましょうね!


 ということは相手が重い武器を持ってきていた場合、それを押し込んでやれば勝手に自滅してくれる可能性もありますね。


 杵を振り上げた相手をドンと突き飛ばせば、そのままバランスを崩して転んでくれるばかりか、自分の体の上に杵を落としてくれたら、撃破完了です。


 危険ですね、安全のため重い物を持っている人にはぶつからないようにして、避けてあげましょう。





 こうしてみると重い物になるほど、使い方が難しくなりますね。

 振って使うには大きすぎると難しい。

 小さいハンマーなら、天井に釘を打つ事も可能ですが、巨大なハンマーでは釘を打つ事も至難の業です。


 巨大なハンマーで人間をぶっ叩こうものなら、確実に重症です。ですが、小さいハンマーでも後ろから頭に振り下ろしてやれば重症を与える事は十分に可能です。


 おや、小さくても威力は十分な場合もありますね。

 数百グラムのハンマーでも、巨大なハンマーでも重症を与えるができてしまいます。


 威力だけを考えれば巨大なハンマー、つまり武器は大きければ大きいほど効果的です。


 ですが、そんな大きな物1日中振り回していられませんし、1発避けられてしまっては2発、3発と操るうちにあっという間にヘロヘロです。


 重さが威力に直結する打撃武器でもその重量は重くても3キログラム程度に抑えられています。

 海外の身長も体重も大きい、鍛え上げた肉体の持ち主でも、3キログラム以上になると扱い方が難しくなってくるということですね。


 たかだか3キログラムと侮るなかれ。

 全身鎧だったり、敵の城壁・城門だったりをぶっ壊していくわけです。


 でも、相手が無防備であれば、数百グラムのハンマー程度の重量で十分。

 構えていたり、腕で体をガードしていても1キログラム前後のバットなどがあれば十分。

 鎧や盾でガッチガチなら、2キロ~3キロのメイスがあれば叩き伏せる事ができますね。

 

 これ以上の重量となると適切に当てることが難しいばかりか、振り抜く動作になるため引き戻しが容易ではありません。

 むしろ一回転させてしまった方が、体制のコントロールが楽なくらいです。


 よく『当たらなければ意味が無い』といいますが、5キロ以上ともなれば素早く振り抜く事も難しく、初速も遅いため軌道も容易に見極められてしまいます。


 さらに、あまりの重量で使い手は足まで遅くなってしまうので逃走も容易にされてしまいます。

 野球のバット程度の重量でも持ったまま走るというと足が遅くなりますから、巨大なハンマーなど持っていたらあからさまに遅くなりますよね。


 重ければ重いほど威力はあがりますが、適切に自分でコントロールし切れる重量の武器を選びましょう。


 重いから強いってことはありません。敵の装備を見極めて、自分の体形・筋肉量・習熟度など色々な要素を加味して、適切に装備を選ぶ事が一番です。


 重ければ重いほど威力はあがりますが、当たらなければ意味はありません。

 というか、重すぎて振ることすらできない武器なんて……


 ただのオブジェってやつですね。

 振って扱う武器って5キロとかになると異次元の重量感を感じ取ることができます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 某漫画の最新刊ラストで重装胸甲騎兵の指揮官が「重さと速度こそ威力っ!!」と決めポーズで叫ぶシーンで終わっていたのですが、やはり重さは凶器ですね。 そして制御の難しさから使いこなすのは狂気のわ…
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