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第114回 セルティス 四角い斧

斧もいろいろあるんだなぁ


 全く違う地域で、似たような形状の武器が出てくることもあります。

 人間って色々考えるので、似た発想もあったりしますね。

セルティス


 古代ローマの時代に存在していた斧で、柄に対して90度の角度で大きなノミの先端を取り付けたような形状をしています。


 イタリア半島の中心部にエトルリア人という民族が存在しており、彼らが扱っていた武器の1つがセルティスです。

 エトルリア人は独自の言葉を持って、文化も独自に発展していましたが、段々とローマに同化するかのようにその姿を消していきました。


 ローマの文化の初期も初期の時代、アーチ状の建築はエトルリアの模倣とされる説があったり、ローマの王族にはエトルリア人が居たという話があったりと、エトルリア人とローマの深いかかわりを感じます。


 さて、このセルティスですが、長さは50~70センチの柄に10センチ×20センチくらいの斧頭ふとうをもっています。

 あ、刃渡りが10センチで、柄から刃の部分までが20センチ程度の金属版がくっついている感じです。


 手斧ちょうなとかアッズと呼ばれる斧の形状をシャープにしたものがセルティスですね。

 こういった形状の斧は打製石器から、石などを加工してつかうようになった新石器時代から見られるようになる歴史も深い形状です。


 アッズのような形状を持つ斧の総称もセルティスとなっています。

 そのため、柄の長さや斧頭の大きさや取り付け方が違うタイプも存在しているようです。

 厳密に言うとアッズとは、鍬のような先端を持つ斧の事を指しているため、セルティスのように通常の斧の向きで斧頭が取り付けられる物はアッズではないのかと思ったり……

 まぁ、いつもながら「諸説あります」です。


 この形状は先端が細くなっている分、振り下ろした時に先端により力が集中し、例え刃がヘタっていたとしても薄い金属部分に力が集中するため強力な切断力を発揮しました。

 ノミで全力で突き刺すような軌道で斧頭が振り下ろされるため、ヒットした場所はノミをハンマーで叩いたかのような力がかかっている訳です。

 そりゃ切れますし、刺さりますよね。


 相手の急所に向かって振り下ろすだけでなく、相手の首などに引っかけてから押し込んだり、振り抜いたりすることで、喉笛をかき斬るようにすることすらできます。

 力が一点に集中するということは、やろうと思えば骨すらも貫くことができますから、鎧の上からでも致命傷を与えたりすることも出来たはずです。


 振り下ろした力が一点に集中すること、刃の切れ味が鋭いこと、刃が丸みを帯びた斧よりも手入れがしやすいことなどから、戦いに使われる戦斧というだけでなく、工具としても優秀でした。

 セルティスで薪割りすれば、軽い力でも十分にパカンと心地よい音で丸太が割れて行く事でしょう。

 なので、閉ざされた木製の扉を叩き壊したりと攻城戦にも役立ったかもしれません。


 なんにせよ、セルティスのように1点に力が集中する構造というのは強い物なんです。

 槍のようにスライドして突くよりも、重力の力を借りて振り下ろす方が勢いは付きますよね、しかも槍のように動いた分の力が1点に集中する訳です。


 当たり所が悪ければ、腕や足などをちぎるほどの威力にまで上がる可能性があるのが、このセルティスです。

 

必殺の一撃!


 こういう形状って突き刺さるんだよねぇ

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