第105回 銅拳 鉄があるなら銅もある!?
詳しい方居たら教えて下さい。
銅拳・銅拳
中国で明~清の時代にかけて存在していた長物の武器です。
長さ150~180センチ、重さは1.8~2キログラム程度になっています。
特筆するべきは先端の形状です。
とってもリアルな人間の握りこぶしが先端についており、突くと正拳突きが放てるような形状をしています。
しかも、その拳には五寸釘のような大きな釘が握られているのが一般的です。
こんな、一般的じゃない武器の形状に一般的も何もあったもんじゃないような気もするんですが……
なんと! バリエーションも存在しており、釘ではなく金属製の筆を握っている物。中指を立てているアメリカでは撃ち殺されても文句を言えない程の侮蔑行為の手の形になっていたりします。
とりあえず本当に金属で人間の拳の形を作っている長物の武器なんです。
先端は妙にリアルなのですが、インターネットで検索すると中々画像が見つからない。
三才圖會、もしくは三才図絵の中に描かれているそうなんですが、実物は一体どこにあるのか、筆者のピーターには分かりません。
実物しっている方、見た事あるという方、ぜひ連絡を頂きたいと思います。
今回はこの実体が不明でありながら、リアルな人間の拳がついた銅拳を見て行きましょう。
◇
~見た目より威力はある~
槍の穂先の代わりに五寸釘を握った金属製の人間の拳がついた武器ですが、パッと見てふざけているように感じてしまいます。
ところが、人間の拳サイズの金属の固まりというのは意外と侮れません。
1キロ程度の鉄アレイが棒の先にくっついていると思って下さい。
「な~んだ、ちっちゃいじゃん」と思ったそこの貴方。
1.8メートルの棒の先に鉄アレイがくっついているんですよ、思いっきりスイングされたら大ダメージだとは思いませんか?
1リットル入りのペットボトルがありますね、無かったら500ミリリットルのペットボトルを2本用意して、それを足の上に落としてみましょう。
ペットボトルという柔らかい材質にも関わらず、悶え苦しむ程痛いですよね。
では次に1キロの鉄アレイを足の上に……
骨が折れてもおかしくないので止めておきましょう。
銅拳の先端部分はどう軽くみても1キログラムはあります。これを思いっきり突き込んだり、スイングして相手にぶち込めば、強烈な打撃を与える事ができますね。
しかも、この鉄の拳は尖った極太の釘を握っています。
この釘が相手に刺さるように思いっきり振り抜くか、振り下ろしてやれば、例え鉄の鎧をまとっていたとしても大穴を開けてやることができるようになります。
その打ち込みはまさに鉄槌。
ふざけた見た目と相反して、しっかりした威力を担保してくれています。
先端に金属を使って重さを確保したのは、振った時の威力をあげるため、ハンマーのような効果を得る事を目的としていたのでしょう。
もちろん、突き攻撃もできるようにするための形状でもあります。
そこに釘を持たせる事で、ピッケルのように打ち込む攻撃と、ハンマーのように殴る攻撃、そして重い金属での突き攻撃で相手の体制を崩す事まで狙えました。
しかし、なんで人間の手の形をしているんでしょうか?
鉄球に杭のような太いトゲを付けてやれば、性能的には同じような物を作れますし、拳のように細工をする必要の無い分、手軽に手早く製造することができるようになりますね。
手の形にする理由がますます分からなくなります。
武器に見えないインテリアのように並べて置いたり、工芸品に見せかけるようにしていたりという理由も考えられます。
鉄で出来た人間の拳なんて置いてあったら、インテリアだとか、調度品のパーツのようにしか見えませんからね。
もしかして、堂々と見せる事で「うん、置物かな」と思わせる事を狙った隠し武器だったのかもしれません。
アイアンパンチ!
銅拳と言っておきながら、尖端は金属なので、必ずしも銅ではありません。
しかし、なんでこんなにリアルに人間の拳なんでしょうか?
詳しい方教えて~!!