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第98回 竜鱗の剣 切れぬ物なし(幻想武器)

竜鱗りゅうりんの剣


 ドラゴンというものは、東洋・西洋を問わず伝説であり、神話にも登場してくる偉大な存在です。

 その姿は蛇の様であったり、蜥蜴のようであったり、世界の地域によって様々に描かれます。


 空を駆け、大地を走り、地に潜り、海を泳ぎ、深海に潜み、煮えたぎる溶岩の中や、洞窟の深淵の中まで、人間が容易に辿り着けない秘境に存在していると言い伝えられている存在がドラゴンです。


 今も昔も創作の主題とされるドラゴンには様々な伝説があります。

 ドラゴンの牙を地面に投げると、肉を持たない骨だけの戦士が産み出せれるという話。


 鉄をも一瞬で溶かす、恐ろしい炎を口から吐き出すという話。


 雷鳴を呼び寄せ、豪雨を降らせるような天候を操るという話。


 数え上げれば終わりが無い程にドラゴンにまつわる話は多数あります。


 そんなドラゴンですが、全身に鱗があるという話が定番に近い形で描かれています。

 しかもその鱗はとんでもなく硬くて、丈夫という話があちこちに見られますね。


 盾にすれば、ありとあらゆる攻撃を防ぎ、毒でも、酸でも侵す事ができず、剣やメイスを受け止めてもその姿を変える事もないとされています。

 あまりにも硬すぎるため、加工することができず、ドラゴンから引きはがしたそのまま使うしかないとかなんとか……


 これほど硬い素材をなんとか、かんとかして、剣の形に仕上げた物が『竜鱗の剣』です。


 とんでもなく軽くて、とんでもなく丈夫、その丈夫さは摩耗することもないとされるほどの竜の鱗の性質があってこそです。


 つまり、切ろうが、鍔迫り合いしようが、刃こぼれが無いので切れ味が落ちないというチート性能をもっています。


 今回は現実世界では絶対に手に入らない、竜の鱗を使った、最強の刃を見て行きましょう。





~切れ味~

 世界に誇る日本刀の切れ味を担保しているのは、その刃の薄さにあります。

 刃の先端も先端、切り付けた相手に届く刃の一番尖端の薄い部分は僅か3マイクロメートル、髪の毛の27分の1ほどの薄さです。


 これだけ薄い刃ですから、触れるだけでも骨が見える程に切れてしまうほどの日本刀の切れ味を生み出しています。

 職人が生涯を費やすほどの技術の鍛錬があってこそ辿り着ける境地がそこにありますね、日本の技術ってすごい。


 これほどの薄さですから、切ったはったをやっているうちにどうしても削れて行きます。

 薄い刃が潰れていくにつれて厚みが発生して、金属もつぶれて丸くなる訳ですから切れ味が落ちてしまいます。


 日本刀で1~2人をぶった切ると、人間の血や油が剣にこびりつき、骨を断った事によるダメージが発生して切れ味が落ちてしまうと言われています。


 3人切り捨てれば、刀本来の切れ味は無くなってしまうという話まであったりします。


 ところが折れず、曲がらず、削れないという性質を持っている竜の鱗だと、この切れ味が落ちる心配はありません。

 それどころか、日本刀よりも薄く加工することすらできる可能性が見出せます。


 例えば髪の毛の1000分の1ほどの薄さで、折れず、曲がらず、潰れずという刃を持った剣ができたとします。


 竜の鱗があればできない話ではありません。

 竜の鱗を素材とする竜鱗の剣なら、ここまでの切れ味を生み出す可能性があります。


 実現できたとすれば、触れただけで骨が見えるどころか、触れただけで腕が落ちるような規格外過ぎる切れ味を発揮することでしょう。


 これほどの切れ味があれば、硬い岩も豆腐に包丁を入れるかのようにスッと切り刻む事が出来るでしょう。

 相手が金属鎧でガッチガチに固めていたとしても、熱したナイフでバターをカットするかのように滑らかに両断できることでしょう。


 おそらく鍔迫り合いになることもないでしょう、相手を武器ごとスパッとやってしまいます。


 もし迂闊に落っことしてしまえば、地面を切り裂いて深々と大地に突き刺さり、地面の圧力で抜けなくなってしまう事でしょう。

 地面じゃなくて、岩にでも刺さってくれれば、見た目は勇者にしか抜けない伝説の剣が誕生した瞬間です。


 摩耗しない・すっごい切れる。シンプル過ぎる性能ですが、ずるすぎる高性能です。

 素材が竜ということもあり、伝説となるには十分すぎるほどの剣ですね。





 防具としても、武器の素材としてもトンデモナイ存在がドラゴンだというのは良く分かりました。

 しかも、溶岩の中にいるドラゴンなら炎の力が付加されます。深海に潜むドラゴンなら水の力が付加されます。


 ただでさえ丈夫な竜の鱗に、水だの炎だのといったファンタジー的なパワーの補正がされる訳ですから。その性能は折り紙付きです。


 ドラゴンもこうした最強の鱗に全身を覆われている訳ですから、その防御力は神話級ですね。

 そもそも溶岩に飛び込んで平気という段階で色々おかしいんですけどね。


 最強の武器となる竜鱗の剣ともなれば、ここまでおかしい防御力を持つ、ドラゴンさえも切り捨てられる可能性が見えてきます。


 疑問を上げるとすれば……


 これほど摩耗しない素材であれば、気が付いたら竜の鱗だらけになっている場所があるのではという点。


 腐らないという特典もあれば、竜の鱗は永延に残り続ける、不朽の存在の可能性すら見えてきます。


 手に入れるためには竜を倒して、その鱗をはぎ取るか。竜の住処を訪れて、落ちている鱗を盗んでいくかといったことが考えられます。

 最強の武器であり、最強の防具でもある鱗を全身に纏うドラゴン。


 最大の謎は、こんな固いものに包まれてるドラゴンをどうやって倒したかという所、ここに集約されるような気がします。

我に切れぬ物なし!


 竜の意思が宿って喋ったりする事があるような気すらする。

 おしゃべりするような頭が良い剣はインテリジェンスソードと呼ばれたりします。

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― 新着の感想 ―
[一言] >最大の謎はこれをどうやって倒したか よく分からないけど、「象の墓場」ならぬ「ドラゴンの墓場」があるのかも……。 「象の墓場」は実際には存在しないらしいですが。
[良い点] いいですねー。竜鱗の剣。 硬い物といえば、アダマンタイトかなーって思ったんですけど竜鱗もいいです。ファンタジーっぽい。
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