第93回 ロッド(幻想武器)
ロッド
これをネットで引くとすぐに答えが出てきます。答えは「棒」です。
棒と言っても色んな言い方がありますが、まぁ手に持てるサイズの棒というと妥当だと言えますね。
他にも釣り竿の事だったり、ヤード・ポンド法による長さの単位だったり、ロッドというと色んな意味を持って来ます。
日本のRPGなどでロッドというと、魔法や魔術、不可思議な力を使って戦うキャラクターが手に持っており、そこから炎や氷などを飛ばして攻撃する武器になったりします。
ロッドという言葉には鞭、棍棒といった意味もあったりします。
海外製のゲームが日本に入ってきたときとか、トロール・ロッドみたいな感じで「明らかに棍棒だろ!」ってなったりします。
日本でロッドというと、金属で細工された棒の先端に宝石のような物がはまっていて、魔法の力を持っていたりするイメージが強いですね。
地面に突きながら扱う物をスタッフ、30センチ前後くらいで手にもって使う物をロッドと区別しているようにしている作品も多くありますね。
という事は、映画にもなった魔法使いの物語のシリーズでは「魔法使いの杖」と言っている物が、日本では「魔法使いの棒」と認識されているのかもしれません。
今日はこの魔法使いが使う、ロッドを考えてみました。
あ、そのまま殴ったりすることも出来るようですが、魔法を飛ばして戦うので、幻想武器としています。
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~魔法~
魔法や魔術、妖術、呪術などなど色々ありますが、一応厳密とも言える区別もあるらしいですが、詳細の詳細についてはごちゃごちゃしている部分もあるようです。
宗教的な要素も入ってくるので、なおさら分かりにくいし。魔女狩りをはじめとした、迫害や迷信を信じたばかりの悲惨な事件もゴロゴロしています。
現実にはあり得ないとも言われていますが、アフリカの一部の国では今もシャーマンという呪術を扱う立場の人々がいます。
彼らは自然に存在する物から毒や薬を作り、儀式によって精霊と対話し、悪霊を追い払います。
実際に彼らが作った毒や薬を徹底的に分析すると、確かにその効用があり、中には現在の製薬会社が作っている効果を凌ぐ物すら存在しています。
現実ではありえないと考えられているファンタジー的な要素が、リアルにも流れ込んいる一端を見る事ができますよね。
現実には炎や雷で攻撃するためには、火炎放射器やスタンガンと言った兵器が必要になってきます。
さすがに、現代に存在している魔法には戦いに使うようなこうした技はありません。もしやったとしても手品みたいな扱いになりますし、使い手が少ないのであれば実戦には不向きです。
ファンタジーの世界ではこうした技術が当たり前に存在して、こうしたロッドでその力を強化したりする設定になっていたりします。
何もなければ、マッチくらい。ロッドを使えばモンスターを丸焦げにできるくらい。
インフレがすごいっすね。
もちろん、魔法とは手品のように火を出したりするものではありません。
空を飛んだり、手も触れずにドアを開けたり、姿を視えなくしたり、明かりを灯したり、などなど。
派手でなくとも、不可思議な世界を作るのには欠かせません。
こうした現象を起こすときに必要な物がロッドだったりします。
軽やかに振ったり、効果を与えたい対象に向けたり、コンコンと軽くたたいたりします。
そうすると、あれよあれよと不思議な現象が始まります。
現代での魔法の捉え方は、こうした不思議な現象を引き起こして、科学で説明がつかないもの全般なのかもしれません。
さっきの不思議な世界もやろうと思えば「ワイヤーで空をかける」「自動ドアで手を振れずにドアをあける」「センサーライトで照明の点灯」とすれば、不思議な世界のできあがりです。
科学も十分ファンタジーですね。
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~見せるという効果~
ファンタジー作品では魔法の力を強めるためにロッドが使われているケース、ロッドが無いと魔法が使えないケースなど様々です。
場合によってはロッドその物に魔法の効果が宿っていたりすることもありますね。
ロッドにも武器の効果に漏れず、見せて使う象徴的な意味合いがあります。
例えば、ゴブリンみたいなモンスターに囲まれているシーンをイメージしてみてください。
囲まれているのは、体の線も華奢で筋力もなさそう、その目は窪んでいて健康そうにも見えない、衣服は汚れていてみすぼらしい人物。
この人物が剣を取り出したなら「剣一本で何ができる!」とか言って襲いかかってくるでしょう。
この人物がロッドを取り出したなら「魔法使いか! お前ら気を付けろ!」とか言いながら、やっぱり襲われるでしょう。
襲ってきたモンスターはあっさり全滅となるわけです。
剣士は戦いに使うための剣を隠して持ち運ぶ事が難しいです。隠し持つような剣だと仕込み杖みたいになっちゃいますから、強度的にも不安がありますね。ですが、剣がある事で自分の職業や力をアピールすることができています。
魔法使いは素手だと「お前、なんなの?」となってしまいますから、こうしたロッドを手に持っている事で周囲へのアピールできます。
素手で構えているよりも、ロッドか何かを手に持っているほうが「こいつ、何をしようとしている?」って雰囲気がでますね。
すごいのになると、島を飲み込む程の水流を出したり、地面を割るほどの地震を起こしたり、台風そのものを空に作り出したりといった天変地異も起こしてきます。
こうした効果は何も相手に直撃させなくても、見せるだげで相手に自分の実力を知らしめる事ができます。
魔法と言う効果の都合上、出来る事が凄まじく広いため、具体的に煮詰める事が難しい世界。
何が起こるか分からない、未知と幻想が入り混じる世界。
こうした魔法の存在が、これらに拍車をかけてくれています。
ロッドが当たり前に存在している世界、魔法が実在している世界、まさにファンタジー。
ファイアー!
ファイアって撃てって意味もあるんですけどね。
魔法を放つときの掛け声とかも色々ありますよね。
ロッドその物にあんまり触れていないかもです。