第92回 スティンガー ワンコインで買えます
スティンガー
ドリルスティック
スティンガー・キーチェーン
オモチャや日用品に幅広く使われているプラスチックで出来た「土」の形をしている手のひらサイズの武器です。
ですが、大きさといい、材質といい、100円ショップで売っているオモチャとか、流行らなかったキーチャームに見えるアイテムです。
お値段もとっても手ごろで500円くらいで販売されています。
通信販売にすれば300円を切る所もいくつも見つかります。他の商品と一緒に注文すれば送料割引なのでとってもお得です。
形状の「土」の縦棒はまっすぐで、一番上部の先端部分だけが太くなって先端の先端は球面になっています。
横棒部分は絶妙にカーブして、ギュッと握りやすい形ですね。
もうイメージ出来ているでしょうが、これをギュっと握ると、尖端が人差し指と中指から突き出るようにスティンガーが手におさまります。
格闘技の経験があんまりなかったり、非力で小柄な女性や子供でも、この状態でパンチすればムキムキの男性ですらうずくまる程の必殺パンチを撃てるようになる護身武器です。
重量は僅か30グラム程度、縦幅8センチ、横幅5センチ、紐を通して鞄や鍵とかに付けておけば簡単に持ち運びができます。
プラスチックなので、誰も武器とは思いません。
今日はこのワンコインで必殺パンチを撃てる、スティンガーを見て行きましょう。
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~パンチって難しい~
そんな、簡単だよパンチなんて。
とかなんとか言いながら、パンチの素振りをしているそこの貴方。素振りではなくて、木の板くらい殴ってみましょう。
あ、もちろん安っすいベニヤ板みたいな薄い奴で構いません。最近は木材が高騰しているので、廃材とかの劣化した奴で捨てる前の物にしてくださいね。
多分、バキリと音を立ててベニヤ板は撃ち抜かれるでしょう。
撃ち抜いたあなたの手は、皮膚がヒリヒリして、骨がジンジン痛んでいませんか?
もしかしたら、割れた木片の一部がトゲになって刺さっているのかもしれません。
これが人体だと、骨や爪、歯などの固い部分が沢山あります。こんなところを殴ろうものなら、肌は剥けるし、肉は打ち身になり、骨にヒビが入ります。
あ、殴られた方もですが、殴った人の手も同じ事になります。
こうならないためには、相手の体を壊し切るほどの強力なパンチ力が必要になります。
ベニヤ板を実験台にしたのは、失敗しても痛いだけで済むからです。これが真っ当な木版だったら、割れなかった場合砕けるのは殴った手ですからね。
素手で色んなものを叩き壊すパフォーマンスがあり、細工されているケースもありますが、ガチでやっている人も大勢います。
どれだけ肉と骨を鍛え、力を一点に集中させる技術はすばらいものがあります。
その鍛練たるや、イバラの道を歩き続けるものと言えます。
竹やサンドバック、すごいのになると角材や鉄材に荒縄を巻き付けた物を素手で叩きまくって、皮膚と肉と骨を鍛えに鍛えながら、全身の力を拳に集約させる体術を体に覚え込ませていきます。
足で地面を捉え、膝と腰を回し、上半身に余す事なく回転の力を伝え、肩も回し、腕を伸ばす。
このときに重心がずれると威力が下がりますし、関節が硬かったりすると回転の力が伝わりません。
回転タイミングや腕の向きが少しでもずれると、
威力の減衰に繋がります。
キレイにパンチを撃つという動作だけでもこれだけ注意点があるのに、これが相手に当たらなければ、何の意味もありません。
ね、パンチって難しいでしょ。
大体の人がやっているパンチってのは、大振りして上半身の力を伝えるパンチか、腕の曲げ伸ばしだけで打つ手打ちと言われるパンチです。
プロの格闘家が何気なく小突くように使っているパンチも、一般人なら一発でノックアウトするほどの威力を秘めています。
◇
~スティンガー・パンチ~
こんな高難易度のパンチと同等の威力を簡単に出す事ができるのが、スティンガーです。
パンチの難易度もさることながら、自分の拳を砕く可能性があるので、素人が物を殴るというのは自滅行為です。
これをスティンガーを握る事で、衝撃の最も大きい直接相手にぶつかる場所をスティンガーの先端に限定させます。
指ではなく手のひら全体と腕の骨で衝撃を受け止めることで、自分のダメージを最小にしながらパンチを繰り出す事ができます。
さらに、相手とぶつかる部分をスティンガーの先端のみにすることで、パンチの全威力をピンポイントに集中させています。
素人のヘロヘロパンチでも、その全部の威力が一点に集中することで威力を何倍にも引き上げる事ができます。
しかも、自分の手が痛くなる事を考えなくていいので、思いっきり力を込める事ができるようになります。
ためらわない一撃って恐ろしいんですよ。
これがどれほどの威力かというと、封の開いていない缶ジュースに穴をあける程の威力を生み出します。
石膏ボード程度の強度が低い壁なら、数秒で穴だらけにすることすら余裕です。
そっとポケットに忍ばせておいて、急に抱き着いてくるような暴漢に襲われた時に、握りしめて思いっきり殴りつけてやりましょう。
あまりの痛みに相手はぶっ飛ぶなり、うずくまるなりします。
その隙に全力で逃げましょう、もし相手が追ってきたとしても、一度痛い目を見ているので、真っ向から飛びかかってくる可能性は減ります。
もし、電車の中など身動きがとりにくい場所でも大丈夫。
スティンガーを相手に押し付けるようにして、体重をかければ、それは激痛足つぼマッサージのような痛みをプレゼントできます。
特に、喉笛やあばら骨などに押し付けてやれば、相手は呼吸する事がままならないほどの痛みを発生させることができます。
格闘の初心者でも、プロ技術を借りたように戦えるのが、このスティンガーという武器です。
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護身武器と言いますが、これで何度も殴ろうものなら、暴行罪や過剰防衛が適応されてしまいます。
やりすぎ注意、というか襲われるような所に行かないなどの基本的な防衛を心がけましょう。
日本の警察は優秀ですので、深夜でも、田舎でも、入り組んだ住宅地でも十数分で110番通報で警察が駆けつけてくれます。
そりゃあ、山の中とか、森の中とか、相当な田舎だったり孤島だったら話は別ですよ。
犯人を自分がノックアウトしてやろうとか、とんでもない事を考えずに、安全に逃げ切るための1手として使い、積極的な攻撃に使わないようにしましょう。
だって、ワンコインで骨すら砕く可能性のある武器ですよ。
犯罪を犯す人も危険ですが、それに対処するためにスティンガーを持ち歩く事もまた危険です。
必殺パンチ!
すっごいよく考えられている構造をしていますよね。