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武器マニア! ピーターの武器辞典 ~人類の始まりから幻想まで~  作者: ピーター


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〇 ロマン武器とは! ~辿り着けない境地~

 みんな大好き、ロマン武器!


 習得の難易度が高い物も入れるとさらに広がります。

 個人的に、トンファー、ヌンチャク、三節根の辺りは使うために必要な鍛錬がものすごいので、ロマンを感じます。

 みなさま、こんにちは、ピーターと申します。


 この武器に関するエッセイを楽しんで頂き、大変うれしく思っています。

 ここまで読んで頂ける方であれば「ロマン武器」という用語も感覚だけで、十分に共通の認識が出来ているかと思います。


 ロマンという言葉は「浪漫」と書きます。

 空想・伝奇・冒険・恋愛・武勇を語る「ロマンス」と同じ意味を持つばかりか、感情・理想といった要素を加えて物語を語る。

 壮大な世界の神秘、だれも至った事のない領域、夢や冒険への強い憧れ、これら全てを含んだ言葉がロマンです。


 ロマン武器というのは、こうした人間の憧れがぶっ飛び過ぎて、武器として崩壊する危険があるアイテムの事だとピーターは捉えています。

 こんなぶっ飛んだ武器を使いこなす人物も含めてですけどね。


 現実的な武器は意外と小さい物だったり、手にするとゴツイけど絵にすると地味な物だったりします。

 これを絵とした時に映えるようにしたり、こんな武器があったら強そうだなと描いていくうち「現実にもあるんじゃね?」と考えて行くようになります。

 創作が現実を動かしつつある瞬間ですよね。


 実際には武器として成立していなかったり、滅茶苦茶危なかったり、そもそも持てないくらい重かったり、そういった致命的な欠陥を持っている。

 でも、物語の主人公はこれを見事に使いこなしている!!


 これぞロマン! まさにロマン!

 人間には扱えないはずの武器を美しく使いこなしている姿!

 空想・伝奇・冒険・武勇の要素が入り、それに伴って感情が揺さぶられ、恋愛・尊敬・信頼と心の奥底まで動かされます。

『エモい』

 とかいうのかもしれませんが、ロマンです!


 今回はピーターがロマン武器だと思っている物をいくつか紹介していきたいと思います。

 さぁ! 空想の世界に飛び立ちましょう!!





『ブーメラン』

 ブーメランは対象に当たったらその場に落ちます。

 そもそも戻ってこないブーメランの方が多いです。


 ロマン武器となるのは、対象に当たったにも関わらず手元に返ってくるブーメランがです。

 物理法則を完全に無視しています!


 さらに、全面が刃になっているブーメランも様々な作品に登場しています。

 投げる瞬間に自分の手が切れてしまいます。それが敵を切り刻みながら自分の手元に帰ってくるんですよ。

 なぜ、自分の手が切れないんでしょうか? 敵はスパスパと切り刻まれてしまっているのに、不思議な力は働いているとしか思えません!




『双頭剣』

 柄から刀身が伸びています。柄の反対側は通常は柄頭となっているはずですが、ここからも刀身が伸びています。

 振り回すというよりも、回転させるようにして目にも止まらない連続攻撃を繰り出すという武器です。


 ブオンブオンと光って不思議な力で扱う武器だったり、風の力が宿っていて鬼達を倒す時に使われる武器だったり、柄頭を取り外すと刃伸びて仕込まれていて接近戦で意表が付ける忍び刀だったり。

 色々なタイプが描かれています。


 これが双頭「槍」なら沢山あるんです。穂先が取れても石突部分でも戦えるように作られている物ならありますが、剣だとほぼ成立しません。

 刀身が2本になるということは重さが倍になります。槍なら、穂先の重さが増えるだけですから重量ほぼ変わりません。


 刀身が増えた所で間合いは伸びないばかりか、一方の刀身が自分の腕や足を切るような軌道で動き回るわけですから、自滅率が半端ないですね。

 重さが倍、間合いは変わらず、自滅率アップと欠点ばっかりです。


 だけども、双頭剣を軽やかに振り回して次々と敵を薙ぎ払っていく姿はまさにロマンです!


※「双剣」の項目で少し触れています。




『大鎌』

 死神が持っているイメージがとっても強い、人間の身長程の長さがある柄に大木すらもぶった切れるような巨大な鎌の刃がついています。


 こんな巨大な鎌を投げつけたり、投げつけた後も手元に戻ってきて、接近戦~遠距離まで自由自在に戦うことが出来ています。

 接近戦でも刃が内側についているのに、柄の先端よりも遠い場所をぶった切っていたりと不思議な現象が発生しています。


 すごいのになると、大鎌を4本も同時に扱ったり、双頭剣のように上下に巨大な鎌刃がついていたりするものもあります。


 これだけ巨大な刃ですから、その重量もすごい事になります。

 身長よりも長い程の柄を持っている訳ですから遠心力もすごい事になります。

 刃の位置を固定した状態で構えるというだけでも、凄まじい筋力が求められるようになります。


 さらに悲しい事に形状の都合で大振りにならざるを得ませんし、懐に飛び込まれてたら刃が役立たずになってしまいますね。


 刃が横向きではなく、槍のように取り付けられている「サイズ」と言われるタイプの武器は実在しており、農民が農機具を改造して武器化したものとして実戦で使われた記録も残っています。

 巨大な刃ではなく、通常の鎌の柄を槍のように長くした武器も実在しており、日本では鎌槍と言われたりしています。


 大鎌という大きさまでなってしまうとロマン武器化しますね。




『大剣(超巨大)』

 人が後ろに隠れる事ができる程の巨大な剣。身長ほどもある長さ、幅も50センチメートルに及ぶほどもあります。

 純粋に鉄で作っていたとしたら100キログラムを余裕で超えます。


 これだけ大きいと振った時の空気抵抗もすごいものです。降り終わった後に引き戻すにしろ、返す刀で二の太刀を見舞うにしろ、自分で剣をコントロールしなければいけませんが、体ごと持っていかれてしまうので、体が泳いでしまいます。


 自分が身長が10メートルはあろうかという巨人であればナイフのように使う事ができるかもしれません。




方天画戟ほうてんがげき

 三国志で呂布が使っていたとされる武器、槍の穂先の左右に月牙が取り付けられており、石突部分も尖らせて丈夫な金属で作られています。

 通常の槍よりも、穂先・月牙とも大きな物が使われており、その重量は12キログラムを超えていました。


 方天戟ほうてんげきと呼ばれていた武器を改造したものが方天画戟です。方天戟は月牙が1つで、方天画戟よりも少し小さめに描かれる事が多いですね。


 方天画戟は検索すれば画像も出ますし、展示されている所もあります。有名な武器ですから、誰でも1度は見た事があると思います。


 ん? なんで、呂布が使っていたのにロマン武器扱いかって?


 呂布が存命していた時代に、この武器は発明されていないという説が有力です。




『ツインブレード』

 1つの柄から2本の刀身が伸びる、1度の斬撃で2つの傷をつける事ができる剣。


 少し前に「刻み海苔用ハサミ」というのが流行ったような気がしますが、5本のハサミを1つの持ちてで操作できるようにして、1度チョッキンとすれば普通のハサミで5回切ったのと同じ数の刻み海苔が作れる優れものです。

 見た目はこれを連想させてくれました。


 狭い範囲に似たような切り傷があると、縫合が上手くできません。傷の範囲も広いと保護もやりにくいため、結果感染症を引き起こすなど治療に時間がかかるとされています。

 衛生環境が最悪とも言える戦場で、こうした傷を負わされると、後々が面倒になりそうですが……


 別に普通の剣でざっくり切られていれば同じことです。

 わざわざ重さを2倍にする上に、作る手間がかかります。扱いにくさもありますが、最大の欠点は持ち運びにくさです。




『トランプ・ナイフ』

 トランプを金属で作って、その周りを全て刃に加工してあります。

 パフォーマンスでトランプを投げて野菜を切ったりするものがありますが、このトランプ・ナイフなら野菜どころか人間すらも切り刻む事ができます。


 ちなみにこれは販売もされています。5枚一組でロイヤルストレートフラッシュの組み合わせになっています。

 刃ではなく刃がついているように見せる加工がされているタイプであれば、銃刀法にもひっかかりませんね。


 パフォーマンスで使うならともかく、普通に武器として使うとなると、滅茶苦茶使いにくいですし、抜く時に手を切る可能性がとても高いですね。

 シャッフルでもしようものなら……





 え~っと、なんか、否定的に書いておりますが……


 刃のブーメランをいくつも同時に投げつける!

 大鎌で2刀流! 鎌を投げつけながら、魔法も詠唱してぶっ放す!

 重力という概念を吹き飛ばすほどの巨大な武器を軽々と振り回す!

 2本の剣を取り出して、時に双頭剣に、時にツインブレードに、時に2刀流に持ち替える!


 全部! 大好物でございます!

 だって、かっこいいじゃないですか、さすがは物語の登場人物達。私たち一般人には扱えない武器をこれほどまでに扱い方を身に覚え込ませているなんて、素晴らしいことです。


 現実世界で、これらの武器が扱えたとしたら、もっと物騒な世の中になってしまってますので、物語の中で大暴れしてもらいましょう。


 ただ、世の中は広い物です。

『鞭のように扱う事ができる剣』だとか『金属探知機を潜り抜ける武器』だとか実在しています。


 方天画戟は槍の穂先と月牙2つで作られていますが、大型の穂先に月牙4つ、さらに月牙にはそれぞれ鉄球付きの鎖を取り付けた、混天截こんてんせつという方天画戟よりも巨大な武器も実在しています。


 今回、紹介したものは人の想いが先行して出来上がったロマン武器でした。

 ですが、人の創造は素晴らしくも恐ろしい物です。

 現実にはこうしたロマン武器以上に、ロマンを感じる武器がまだまだ沢山あります。


 歴史のお勉強に使う分にはいいですが、人に向けてはいけませんよ。

 使ってみたいという気分になった方、その気持ちはとても分かりますが、武器とは危険な物ということを思い直してから手に取ってみてください。

これぞロマン!


 双頭剣はめっちゃ好き。

 鉄板のような巨大な剣も構えてみたいですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 実際に試すと、いろいろ残念なことになりそうなのに、連綿と生き延びる「伝説の」武器の数々。 もう、名前だけでも、イメージ絵だけでも生き延びているだけで、浪漫だよ。
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