星花女子プロジェクト うちの娘紹介〜西園寺莉凜&白雪咲桜〜
<キャラ紹介>
うちの娘。お相手はぴっぴろさんの羽衣石なずなちゃん。
名前:西園寺 莉凜
読み:さいおんじ りり
身長:156センチ
体重:46キロ
スリーサイズ:それなりに
髪型:ショート(肩くらいまでのストレート)
髪色:明るい茶髪
一人称:私
性格:クールで明るい、クラスの中心的存在
誕生日:3月12日
血液型:O型
所属クラス:高等部1-2
部活動:生徒会副会長、華道部(ほぼ幽霊部員)
通学手段:桜花寮
好きな食べ物:甘いもの
嫌いな食べ物:苦いもの
好きな飲み物:紅茶ミルクティー
趣味・特技:お喋りすること
苦手なもの:怖いもの
お気に入りのシャンプー:WEN
備考:清歌の1つ下。華道部で仲が良く、誘われたので(無理矢理)生徒会に入れさせられた。清歌は会長。
桜花寮では咲桜と同じ部屋。
普段は格好よくてクール。時々見せる笑顔とのギャップに惹かれる娘が多い。親しみやすい。負けず嫌い。
旧華族の家のお嬢様。姫奏、莉那とも面識あり。
家族は東京在住。実家が近くにあったためほ星花に進学を決めた。4つ上の姉がいる。(星花は中→高)
親元を離れて寮で暮らしてきたせいか、色々な感覚は庶民。金銭面も同様だが、使うべき場面では惜しげなく使う。
成績は良い方。
華道部は気が向いた時だけ顔を出す。
嫁がせる娘。お相手は登美司つかささんの佐伯雪絵ちゃん。
名前:白雪 咲桜
読み:しらゆき さくら
身長:149センチ
体重:42キロ
スリーサイズ:それなりに
髪型:腰くらいまでのロングストレート
髪色:黒髪
一人称:わたし
性格:物静かでおとなしい、自己主張をあまりしない。
誕生日:9月19日
血液型:B型
所属クラス:高等部1-2
部活動:美術部
通学手段:桜花寮
好きな食べ物:バニラアイス、桜餅
嫌いな食べ物:辛いもの
好きな飲み物:牛乳、いちご牛乳
趣味・特技:ウィンタースポーツ。お絵描き。
苦手なもの:暑さ、怖いもの全般
お気に入りのシャンプー:LUX
備考:桜花寮では莉凜と同じ部屋。
普段は物静かで聞き役に徹するが、絵を描いている間だけテンションめちゃくちゃ上がる。
絵に関してはかなりの実力者で、賞も何度か取っている(が、本人が誇らない性格なので周りは知らない)。
おとなしいが、話すことが苦手な訳ではない。落ち着いているだけ。
クラスに敵を作らない中立ポジション。誰とでも話せる。
ただ、自分を突き通す精神力の強さがある。
白雪という苗字が関係あるのか、北国の出身だからなのか白いもの好き。
好きな季節は冬〜春。
成績は絵に集中しすぎて低い方。
台詞例:<相槌>「そうだね」「そうかな?」「うんうん」「なるほど」
<日常>「おはよう」「おはようございます、○○先輩」「ばいばい」「ありがとう」「え、ほんと!?」「しらなかったぁ〜」「今度一緒に行こう?」「また明日ね」
<お絵描き>「ふんふふんふふ〜ん♪」「よし、よし!」「すごいぞ、わたし!」「そうですよね! そうですよね!!」「よくわかりましたね! そうなんですよ!!」「みてみてこれ!」
「ただいま」
鍵を開け、凜莉が部屋のドアを開けると咲桜は絵を描いている途中だった。
「ふんふふんふ〜ん♪ んーふふふーん、Foooo!!」
四ヶ月の間ほぼ毎日のように続いている光景に慣れている莉凜は、大きな声が外に漏れないようにササッと入って鍵をしめる。
そして二段ベッドのお陰で比較的広く感じるはずの部屋に画材を沢山持ち込んで、床には薄いベニヤ板とブルーシートを、壁には防音シートを貼ってそこに無骨さを誤魔化すように飾られている咲桜の絵の前で大きなカンバスに向かっている咲桜。
彼女は小さな頃から海外の展覧会で何度も賞を取り、小さいながらも個展を開催するほどの実力を持っている見た目からは全く想像できない正真正銘のプロの画家である。
普段は落ち着いているのに、絵を描く時だけはテンションが全く別人のようになるので、壁には騒いでも分からないように防音シートを貼っているのだ。
角部屋であったことが幸いし、今までに苦情が来たことは今のところは一度も無い。
邪魔をしてはいけないと思った莉凜はそっと後ろを通って勉強机に座った。莉凜は自身があまり積極的に参加しているわけではない華道部の先輩である御津清歌に頼まれて、しぶしぶ生徒会の副会長に就いている。
「明日の会議の資料をまとめて、ご飯かな……」
時刻はもうすぐ十九時。あらかじめ自分の分と咲桜の分のお弁当を買ってきていた。
「リリー、おかえり」
「あ、咲桜。終わったの?」
「うん。完璧」
資料が完成し、ん〜! と伸びをしていたところへ後ろから声をかけられた莉凜。
不思議なことに咲桜は絵を描いている時と普段とでは、違う人格なのではないかと思わせるくらいキャラが違う。まあ人間、楽しいことには全力になれるし、そういうものなのだろう。プロってよくわからないな……なんて考えつつ、椅子から立ち上がって咲桜の片付けの手伝いをして、部屋の中央へ小さな机を出してその前に二人で向かい合わせで座る。
「いつもごめんね」
「ううん、いいんだよ。いつも私は遊んだり生徒会とかで遅くなるから。一人の方が気楽でしょ?」
「まあ……そうかもね」
ご飯を食べながら何気ない会話が続き、何気なく莉凜はずっと気になっていた事を口にした。
「美術部ってさ、咲桜から見てどうなの? 咲桜がプロでやっていること、私しか知らないんでしょ?」
「リリーは信頼してるから。……ただ部活はわたしに合わないだけ」
「合わない? それって、レベルとかやってる内容とかのことかな。私絵の事は良くわからないんだけど、美術部って文化祭に向けて作品作ったりするんでしょう……どうするの?」
「レベルはまあ、それなりね。別にプロを目指しているんじゃないんだからいいと思うよ。味があって」
目を逸らして言う咲桜を莉凜は見逃さない。
「……本心は?」
「幼稚園児のお絵描きね」
「辛辣だな〜」
「本心を聞いたのはリリーでしょ?」
責めるように咲桜が言う。ある程度予想していた答えだけれども、実力を隠しているサボりがちな部員に影で低い評価をされていたら悲しいな……なんて他の美術部員の心象を想像して罪悪感が生まれる。
「ごめんって。それで、そのせいで最近行かなくなったの?」
「それはほんの僅かの理由ね。私は別に上手い下手で作品は見ないから。大切なのは、作品に篭った心」
「心?」
「そう。自分の作品が本心から好きならば、上手い下手ではなくて、本当に素晴らしい作品が描けるとわたしは思うんだ」
「だからいつもあんなに楽しそうなんだ」
恥ずかしそうに頬を染める咲桜と、高いテンションに対する謎が解けてスッキリとする莉凜。
「あんな姿、部室で晒したくないから、前は仏頂面で適当なスケッチを次の作品展の構想を考えながら描いてたんだけど、わいわい楽しそうな空気があまり得意じゃなくて」
「それで部屋で描いてるんだ」
「知られたくないのが一番だけどね。昔からそうで、作品が日本で知られて、何かの拍子でわたしが描いてるとバレないようにわざと海外にだけ送ってるもの」
「私は良かったの?」
「リリーはリリーだからね」
ごちそうさまでした、と咲桜が立ち上がり食べたものを片付ける。咲桜はまた別の作品を描くために、新しいカンバスを立て椅子に座った。
「美術部にさ、この人なら教えてもいいかな、っていう人はいないの?」
ふと莉凜が思いついたように聞く。
咲桜は下書きのために手にしていた鉛筆の動きを止め、少し迷う素振りを見せる。
「……部長かな」
「部長、って雪絵先輩か」
「さすが人たらしリリー。女の子の情報はバッチリ把握してるのね」
「その言い方は色々と誤解を生むから外では止めろよ!? 雪絵先輩は部長だから、生徒会の用事で会ったりするんだ。そこでね」
「ナンパしたりするんだ?」
ニヤニヤしながら莉凜の方を振り返る咲桜。
思わず軽くチョップを繰り出し、咲桜の頭を拳でぐりぐりと攻撃する。
「いだだだだ……! 冗談、冗談だから!!」
「真面目に答えてよ〜」
「うーん、部長はほら、なんか……こう、こーんなかんじ」
「ジェスチャーと擬音語だとわからないから凡人にも分かるように言ってよ」
「人たらしは普通じゃないあいたぁっ! ……もうっ。なんか他の人と雰囲気が違うんだよね。なんだか迷っているというか、悩んでいるというか。一度入学する前に部長の昔の作品を見たんだけどさ、本当に凄かったの。この人がいる学校なら入ってみてもいいかなって思えるくらいのね」
「へぇ……咲桜がそう思うくらいのねぇ……でも自分の方が上だと思ってるでしょ?」
「大切なのは心ってさっきから言ってるでしょ? ……まあ、リリーにしか言わないけど肯定も否定もしないわ」
心、心かぁ……。と莉凜は考え込む。プロの考えはやっぱり難しい。
「ともかく部長の絵は本心から楽しんで描いているのが伝わってきて、すっごくその絵はキラキラしていた」
「いた?」
「そう。その後の一年で何があったのかは分からないけど、その輝きが今は無い。同じ絵描きとして興味を持ってきて入学しただけに、ちょっと残念ね」
「……気にならないの?」
「気にはなるけど、個人の問題だし。何より干渉しないほうがいい事もあるのよ」
ぶっきらぼうに答える咲桜だったが、どこか本心は違うところにあるのを直感で莉凜は悟っていた。そこでおせっかいながらちょっとからかいがてらアドバイスをする。
「そこまで好きならば聞いてみればいいじゃん」
「わたしは人を好きになったことはないからなぁ……部長が気になるっていっても、絵のことだし」
想像していた反応とは違った回答を貰った莉凜は、つまんないなぁと思いながらもきちんと真面目に答えてあげることにした。
「絵ってことは、その人の本心、その人自身を好きになるって事なんでしょ? 少し関わりを深めてみれば? もしかしたらまたいい絵が見れるかもね」
その言葉に迷いを見せる咲桜だったが、結局答えることなく下書きに戻ったのであった。
莉凜も引き際はきちんと弁えているのであまり深入りせず、自身のすることを再開するのであった。
翌日、咲桜は莉凜に言われたことを思い返しながら、スケッチブックと鉛筆を片手に久々に美術室へと入っていくのであった。
佐伯雪絵×白雪咲桜は登美司つかささんによる連載が、アルファポリスにて行われていますので是非。
雪と桜のその間
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161310123/220205743