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プロローグ 思い出す過去-1 地獄の開幕

 やったーー評価キターー

 でも今その評価みたーー


 でも今回の話を書く前に全く評価が来ていなくてほんと面白くないと思われていると思ってしまいました。そのため話は思いっきり変わってプロローグのような話をしばらくやっていきます。

 下関 火の山公園 2031年 7月24日

 1年で唯一下関への民間人の立ち入りが認められる日である。この日には総理大臣等の政治家たちのほとんどと応募者から機密保持資格の吟味の上、抽選で選ばれた民間人が入ってくることが許される。しかし、選ばれなかった者も国内外に散らばるすべての国民、日本人の血を引く人間がこの日のある時はテレビにくぎ付けになる。

慰霊祭といわれているその時は慰霊と決意の再確認を行う式典である。

「地獄だった…。」

 式典を前に仮眠をとっていた入植担当大臣 平沢 英作 は悪夢にたたき起こされ、頭を抱えながらつぶやく。

「…血の匂いがする…。いいや俺の手か…。」

 そうつぶやくと再び思いにふける


 あああの時だ…最も熱気を帯びて人々が明るい希望を享受できたはずだった…時だった


 2020年 7月24日 首相官邸

「ここは頼む。私は開会式を行わねばならん。」

 総理はそう言い残し官邸を後にする。しばらくして開会式が始まると残った閣僚たちはそれを注視する。

「問題は起きてほしくはねぇな。」

 その場の最大権力者の財務大臣兼副総理の麻田太郎はつぶやく。

 しばらくして副総理と防衛大臣の平沢英一郎以外その場にいなくなる。

「防衛大臣になってみてどうでぇ ?平沢。」

 平沢 英一郎は元自衛官(空自の戦闘機パイロット) 出身の政治家で前線パイロット引退(戦闘機パイロットの寿命は体力の関係上40代) 後、退役。政界入りした。日本のホットモイア(とある映画に登場する大統領。戦闘機パイロット出身) という異名を持つ。

「思ったよりも反対者が多いですね。国防の前線を担っていた人間として怒りを覚えます。」

 政治のことを語る。

「まじめだねぇ~~」

 副総理は言う。どうやら副総理はただの世間話のつもりのようだ。

「その綱引きのために呼ばれたようなものですから。」

 と平沢は真面目に答える。

「で、秘書の息子はどうねぇ?」

 と聞く。実は平沢英一郎の息子平沢英作は政治家の秘書をしており、政治の世界だけ見たら英一郎よりも長い。学生時代の政治運動から政治家の秘書に転じ、政治家の秘書になった人物である。

「経験が長いだけあって私よりこの手の世界はうまいですね。私も助けられています。軍事的な内容は私、政治は彼といったところでしょうね。」

「そうか。政治家としての器はどうでぇ?」

「…それはまだですね。私自身それを見る目があるのかわかりませんから。自衛隊出身者目線で見れば根性はないですね。それに性格が難ありです。」

「性格に難あり?」

「上下関係を気にしないという点ですね。まあ使い分けているので問題ないと思いますが。」

「役者だねぇ~~」

「ですが、気にする相手だと能力を出すことをしません。ふつうの政治家の方々にとって扱いにくい人材でしょうな。能力自体あるのにもったいないことです。」

 世間話に花を咲かせる彼ら。そんな中警報音がその空気をぶち壊す。

「緊急地震速報!?」

 その音声を聞き、叫び声をあげる平沢。

「先生!!親父さん地震です!!すぐに机の下へ!!」

 飛び込んできたのは平沢の秘書の一人辻十三だった。彼も若手秘書の一人である。すぐにモニターの電源をつけ自分も机の下に飛び込む。

“震源 潮岬沖、推定マグニチュード8から上昇中。予想深度5強”

 モニターには地震波のS波とP波が映し出されると同時にコンピューターで推定された震源域が更新されてゆく。

“震源 潮岬沖、推定マグニチュード8.9から上昇中。予想深度6弱”

「な、南海トラフ巨大地震発生です!!」

“震源 潮岬沖、推定マグニチュード9.3から上昇中。予想深度6強”

「だけじゃない。」

“前震到達10秒前。推定マグニチュード9.8。予想深度7”

「前震きます!!」

 とたんに来た大きな揺れ。

「こ、これが前震だと!!」

「前震の大きさじゃない、本震はどんな大きさなんだ!!」

 その場にいた人間は恐怖に打ちひしがれた。揺れが来る前から分かっている。日頃地震を経験している日本人だからこその恐怖。それがそこにはあった。

 しばらくして猛烈な激震に見舞われた。


 時に2020年7月24日 開会式中のことであった


 五輪開会式会場

 オリンピックの会場も激震に見舞われる。

 五輪会場に急にサイレンが鳴り響く。地震速報だった。

護衛対象(マルタイ)の安全を確保しろ!!」

 速報と同時に開会式のすべてが中断した。そして護衛のSPが各国の要人にとびかかる。

動く盾と評される彼らはその身を盾にする。本震と同時に競技場のあらゆるものが崩れ去る。悲鳴と怒号が鳴り響きそれががれきの崩れる音にかき消され、その場は轟音と共に姿を変える。

「国賓たちの安否を確認!!至急行動を開始!!首相官邸につないでくれ」

 揺れが収まり始めるとSPの指揮官はそう叫んだ。


 首相官邸

「生きているか!!みんな」

「親父さん僕は生きています。」

 ぐちゃぐちゃになった部屋、その中で生きている人間が呼び合う。

「副首相負傷!!大丈夫ですか!!」

「担架を早く!!」

 駆け込んできたSPが叫ぶ。副首相は上から落ちてきた陶器製のツボに頭をやられていた。

「すぐに医務室に!!さらにヘリの手配を救急搬送してくれ。」

「ならねぇ…。ここを俺が守らねぇでどうする」

 副首相はそう言いつつ意識を立て直す。

「そうです。副首相」

 平沢英作がそう言いながら出てくる。頭からは血を流し、足元はふらついている。

「政治経験の浅いおっさんと大臣職のやってない小僧たちではここの指揮は無理です。参謀をやるのがせい一杯です。ここに必要です。」

「おっさんってなんだ!!英作ケガは!!」

 平沢英一郎は文句を言いながらもけがの心配をする。しかし、彼の意見に口をはさむ余地はない。正論だからだ。

「ただの軽い脳震盪です。」

 鼻の中が切れたのか鼻血を出しながら言う。

「今、最も重要なのは情報収集。壊れた電子機器から地震の情報を回収する。我々も念のために最上階に待避すべきです。」

 辻十三が言う。

「副総理の秘書陣3名中1名死亡を確認、1名は重傷。政務復帰困難、防衛大臣閣下の秘書1名が負傷!!」

 SPが飛び込んできて状況を報告する。

「そんなにやられたのか…」

「ほかの閣僚、党幹部たちとの連絡はどうだ!!」

「不通!!五輪会場ともです。」

「念のため要人全員分のヘリと医療班を手配。ここと皇居、五輪会場に回せ。」

 平沢英一郎が叫ぶ

「被害想定を出せますか!?地震の規模がわかればおよその安全地帯がわかるはずです。」

 平沢英作が言う。正論だが

「電子機器復旧まで5分ください!!誰か発電機を!!」

「私の記憶によると震源は潮岬沖、マグニチュード9.8以上、震度7いいや震度7がかわいく見えるほどの激震です。少なくとも南海トラフ巨大地震は発生していると思われます。被害は西日本全域に及んでいると思われます。」

 辻十三が今、唯一わかっているに等しい情報を言う。

「そうなれば東北。北海道の被害は薄い。東北地方の基地は生きている。三沢基地司令の風見さんは動いてくれる人だ。ありったけの自衛隊機を投入してくれるだろう。早急な通信網回復を!!」

「了解」


 五輪会場

「各国首脳に死者はいません。しかし、負傷者は全体の3割に達しています。うち3名が早急な外科的治療を必要とします。SPの損害4割が死亡、3割が負傷。生き残り4割もその多くが軽傷」

 SPが総理に報告する。

「各所との通信はどうだ。行けるか。」

「現在復旧中。」

「急いでくれ。ここで国賓を死なせたら我々の恥だ!!医療班もだ!!」


 三沢基地

 平沢英一郎が言ったように三沢基地司令官の風見雷電は動き始めている。

「滑走路の安全が確認でき次第全機発進。各地の状況を確認させろ。」

「人工衛星との通信回復。基地の通信機能は生きています。生きている基地と部隊をインプットしてゆきます。」

 副官が地図にマークとコマをおいてゆく

「百里、千歳、那覇、小松、松島通信は生きています。しかし那覇と小松は滑走路をやられています。」

「衛星電話で呼びかけろ。ほかの基地も通信を回復しろ。生きている滑走路を使用して残存機を離陸させるように!!空中給油機の手配を急げ!!」

 そこには修羅場がある。

「那覇と千歳に受け持ち空域の死守を要請。俺らは被災者の救護、情報収集これに死力を尽くす。」

 雷電はそう宣言する。

(平沢…。お前に頼まれたように守って見せる。)

「那覇基地から通信。エマージェンシーコールです!!」

「出せ!!」

“た、高いところに退避!!走れ~~~”

 通信は指令室に響き渡る。轟音と共に無線が切れる。

「な、何があったんだ!!応答しろ!!那覇基地。応答しろ!!那覇基地」


 首相官邸 最上階

「市街地の被害は壊滅的。沿岸部火災発生。被害想定は不明。もうすぐ三沢基地からの戦闘機が到着。航空写真が送られてくるはずです。それを見れば多少の状況はわかることでしょう。」

「電子機器が破壊されるまでのデーターの回収成功。送られてきた情報は首都直下、および琉球海溝のほぼ同時の連動を示唆するものです。このままでは太平洋沿岸諸国にスマトラ並みの巨大津波が襲うことになります。」

「緊急連絡です!!那覇基地をはじめとする西南諸島の基地が通信途絶したとの三沢基地からの連絡です。おそらく津波にやられたと」

「国立競技場通信回復。首脳陣に三沢経由での帰国を要請。受理されました。首相一行は半数がこちらに半数が三沢に向かうとのこと皇族一家は。一時皇居に帰還するとのことです。」

 次々と入る報告。ようやく情報が集まりだす。

「誰が逃げたんでぇ」

 麻田太郎がよろけながら聞く。

「それは言い過ぎでしょう。副首相」

 報告に来たSPが言い返すが副首相の真剣な目線

「河部…首相をはじめとし、外務大臣の遠野さん、官房長官、環境大臣、文部科学大臣等です。」

 そう言うしかない。

「河部…首相」

「これが…これが首相のやることか!!」

「あっちゃならでぇ首相。」

「遠野爺(外相のこと)は各国首脳陣との話し合いのために必要だろう。だが河部さんも官房長官も増しては環境大臣や厚生労働大臣はなぜ逃げる。」

「総理として不適です。降ろさないと。」

 いきり立つ面々。だが一人いきり立ちながらも冷静なものがいる。

「それはならねぇ。あの野郎を首にすることはできねぇ。制度上な。それに、今の状況じゃそれもできねぇ。」

 それを瞬時に理解した面々はそれを理解する。

「副首相。私はとりあえず皇居へまいります。」

 辻十三はそう願い出る。麻田副首相はそれを了承。辻は走り出す。

「偵察情報到着早急に被害地図をまとめます。」


 極東 独裁国 某所

「同志。日本国の情報を傍受」

 暗闇に浮かぶ太った影。それに声をかける影。

「…まさか同志の言う通り日本で災害になるとはな。物資の事前集積は終わっているか!?」

「はっ。同志。同胞の支援の下準備は完了しております。」

「よし。最終準備だ。時を見て狼煙を上げるぞ。」


 首相官邸

「被害の様子が見えてくるな。これは」

 平沢英一郎はそうつぶやいた。そこにある地図にはドッペり東京都心を巻くように赤い印がある。

「沿岸部は地震の揺れに伴い石油コンビナート等が倒壊。海洋火災が発生。その火災が津波によって拡大。東京東部の海抜ゼロメートル地帯を侵食。東部への逃げ道を断ちつつあり。」

「南は人口密集地。西から北にかけては低層住宅地の火災。このままの勢いで拡大すればこちらも退路がなくなる。幹線道路では自動車の出火が多発。幹線道路が炎のベルトコンベアーとなりつつある。」

 報告は壊滅的なものを示していた。

「首都の機能は完全に喪失。都庁は完全に崩壊した模様。」

「都庁が…崩壊!?そんな馬鹿な」

 平沢英一郎が唖然とする。

 都庁は特殊な構造をしており、普通の建造物よりもはるかに頑丈にできている。それが倒壊した。

「首相官邸も危ないということか。」

「はい。崩れていてもおかしくないとのことです。実際にいくつかの商業高層ビルでは倒壊が発生。この世の地獄が広がっています。」

「官邸は放棄するしかない。ある意味首相の判断は正しかったということなのか。」

「だがここで逃げれば国民を見捨てることにならねぇか。それは許されねぇ。都内の安全なところで指揮をとるしかねぇ。少なくとも基本方針を考えねぇか。」

「まず基本方針として決めるのは首都を放棄するか否かということです。住民をこれ以上首都にとどめておくことは被害を増大させるだけです。」

「しゅ、首都を捨てるだと!!何を考えている英作」

「ここにいれば余震で犠牲者が増えるだけです。さらに富士に噴火されればこの被害との相乗効果で首都から住民は逃げるしかない。その時が来る前に避難命令を出したほうがいい。」

「だろーけど責任問題になるでぇそりゃ」

「それに総理の行動を肯定することになってしまう。英作。それは避けなければ奴の政治基盤を残すことになるぞ!!」

「無論、政治基盤を残すことは致しません。あの三流政治家これを期にぶっ潰してやりましょう。世界への報道を…情報操作を行いましょう。」


 韓国 国防部 

「今がチャンスです。対馬を取りましょう。」

 韓国軍を統括する国防部では地震が発生した直後の会議では早速火事場泥棒的な発言が見られた。韓国は竹島だけでなく対馬をも領有主張しており、それを実現しようとしてきた。

「釜山、済州、鎮海の各基地から艦艇を南下させ、同時に揚陸戦隊を上陸させましょう。そうすれば対馬は我々のものです。」

 若手の将校は血気盛んにそう叫んだ。

「北朝鮮の戦力を考慮に入れずに動くのはやめたほうがいい。下手に動けば北朝鮮に隙を作るだけ。国際世論を敵に回して我が国はどうなろうか。考えてみたらどうかな?」

 学生のような容姿をした若い将校が言う。

「臆したか梁。」

「馬鹿者!!意見を封殺するでない。ヤン話してくれ。」

 老いた将軍が若手の動きを止めさせる。そして発言を促す。

「我が国は食料や資源を輸入する自給率の低い国です。各国に嫌われたならにもできません。大義名分がなければなりません。」

「梁泰利君のことだ。策はあるのだろう。」

「…短期的には災害支援名目の出兵を具申します。」

「なるほどそれなら出兵までは問題ないだろう。だが長期はどうするのだ?長期占領の大義名分にはならないと思うが。」

「長期的にはこれまで打ち立てたプロパガンダを使います。対馬の制圧が正当であることを示せば私が指摘した半分の対処はできます。」

 梁といわれた若手将校はそう言う。

「もう半分はどうなのだ。」

「北朝鮮の脅威です。いくらプロパガンダや短期出兵の名目があったとしてもそれが侵略であることに各国は気が付く。特に米国は日本を韓国よりも重要視しております。日本を侵略すればアメリカの支援はありません。」

「アメリカの支援がないということは在韓米軍も撤退するということか!!」

「少なくとも陸軍は。空軍と海軍は日本にある施設が使えなくなることから一時的な増備はあるでしょうが長期的には撤退します。おそらく在韓米国人の非常時の待避支援を行ったのちは完全撤退すると思われます。」

 梁が言う。

「米軍の支援がない!?」

「そんな」

「米軍は我々の味方なのではないのか」

 場が動揺に包まれる。

「そんな中では北朝鮮軍の攻勢を受け止められるわけがない。日本に戦力を傾ければなおさらです。」

 梁は叫ぶ。

「どう対抗しますか?緊急徴兵でもして兵力を補いますか?」

 嫌味っぽく続ける。

 しばらく、静粛がその場を占める。

「アメリカはダメか。」

 ある将校のつぶやきがとある将校にひらめきを与える。

「中国の支援を受ければいいのではないでしょうか。国力の衰え始めているアメリカとの縁を切る好機でもあります。」

 その将校は安大龍といった。中国派の軍人として知られている彼はアメリカ派との対立も多い。しかしこの時点では彼の論理が優勢である。

「しかし、これまで我々はアメリカに世話になってきた。それを裏切るのはどうかと思う。」

 置いた将校がそう答える。朝鮮戦争では4万人ものアメリカ兵が韓国のために死んでいるのだ。

「大切なのは祖国の存亡です。長期的に見てアメリカは落ち目。アメリカに頼るのは得策ではない。遠いアメリカよりも隣人を大切にしたいのです。」

 ……日本も隣人だろうが (作者の怒り)

「朝鮮有事の際は挟撃すらできるということか。」

「それならロシアでもいいじゃないか!!中国よりもロシア製兵器の性能がいい。長期的にはそれのほうが圧倒的にいい。日本のF35に対抗するにはSu57の導入のほうがいいはずだ!!」

「極東艦隊に整備拠点を与えるという意味でもロシアとの同盟はいい条件を引き出すことが可能になるはずだ。」

 ロシア派軍人も声を荒げる。

「無理です。それは長期。短期的にはそれはきつい。今は眼前の敵に対処するために中国と組むべきだ!!長期的にも中国は強国になるので中国との同盟を優先すべきです。」

 安は続ける。

「…日本への侵攻をしなければいいだけの話だろうに…」

 梁太利の小さなつぶやきは騒がしい会議室の中で他に通じすことはなかった。


 日本 皇居 記者会見

「日本国政府はただいまをもって東京から首都機能を移転させます。総理はこの判断に関係せず東京を離れ、北上中です。我々としては臨時首都を暫定的に仙台に置くことを総理に提案する予定です。」

 頭に包帯を巻いた副首相がそう宣言する。しかし、その発言は内容に大きな問題がある。

「東京都民の皆様。現状の火災状況を鑑みて政府は首都圏からの退去命令を発令いたします。警察の指示に従い、首都圏から避難してください。」

 国土交通副大臣の富田優(国土交通大臣は負傷のため職務から離脱している)

「自衛隊、消防の総力を結集して消火作業を進めておりますが、火事は収まり気配がありません。さらに富士山の噴火の可能性もあります。首都圏にいては危険です。避難してください。」

 防衛大臣が現状を簡潔にまとめて言う。

「この非常事態に際し、東京の皇居に残留し、避難誘導等に全力を尽くすのは厚生労働大臣 加藤信勝 国土交通副大臣 富田優 総務副大臣兼内閣府副大臣の坂田学一、赤井次郎 防衛大臣平沢英一郎の秘書 平沢英作、辻十三の6名を東京に残留させます。」

 残る面々が進み出る。平沢英作は実の父親と握手を交わす。

「皇室のほうは今生天皇陛下が残留を希望されました。しかし、側近、閣僚、今生上皇陛下等周りが総じて反対いたしました。その結果、代わりに今生上皇陛下が残留されることになりました。その際、今生天皇陛下は退位され、位を上皇陛下にお譲りすることになりました。よってただいまを持ちまして第127代天皇陛下の即位を宣言いたします。元号は来安です。」

「政府はできるだけ多くの国民の命を守るために全力を尽くすことをお約束いたします。」


 少し時間をさかのぼって 皇居

 皇居のヘリポートに1機のヘリが着陸してくる。

「おかえりなさい。大丈夫ですか陛下!!」

 着陸した直後一人の若者がヘリに駆け寄る。

「君は?」

「防衛大臣秘書の辻です。今、官邸には麻田副大臣と平沢防衛大臣しかおりませんので私が来ました。お怪我はありませんでしょうか。」

「我々にけがはない。我々のためにSP 2名亡くなったが。」

 その顔は悲しみに暮れている。

「そうですか…。」

 辻村はそうつぶやき、集団を先導する。

「ところで首相の逃亡についてお聞きになりましたか?」

 話は辻から始める。辻自身、このとき、河部首相を批判する言動を天皇という立場から引き出そうとした。

「逃亡…か。ああ。聞いた。逃亡とは言っていなかった。各国首脳を送り出さんといけないからだそうだ。私はその言葉を信じたい。」

 天皇陛下は返す。それに対し辻村は追い打ちをかける。

「…遠野外務大臣だけで十分だと思いますが…」

「…」

 しかし、陛下は黙る。沈黙が20秒近く続いたとき辻はその試みをあきらめる。

 今生天皇陛下もわかっていたのだ。天皇の言葉の意味が。

先々代の昭和天皇が若かりし頃、自分の発言で総理大臣を一人辞任に追いやってしまったことがある。第26代内閣総理大臣 田中義一 の発言を聞いた後、感情的になったのであろう。戦後、天皇はは象徴になったがその影響力は計り知れない。彼は黙るしかなかった。

「先ほど到着した他の国務大臣にも同意が取れました。一部閣僚を除き東京を退去…することが決定しました。残留組は首相官邸の倒壊リスクを考慮に入れて皇居内に会議室を設けたいとのことです。」

 辻は試みをあきらめたのち、事務的な連絡に移る。

「我々にも待避してもらいたいということだね。」

 陛下は話をどんどん先に進める。

「はい。必要なものを早急にまとめてください。まとめ終わったらすぐに退避していただきます。」

 辻は話を続ける

「残念ながらそれはできない。私と妻はね。」

「陛下と皇后陛下は退避されないということですか」

 天皇陛下の言葉に対し辻村が驚きの声を上げた。

「天皇として国民を見捨てて逃げるわけにはいかない。」

 覚悟のこもった言動だがあえてそれに対し辻は反論を述べる。

「陛下。ここに残るということは本当に生命の危険を伴うことです。富士山が噴火してしまえば退避用のヘリが使えません。陸路を行けば火事に呑まれて焼け死んでしまいます。」

 ヘリコプターのエンジンは高温になるため吸い込んだ火山灰を溶かし、それがエンジン内にこびりつくなどして動きを阻害してしまう。そのため飛んでいる途中にエンジンが停止する等の危険性がある。そのため使えない。

「それでもだ。」

「陛下は国の支柱です。お亡くなりになられては困ります。」

 問答が続く。そんな中声を掛けられる。

「そうだよ。」

 玄関先で老人が一団を出迎える。

「上皇陛下…。」

 先代の天皇。現在の上皇がそこにはいた。

「私が残ろう。若者は生き残らねばいけません。」

 その発言は天皇陛下が残留を口にした時以上の衝撃を与える。

「上皇陛下!?」

「父上!?」

「…それは事実上死を意味する行為です。政府としてはおそらく賛成できません。」

 辻はその状況を踏まえた答えを返す

「…君としてはどうだ?」

「…私は…」

 しばらく沈黙が走り。

「今の天皇陛下が生きられて、なおかつ天皇家の思いを実現できる上皇陛下の意見に賛同している自分もいます。」

 複雑な表情をしながらさらに口を開く。

「ですが上皇陛下。自らを捨て駒にするような手です。それは!!」

 続きを手で制しつつ

「私は銀だよ。棒銀(銀を犠牲とする将棋の指し方)。それに私のような老骨がお役に立てるのはそれだけです。」

 上皇は笑みを浮かべつつそういう。長い人生。多くの出来事を経験してきた人間にとってある意味ここで死ねたほうがいいのかもしれない。長生きするのはつらいこともある。


          陛下は言外に死なせてくれといったのではないか


 辻はそう感じるしかない。若い人間にはそんなことは実感できない。しかし、理解はできた。

「…各大臣がここに到着したらすぐにその件で会議を開きます。先にご家族を待避させます。よろしいですか?」

「…ああ…。」


 しばらく時間をおいて上空にヘリコプターが来る。2機だ。

「副総理!!先生!!」

 辻はヘリを迎える。

「こっちで問題はなかったか辻村。」

 早速口を開いたのは

「それが…両陛下が残られるといわれております。」

「なんだと!!」


「そんな重要なこと皇室会議の招集ができない以上判断できません。我々も内閣の主要メンバーを欠いておりそれをこの場で決めるのは」

 平沢英一郎はしり込みしている。

「陛下の御意志は固いです。とても動かせる気配がありません。それにこれを利用すれば河部を追い落とすことができます。陛下をおいて逃げたという印象が大きくなります。」

「何を言っているかわかっているんか!!辻村。陛下を駒のように使うなどと」

 辻の発言にさらに感情的になる平沢

「どちらにしても早く決めなくては危ないです。木道住宅地帯が火に包まれれば極めて危険です。我々も危険になります。」

 平沢英作はその中で意思をはっきりしない発言をする。彼自身、どうしたらいいのかわからない。

(ある意味効果が認められる策だ。だが黒すぎる。)

 と感じている。黒すぎる策に賛同しかねているといった状態だ。

「上皇陛下ご自身が『私は棒銀だ』といわれました。陛下御自身が望んでおられます。」

「報道次第だな。」

 麻田副首相が口を開く。

「報道の仕方次第で誰が悪か変わっちめぇよ。そりゃあ。」

 少し沈黙が走る。

「かといって閣僚、皇族すべてが逃げりゃ逃げた汚名を被ることになる。だが災害は東京だけじゃねぇ。残れば東京以外切り捨ての汚名を被る。」

「皇族も閣僚も分ける必要があるということですか。」

 平沢英作はそれを瞬時に理解。具体案を出す。さらに話を続ける

「ですが閣僚を分けるわけにいかない。人数が少なすぎる。」

 確かにそうだ。ここにいるのは麻田副首相と平沢防衛大臣、加藤厚生労働大臣の3名。そのうち麻田副首相と平沢防衛大臣は職務上残るわけにはいかない。しかし、加藤厚生労働大臣だけでは力不足である。

「そうなればどこかで帳尻を合わせないといけないということか。」

「陛下を帳尻合わせに使うつもりか英作!!」

「私も使いたくはありませんでもそれしか方法がないのです。」

 声を荒らげる親子。そこに両陛下がやってきた。

「へ、陛下!!」

 当然その場が静まり返る。

「私の父、昭和天皇は太平洋戦争終戦時、連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサーに命乞いはしなかった。」

 上皇陛下が言葉を発する。いのちごいをした

「私の身よりも国民の命を守ってほしい旨を伝え、マッカーサーは双方の命を取らなかった。」

 そして少しの空白を開ける。

「今、自分の命が惜しくて私が逃げたら諸外国はどう思うか…。いい印象はないだろうな。だから残るのです。権力闘争のためではなく、国民の命のために。」

 その発言ののちしばらくの沈黙が走る。

「私は残留組に志願します。」

 手を上げて平沢英作が声を上げる。

「賛成した身としては陛下だけを残すわけにはいきません。」

 辻も手を上げる。

「俺も残りてぇが立場っつーもんがある。私は東京を脱出しなくてはならん。」

 麻田は腕を組み残念そうに言う。

「私も!!」

「親父は行ってください。」

 平沢英作が自分の親、上司である平沢英一郎の言葉を遮る。

「ふつう若いもんが逃げるもんだろ!!」

 声を荒げるが

「息子を残して平気でいる親父はいない。だったらそれを諸外国に伝えるだけ。自分で志願したんだしね。それに立場ってものがある。非常時だからこそ…いいや一触即発の状況になったあらこそここにいてはいけない。」

 正論を言われて論破されてしまう。

「上皇陛下は残られる。しかし、上皇では各国は天皇と認めてはくれない。簡易的に即位していただくのが良いと思われます。」

 続ける。

「異論無い」

 麻田はそう急に口を開く。実は天皇陛下が口を開こうとしていたがそれを封じる形になっている。下手に口を開かせては残るといいかねない。

 その言葉に大臣たちはうなずく。

「残留は現上皇陛下、平沢の2人、厚生労働大臣が残られる。閣僚に関してはもう少し残る必要があるも大体の人員は決定した。行動を開始してくれ。」

 麻田は珍しく標準語でそう命じた。


 時は戻って首相搭乗ヘリ

「本当に首都を離れてよいのか。河部君。」

「今はあなた方をいち早く国外に出し、各国でこの災害への支援について決めていただくことが先です。」

 首相や各国閣僚を乗せたヘリコプターは三沢飛行場に向けて飛行している。三沢基地ならば多くの航空機を使っていち早く国外に送り出すことも生きている会議室を利用した会議を行うことも可能だ。

「だが国民を捨てたという悪名は歴史に残るぞ。」

アメリカ合衆国大統領はそう言う。

「それは報道の仕方次第で変わります。メイン号の一件も同じです。原因がわからないことでも報道の仕方一つで戦争になりました。」

 それはアメリカ自身が報道の歪曲・操作等を行い、様々なことをしてきたという歴史がある。そのことを言っているのだ。

「総理!!麻田に先手を打たれました!!」

 手にタブレット端末を持った秘書がその旨を知らせに来ていた。


 ウラジオストク 海軍基地

「全館に出港用意。早急民間船を傭船。傭船船舶と軍用艦船に大量の食料を積み込め。」

 太平洋艦隊司令長官は命令を出す。

「ロビンスキー提督。本国からの命令は一切ありませんが大丈夫でしょうか。」

「今、首脳陣は日本だ。極東軍所属の輸送機が三沢に向かっている。輸送機が三沢で首脳を回収したと同時に裁可を受ける。準備はしておいたほうがいい。」

 ロビンスキー艦隊司令長官は言う。

「傭船契約については責任を取らされますよ。」

「そうなれば国際世論、国内世論を味方につけるだけだ。それに策はある。」

と言いつつ副官にUSBを見せた。


 ヘリ間の無線

「麻田!!何をやっとるんだ。」

「そいつぁこっちのセリフだ総理。あんた国民を見捨てるんかいな。」

 二人の男がそれぞれの無線機に怒鳴っている。

「私は支援の約束をいち早く取り付けるために各国首相と同行しているんだ!!支援なくして国民は救えん。」

「だったなんで三沢まで行く!!仙台にも空港はある!!はよヘリ返さんか!!」

「一人の命よりも99人の命だ」

「なぜ100人救おうと努力しんでぇ逃げるの合理化してんだ!!陛下のことも今後のこともなあんにも決めずに何逃げとんだ!!決めてから逃げろや」

「無茶なこと言うな!!そんなことすれば99人も死んでしまう。私はそれが51人と49人の差でも大を取る。それが必要なときはな!!」

「その49人に入ることも残る意思もねぇやつが偉そうに言うな!!平沢の息子は志願して残留だ!!東京に!!現天皇陛下も残留されている。」

「それをお前は認めたのか私を通さずに」

「俺だけで決めたんじゃねぇぜ。だが、いなかったほうが悪い。官邸に来もしねぇでに逃げたあんたがなぁ」

「なぜ連絡しなかったんだ!!連絡を怠ったのは君だろう!!」

「首相官邸は耐震強度の問題から放棄した。通信設備がなきゃ報告はできん。早急な意思決定のため報告が事後報告になった」

 双方激論を遂げるが、しばらくすると話が途切れる。

「処分は追って通達する。それまで謹慎しろ。」

「このタイミングで派閥闘争ですけぇ。日本がなくなるかもしれん時、そんなことしとる暇はないとちゃいますか。」

「派閥闘争ではない。責任問題なのだ。君に腹を切ってもらう。」

「この音声を聞いても国民はあなたを支持するでしょうかねぇ。」

「なん…だと…」

「この音声はリアルタイムでネットに流れとる。」

「…君も政治生命が終わりになるぞ。」

 総理の声は先ほどの熱が冷め、冷静なっている。

「…未来は若者が作るもの。そろそろ老骨の我らは隠居すべき時期です。隠居しなくても主役は譲るべきです。」


 少し時をさかのぼって皇居、ヘリ

「皇族の方々のヘリは先行します。我々は少し遅れます。あと5分ほどで用意ができます。」

 入ってきたSPがそう伝える。

「かまわない。我々もできるだけここに残りたい。」

 平沢英一郎と息子の英作、辻村十三の3人がお猪口を手にしている。その場にいる時間を大切にしているように。

「行ってください。そちらこそ日本を頼みます。」

 辻がそういう。

「見送りに行きます。」

 平沢英作は席を立つ。手には退避する人間の荷物が持たれている。

 それに伴い、ほかの人間も荷物を持ち歩きだす。

 しばらく歩き、ヘリコプターに乗り込む。

「副総理。これを参考にしてみてください。」

 平沢英作が一つのUSBを渡す。

「親父さん!!日本を頼みます!!」

 辻が叫ぶ。同時にヘリの扉が閉められヘリは離陸してゆく。

「さてとどうするか考えていく必要がある。しばらく飯の供給はないだろうからな。」

 平沢はそう辻に言う。

「だろうね。急いで対応をしないと。」

 彼ら残留組はさっそく会議に入った。


 三沢基地

「首脳陣搭乗ヘリそろそろ到着する模様。会議室の支度も完了しております。」

 部下が指令室に報告に来る。

「河部首相が逃げかえってきたというべきなんだろうな。」

三沢基地司令官の風見雷電はそうつぶやく。周りはその声にぎょっとする。

「すまん俺個人の意見だ。」

 と取り繕うが、言った言葉は消えない。

「ともかく国民の命を救うことに全力を尽くせ。」

「了解。」


 首脳陣輸送ヘリ部隊 遠野外相搭乗ヘリ

 遠野外相は河部首相とは違うヘリに乗っていた。そのヘリには欧州首脳陣が乗っているた。ちなみに首相搭乗ヘリはアメリカと中国、ロシアの首脳陣が乗り込んでいた。

「遠野外相。副首相搭乗ヘリから入電。『メールの添付ファイルを見られたし』です。」

「メールの添付ファイルだと?」

 遠野はヨーロッパ首脳陣と大方の話がついていたのでそれに従う。

「…これは…。」

 遠野はそれにくぎづけになった。


 三沢基地 ヘリポート

「お待ちしておりました。」

 ヘリが着陸すると同時にそこにいる自衛官たちが要人を迎える。

「会議室の用意はできているかね?」

「はい。遠野外相。すでに各国首脳を誘導する手はずになっております。」

 迎えの女性自衛官が手を向けるほうを向くと各国首脳は案内されたほうに歩きだしている。

「しかし、韓国首相は早急な帰国を求めております。どうやら届いたメールを見てから帰国を主張され始められたようです。」

 と続ける。

「またか。下手すると面倒なことになります。すぐに小型機を用意してあげてください。彼らは無視して行動しましょう。」

 遠野外相はそう命じる。

「…まさか…な。」

 その遠野のつぶやきを聞いた者はいたがそのつぶやきの意味が分かったものはいなかった。


 三沢基地 会議室。

「この大震災の被害は日本国にとどまりません。太平洋諸国にも甚大な津波被害が発生することが想定できます。被害範囲は有史以来最大のものになる可能性は極めて大きいです。世界各国には被害国の支援について最大限の努力をお願いいたします。」

 遠野外相はわかっていることを知らせたうえで支援の要請をする。さらにこの表現には日本以外の国もお願いいたしますという意味があった。

「あまりに広い被災範囲、被災人口に対応するためには効率的な支援が必要になります。そこで国連に各種支援機構の設立を急遽要望する方針ですがそれについてのご支持をお願いいたします。」

 遠野外相はさらに続ける。

 各国首脳陣のうち、EUとアメリカ、NATO加盟国、ASEAN各国大使は首を縦に振る。そのほかの国は難色を示すかどうしたらよいかわからないといったところだ。

 その後各国首脳は救援活動について話し合いと本国との連絡に奔走した。


 韓国首脳搭乗U-4

 韓国首脳が登場するU-4は三沢から韓国ソウル近郊の空港に向けて飛行していた。

「日本を攻める。勝利すれば当然私の支持基盤は安定する。しかし、失敗した場合すべてを失うことになる。」

 彼は冷静に状況と打算を分析している。すでに世界的に韓国の立場はどん底だ。日本との慰安婦最終合意撤回したのち、約束を守らない国という印象を持たれてしまったためである。そんな中、更なる汚名は国際的な信用を損ない、国の存亡を脅かすことになる。

「避けるべきかもな。」

 そうつぶやいた。

「閣下。戦闘機が接近。韓国のF15Kです。護衛の要請はされましたか?」

 パイロットの自衛隊員が聞く。

「きみした?」

 隣にいた部下に首相は聞く。

「いいえ。私は自衛隊機で韓国に帰国すると通信しただけです。」

 という返答をうける。

「ともかくついていったほうがいいみたいです。下手に近づけば領空侵犯でやられてしまう。韓国機同伴のほうがいい。」

 機長はそう判断し、F15Kと連絡を取ろうとする。

 しかし、通信は雑音。

「おかしいですね。応答しません。こっちからは目的等も通信しているのですが。」

 乗員がつぶやく。機長はヘッドホンを耳につける。

「電波妨害か…。何のために」

 機長が言っている横で2機のF15Kは機体後方に下がる。

「何をする気だ?」

その様子を見た首相は声を上げる。

 直後、韓国機の側面が火を噴く。U-4はもともと民間機。防御はないに等しい。20㎜バルカン砲を食らえばすぐに火を噴く。

「メーデーメーデー!!」

 電波妨害の中、通じるかわからないが機長は無線機に叫びつづけた。


「親日政治家は天誅に相当する。」

 パイロットはそうつぶやく。

「首相搭乗機エンジントラブルのためか墜落。脱出者なし。繰り返す脱出者なし。」

 白々しいことこの上ない報告を無線で本国に伝えた。


ということで今回も戦闘描写が乏しいです。次はたぶん戦闘描写がそれなりに出てくると思います。


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