第四十九話~彼女とキメラといい話(笑)~
「あ、……わた…しは……。ゴホッゴホッ」
「まだ、動いちゃダメ…。と、言いたいところなんだけど…。凄まじい回復力だからね。……………キルアって、ヴァンパイアだったんだ…。」
……言ってくれればよかったのに…。いや、そこまで望むのも…、酷かな…。
「あ…たも…………とい……ま…か…?」
「え?」
あたといまか?なにそれ?阿多、と、今か?違うよね?なんて言ったの?
「貴女も、……私のことを、………………バケモノ…と、言い……ますか…?」
そう言ったキルアの声は、今すぐにでも消えてしまいそうなほど弱弱しい声だった。
………。
「てい!!!」べシッ!!!
「った!?な、なにするんです!?しかも軽くはたいただけでは絶対に出ない音が、しましたよ!?」
「黙んなさい!!!この馬鹿が!」
私は今、モーレツに怒ってるんだ!!!
「バケモノだって?ああ、そうだね。貴方は、キルアはバケモンだ!!!」
「……っ!やはり、私なんか、要らない、存在…!」
傷ついた表情してる…で・も・ね!?それ以上に私は傷ついてるんだよ!!!馬鹿野郎!!!
「だから、…、だからなんなのさ!!!バケモン上等!!!それが自分だ!!!自分を否定して、何になる!?胸張って生きようよ!!!一回だけの人生なんだよ?バケモノだろうが意志をもって、感情をもって、笑って暮らしてるんだったら、いいじゃんかそれで!!!バケモノだって事実は変わんない。そんなことを気にしてたって意味ないんだから!!!やるだけ人生の無駄無駄!!!」
「………………。」( ゜д゜)ポカーン
うぷぷ、面白い顔してる。( ̄m ̄〃)って、違う違う。まだ、私は怒ってんの!!!
全く、油断も隙もない!!!
「ねえ、キルア。貴方は、自分を否定し続けて、苦しくないの?胸張って生きようよ!!!どこの誰だろうとキルアを『バケモノ』だっていう人がいたならぶん殴ってあげる!!!誰かがキルアの存在を否定したら私が肯定してあげる!!!私が言うよ!!!この世界と神に愛された私、カルテット・カルテリカが言うよ!!!キルア!!!キルアはキルア!!!私の友達で、仲間で、大切な人だよ!!!いらないなんてことはない!!!私には!!!ううん、私たちには、あなたの存在が!!!キルアの存在が必要なんだよ!!!」
「そうだぜ?今の今まで空気読んで黙っててやったんだ。ここで「でも…!!!」なんて言ってみろ、俺がぶん殴ってやる!!!ほら、言えよ!!!「私はこの世界に必要な『バケモノ』だ!!!」ってな?俺が笑って、「そうだな」って肯定してやらあ!!!」ニヤリ
気配まで消して、大人になったね~。空気なんて今まで読めなかったから、空気ブレイカーとか、フラグクラッシャーとか言われてたのに…。
え?誰にって?私に。え?それ以外の人?呼んでなかったよ?なに?なんか文句あるの?(黒笑)
「わ、わた、…私っ!!!私は!!!この、この世に!!!ヒック、この、この世界に!!!ひつ、必要な!!!ば、ばけっ!!!……っく、『バケモノ』!!!な、なんです!!!」
「ああ、そうだな!!!」二カッ
「ええ、本当!!!うふふふ。」クスクス
ああ、良かった。キルア。おめでとう。自分自身を認められたね。おめでとう。自分を否定していた自分を捨てることができたね。おめでとう。キルア。
「わ、わたっ!!!私は!!!私は!!!こんな、こんな自分でも!!!う、受け入れて、んっく、くれる!!!い、居場所が、ほ、ほし、欲しかったあああああああああ!!!!!!ふ、く、ひっく、う、か、帰る場所が、欲しかったんです!!!う、ひっく、ん、ひっく。」
………ふふ、もう、なあに言ってんだか…。このおバカさんは…。
「居場所なら、ここにある!!!」
「帰る場所も、もうあるでしょう?」
「………っ!!!」
驚くことなんて何一つ言ってないのに…。ホント、困った分からず屋だな~。
「ここが、私たちのところが!!!キルアの居場所で。」
「帰る場所だ!!!必要ない命なんてねえんだよ!!!何かしらの必要があるから生まれるんだ!!!」
「ねえ、キルア。私たちにはあなたと出会うことが必要だったの。あなたの存在が必要だったの。キルア。生まれてきてくれて、ありがとう。」
「~っ!!!ふ、あ、ん、く、ひっく、ひっく、ふ、ふうううう、ううううう、んく、は、ん、こ、こっちこそ、出会ってくれて、ふ、ありがとうございます。」
ふふ、涙でボロボロだけど……今までで一番素敵な笑顔よ。キルア!!!
被った仮面なんかよりも、貼り付けた表情なんかよりも、ずっと、ずっと、ずうっと!!!素敵よ!!!
「あ~、ところでさ。結局、キルアの主って誰なんだ?」
「……っ!?」
…………おうふ、流石は空気ブレイカー。和やかな雰囲気が急に張り詰めた空気に変わったよ…。
はあ、もう少し和やかな雰囲気でよかったのに…。
刃ェ…………。
ガバッ!!!
「お願いします!!!カルテ!!!どうか、どうか主様を助けてください!!!お願いします!!!」
ちょ、DO☆GE☆ZAはやめてほしいんですけど~!?やられるこっちがいたたまれないというか、何というか……。
「わ、分かった!!!分かったから!!!土下座はやめて!!!」
「あ、ありがとございます!!!」
おう、その神様を見るような目もやめてくれると、嬉しいな~。なんて…、
キラキラキラキラ
なんて…、
キラキラキラキラキラキラ
な、んて……、
キラキラキラキラキラキラキラキラ
はい、やめなくて結構です。
「で?その主様っていう人がどうしたんだい?」
「それがですね―――――――――」
かくかくしかじかダイハ○ムー○というふうに聞きました!!!
「それにしても…、私を見て『みつけた』?って、どういうことだろう?私、王様とかあったことないし…。知らないな~。」
「あとは、別人のように変わったというのもおかしな話だ。……本当に何かに取りつかれてたりするのか?」
「分かりません。ですが、主様はとてもお強いのです。並大抵の者じゃ近づくことすらできずに、消滅いたします。ものすごい実力者だとしたら…、勝てるでしょうか?」
なるほど、なるほど、……何かに取りつかれてたりして…か。あり得る話だよね。
あるとしたら、悪魔や夢魔、妖怪、幽霊、怨霊、エトセトラ、etc.たっくさんあるねえ~。どうしようか?
「どうなってるとしても、一回は会いに行かないと判断できない。全て空想の域から出ないんだ。やっぱり行くしかないな…。隣国、オランジェットへ。」
「はあ!?凛華、なに言ってんだよ!?危険だ!!!危険すぎる!!!そんなあぶねえ野郎のところに行かなくてもいいじゃねえか!!!」
う~ん、でもな~、ここで原因についてしゃべっててもな~。あれだ。あれ。
『事件は会議室で起こってるんじゃない!!!現場で起こってるんだ!!!』っていうやつ。あれ?なんか違う?
まあ、そんなことは置いといて。ここで言い合ってても正解は出ないし、行くしかないんじゃないかな?
キルアも言ってやってよ!!!主様の危機なんですよ!?
「そうですよ!!!カルテ!!!」
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
「今の主様は危険です!!!」
えっ!?ええええ!?∑q|゜Д゜|pワオォ!!
「行ってはいけません!!!カルテ!!!危なすぎます!!!許可できません!!!」
な…、なに…!?お前もか!?ブルー○ス!!!
くっ、そろそろテストの期間だと…!?




