表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/64

第四十八話~彼女とキメラと贖罪と~

何とかあいつ等に魔法をかけれた…。なんだろう、無駄に疲れた…。


まあ、これで襲われたとしても私にわかるようになった。よしよし。順調順調!!!


……でも、犯人は一体何が目的なんだろう…。殺せるのに、殺さないなんて…。苦しめたかったのだろうか?


わからない。まだ、情報が揃わない。学園長たちも目覚めない。証言がないと何とも言えない。


…………………犯人はだれなんだろう?


…あ~!!!もう、やめやめ!!!こんなシリアスな雰囲気私じゃないし!!!


とりま、ケロ○軍○でも見ますかね。緊張感を無くすためにも。


私が緊張感でピリピリしてたらみんなも笑えなくなっちゃうし!!!


やっぱり、スマイルだよね!!!笑顔が一番!!!


無理して笑ってたって、いつかは本物になるから…。スマイル、スマイル!!!


ピ、ピ、ピ、ピピピピピピピピピピピ!!!


アラームが!!!襲われたのは誰!?………刃!!!場所は……『カエレン華憐』?


分かんない!!!でも、転移!!!無理矢理でも私なら……


イケるんだよ!!!覚えておけなのであります!!!


あ、さっきまでケロ○軍○見てたから…、つい…。


シュンッ


「刃!!!」


「――――――――!?」


あいつか!!!……うわ、真っ黒。上から下まで全身黒…。フードもかぶってるとか…。


徹底しすぎ。よくそんなに黒いのあったね!!!しかも効果高っ!?もったいない!!!


「―――!?」


あれ?何だか…あいつ……………焦ってる…?


「――――――!!!」


あ!!!あいつ転移で逃げようとしてる!!!そうはさせるか!!!


「今、この時も魔法で苦しんでいるものがいる。ああ、なんと悲しきか。ならばもう、使えなければいいのに…。『魔法無効化(無力な者)』!!!」


パンッ!!!


詠唱付きで威力をあげてるからね、そうやすやすと壊せないよ!!!私の魔法は!!!


詠唱も零コンマ単位でだしね。『森の守護神フォレストガーディアン』は魔法においては無敵だよ?


ここが森じゃないのが残念だね。まあ、お花畑も好きだけど…。


「―――――――!?―――!!!」


あ、目くらましの魔法を打ってきた!!!こいつ頭いいな。私だと理解して、反撃、隙を作るように誘導し、その隙に逃げるわけか…。


でも、逃がしてやんないんだから。


「月はいう。その光に照らされしとき、汝何を思う。真実が照らされ、真の己と会いまみえるとき、汝何を欲す。全ては照らされ、隠すことなど不可能。汝覚悟せよ。全てを受け入れるときはきた。汝の全てを白日のもとへ。『真月ノ光(ファクトゥム)』!!!」


この魔法は身体強化などの強化系だけでなく、身につけているもの全ての強化を無効化する。


それには特殊能力も含まれる。


さあ、ありのままの姿で戦いましょう?犯人さん♪


私、すごく、怒ってるんだから…。


「――――――――!?」


あら、ごめんなさいね?ついつい殺気が漏れちゃった…。


本気の私を前にして、逃げられるなんて………思うなよ。


「……ふっ!!!はあ!!!」


「―――――!!!」


サッ!!!スッ!!!ズザッ!!!


チッッ、全部避けやがって。やっぱり、接近戦は無理か。じゃあ、魔法でいくしかないよねぇ?


死んでも文句、言わないでね!!!私を怒らせた、あんたが悪い!!!


「カラカラ回るは糸車、クルクル踊るは赤い靴、シャリシャリ食べるは毒りんご、サラサラ零れる長い髪、キョロキョロ見つけた甘い家、ねえ、あなたの物語を聞かせて?『御伽噺(フェアリーテイル)』!!!」


この魔法は相手の属性に合わせた御伽噺がランダムで選ばれ、様々な効果を齎すもの。


あなたの物語を聞かせなさい?


パキパキパキパキ!!!


こ……おり……!?氷の属性なんて…あの中には…!?おかしい!!!それとも、私に気付かせないくらい少ない魔法でしか、キクノハ先生と戦っていなかったというの!?


あり得ない…。でも、現実に起こっている。とりあえず犯人を捕まえないと…、話にならないわね。


さて、そろそろ氷漬けになったころかな……!?


氷で対抗している!?私の魔力には炎の属性も入っているから不利なはずなのに!?


氷魔法のエキスパートなんて……、でも、あれだけで手いっぱいみたいだし、もう一つ魔法を仕掛けたらお終いでしょう。


「我望むは圧倒的な陽の光、我従わせるは煌めく月の光、我手にするは瞬く星の光、全ての光は我が手の中に。『蒼穹の輝き(フィルマメント)』!!!」


光系、オリジナル、龍級魔法。流石に止められないでしょ?


「いけ。」


シュピン!!!


「―――――――ガハッ!!!」バタンッ


「さようなら、犯人さん。恨むなら、自分を恨みなさい。」


………え…?なんで…?あの人が……倒れようとしているの…?どうして…あの人が!!!


「なんで!?なんであなたが倒れようとしているの!?答えてよ!?」


「―――――――――すみません。カル……テ…。」


キルア(・・・)!!!」


心臓の中心に穴が開いてるのに微笑んでいる友達が…、そこには、いた…。


「なんで!?どうして…!?答えてよ!!!友達じゃ、友達じゃあなかったの!?」


「………友達です…よ………。でも、………私にも……やらなければならない……ゴプッ、はあはあ、………贖罪があるんです………。」


キルアの瞳は死に向かう諦めと、それでも揺るぎない決意に染まっていた。


「……それが、仲間を殺すことでも…?」


「…………私は……あの方に…救われたんです………今度は……私が……救う番………なんです!!!たとえ、禁忌を……犯してでも……私は…………あの方を……救いたい!!!」


………私は、知らない。誰を思ってキルアが涙を流しているのかを。


………私には、分からない。何がキルアをそんなに駆り立てているのかを。


………私は、知ろうともしなかった。友達だと言っていたのに…。


………私は、分かり合おうともしなかった。仲間だと言っていただけだった…。


………私は、知っていた。キルアが優しく微笑んでいる瞳の奥で、憎悪と辛苦を混ぜた感情でこっちを見ていることを。


………私は、分かっていた。キルアの笑みが張り付けたものであることを、顔に出る表情全てが仮面をつけて演じているものだと。


………なのに、私は…全て見ないふりをした。キルアは友達だと、仲間だと言って自分を誤魔化した。


何が、最低だ。何が、許さないだ。何が、殺してやるだ。


一番酷いのは、最低なのは、許されないのは、私じゃないか!!!


「…キル…ア……。ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめんね。」


謝って許されるなんて思っていない。私が許せない。


「後悔と、懺悔と、罪の意識が、自らを死に追いやるのなら、命を無駄にするのなら、その命を他の者に分け与えよう。贖罪の雫を振りかけよう。許されるまで、気のすむまで、自分自身が許すまで、贖罪の雫はこぼれ落ちていく。『贖罪の雫(エクスピアシオン)』」


私の涙で癒せるように、せめてもの償いだから。そんな顔しないで…。


「………ど…して…。」


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。」


涙なら、止まらないから、あなたを癒せるから、せめて、あなたの傷がふさがるまでは、私に謝らせて…。


あなたが悪いんじゃないの。私が、悪いの。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。」


あなたにこんな思いをさせて、ごめんなさい。


………どうか、私を許さないで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ