第四十三話~彼女とキメラと魔王さま~
「よくぞ来た。勇者たちよ。」
「魔王、貴様に恨みは無いが倒させてもらう!!!」
「ふん、出来るものならやってみろ!!!口だけではないのだろう!?」
「吠え面かかせてやらあ!!!」
……………え?展開早くね?
いやいやいや、確かに道中ぬるかったけど!?こんなにあっさりでいいの!?
ほぼハイキング気分だったよ!?
あれ?ピクニック?……ハイキングとピクニックって何が違うんだ?
まあ、そんなどうでもいいことは置いといて。
何が言いたいかっていうと…
「なに?このヌルゲー?」
いや、目の前で激戦が繰り広げられてますけどね……!?
イヤ、ソンナノンキナコトヲイッテナイデ、サッサトアイツラトメテヨ!!!オレニナッテサ!!!
はいはい、分かりましたよ。『変身 モード:魔王』
…………あれ?なんで?え!?は!?変身できない!?
ウソダロ!?スキルヲフウジル『ナニカ』ナンテ、シラナイゾ!?
じゃあ、ディアがいなくなってからのモノってことか…。
ディアはどれか検討つく?または、こんな感じってアイテムとか候補をしぼれる?
ムリダナ。オオスギル。
手あたり次第壊していくのは………
コノヘヤジャナカッタラ、ドウスルンダヨ。タブン、シツムシツカ、シンシツカ、ショクドウカ、……マア、タタカイノナイトコロニアルゾ。
う~ん、それでも候補をしぼれないか…。
………あれ?無理ゲーじゃね?
誰だよ!?ヌルゲーとか言った奴!!!全然!!!ヌルゲーじゃないじゃん!!!
イヤ、オマエダロ。
そこはスルーしてよ!!!いっつもスルーするくせになんでこんな時だけつっこむんだよ!!!
{あの、何でここだけ殺伐としてないんですか?}
え?だってバリア張ってるから攻撃届かないし……。
私が出てってもね~。スキル使えないから止められないしさ~。
{あの、もしかして気づいてないんですか?}
え?何に?
{もしかしなくても気づいていないようですね。}
だから、何に?
{はあ、そのバリア全てを防ぐようにしてあるんですよ!!!}
………ん?だから、どうしたの?
{……ここまで言ってまだわからないんですか?全く。『全てを防ぐ』ようにしているのでスキルも防いでいるんですよ!!!しかもご丁寧に中からの攻撃も防いでいるようにしていますしね!!!}
……あ。………あ!!!……あ~!?ああああ!!!
そうだ!!!面倒くさいからって『全部防ぐやつ』っていうので作ったんだっけ!?
…………ホウ、ツマリハオマエノカンチガイッツーコトダッタノカ?アア?
……ま、まあまあ、落ち着いてよ!!!人間誰だって勘違いや間違いもあるんだよ!!!
オマエ、キメラジャナイカ。
…人間成分も入ってるし…。
………フウン、デ?ナニカイウコトハ?
私の勘違いで大事にしてしまい、大変申し訳ございませんでしたああああああああ!!!
ジャアセイイヲミセテ、サッサトアイツラヲトメロ!!!!
イエッサー!!!『変身 モード:魔王』
フワッ!!!
……思うんだけどさ、何で毎回変身の時の効果音やらキラキラとかの幻影が違うの?
{あれ?わざとじゃなかったんですか?}
わざとなわけないっしょ。なんでそんなに面倒なことやんなきゃいけないの?
{………なるほど。まあ、仕様だと思っていてください。多分改良できませんから。}
はーい!(^O^)/
さてと、止めるかな。ってあれ?止まってんじゃん。
{貴女の魔力で止まりまってましたよ。気づいてなかったんですか?}
MA・JI・KA☆彡
まあ、いいや。手間が省けたと思っていようっと。
「はあ、そこまでな。」
………なんかこの体、異様に怠いんだけど?
ソリャア、『アケディアバシレウス』ニ、『メランコリアバシレウス』ガ、カサナッテイルカラナ。ネンピガワルインダヨ、ソノカラダッテサ。
あ~、眠い、つまんない。
あ~、『怠惰ノ王』と『憂鬱ノ王』が重なったらこんなに引っ張られるの…?
ソリャア、サイキョウシュゾクダカラナ。カケラトイッテモ、キッツイニキマッテンダロ?
あ~、そっか~。はあ、ヤバいわ~。
「はあ、魔王を倒さないでくれるとありがたい…はあ。」
〚はあ!?〛
なにいってんだこいつって目をしてる。しかも全員。
まあなあ、魔王討伐しに来たのに討伐するなってバカのやることだもんな~。
「………旧第一席様…?」
あ、魔王気づいた。って、旧第一席様って誰のことだ?
いやいや、魔王のことを言ってるって分かるよ!?でも旧第一席様って一瞬「は?」そうそう、そんな風になるじゃん。
ってあれ?誰が「は?」って言った?
「旧第一席ってなんだよ。」
あ、刃か。びっくりした。
「…………前魔王ということだ、人間。」
あ、ふわあああああ!!!改めてしっかり魔王見たけど、ガチでカッコイイんですけど!?
は、やべえ、凛華の精神も強いな、おい。凛華の方にさっきから引っ張られてるしな。
ああ、クソ……ごちゃごちゃして頭がこんがらがる。
自分のキャラが分かんなくなる。情緒不安定になるのは嫌なんだがな~。
…………てめえら大人しくしやがれ。誰かが出しゃばるだけでバランスが崩れんだよ。
でも、そんな不安定な状態で『カルテット・カルテリカ』なんだよ!!!
今は魔王だが、本体は『カルテット・カルテリカ』だ。今からごちゃごちゃすんじゃねえ!!!
あと、[凛華]。確かにお前は一番オリジナルの精神に近い。
だがな、今はもう『手鞠 凛華』じゃねえんだ。お前も出しゃばんな。
[凛華]は死んでキメラに組み込まれた。お前も他の奴らと一緒だ。そのことを認めろ。
…………よし、今言ったことを忘れんなよ?てめえら。
ふう、疲れた~。あ?言ってることが支離滅裂だったって?いいんだよ。伝わりゃあ。
「そう……だったのか………大変だったんだな…魔王。」
「お前も苦労してたんだな。人間。」
は?俺が葛藤している間に何があったんだ?
「大切な人がいなくなる恐怖はよく分かる。すごく怖いんだよな。どこかにいるか分からない。いるのかどうかも分からない。だから、怖いんだよな。」
「ああ、手探りで探しても見つからない。けれど時間がないから、遠くにいけない。遠くに行けば何かあるかもしれないと思うと、もどかしくなる。」
何の話だよ。
「魔王、お前にもそんな思いがあったなんて知らなかった。お前、いい奴じゃないか。」
「ふ、人間よ。これだけ共感できたのは初めてだ。人間にもお前のようなやつがいたのだな。」
なんだ、その、………疎外感が半端ねえ。
「は、人間なんて他人行儀やめてくれ。俺は刃だ。」
「ふ、そうか。それは失礼したヤイバ。我のことはアルナダと呼んでくれ。」
ガシッ
なんだ?この展開?
あれだ、河原で喧嘩して夕陽をバックに「お前、やるな。」「お前だって。」みたいに拳で語る的な奴だ。それに似てる。
っていうか何気に魔王の名前初めて分かったな。
エ?アイツ、ソンナナマエダッタノカ。
なんでお前は知らないんだよ、ディア!!!知ってないとダメだろう!?お前は!!!
ナマエナンテ、オボエテルワケナイダロウ?(* ̄ー ̄*)フフン!!
なんで偉そうなんだよ!?覚えとけよ!!!部下だろう!?
ナンニンブカガイタトオモッテル!!!
あ、そうか…沢山いたら覚えられないというかごっちゃになるな。
マア、ブカナンテ10ニンシカイナカッタケドナ。
そのくらい覚えろよおおおおおお!?
休んだすぐで悪いのですが、テストが近いうちにあるので9月ん~、4日かな?まで休みます。申し訳ございませんがご了承ください。




