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第九話~彼女とキメラと彼女の決意~

「………フードが取れてしまったではないか。どうしてくれる?全帝よ。」


「…………………。」


あ、だめだこりゃ。放心してら~。


「ふむ、正気に戻れ。」パチンッ


バーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!


「「「「「「「「「……はっ!」」」」」」」」」


お、戻った。


やっぱり作ってて良かった。面白魔法No.27『驚き桃の木山椒の木(サプライズ!!!)


ちなみに、面白魔法は今No.76まで作ってある。


「お、おま、その顔……。なるほど、フードをかぶっているのは攫われるのを防ぐためか。」


いえ、別に。ただ、怪しい奴を演じたかったからですwww


「………凛華に似ているような?いや、雰囲気が似てるからそう感じるだけか?」


いえ、凛華です。凛ちゃんですよ~ww


ん?どうして刃が間違えるのかって?


だって、魔法で顔変えてるし、もともと魔力を纏っているから魔法使っているかすら分からないの!


やだ、凛ちゃんってば天才!!鬼才!!!自分の才能が怖いわ~!


ちなみにこの魔法も面白魔法でNo.41『変幻自在(このこだあれ?)』である。


今度、手品の魔法作ろうかな。魔法でできるけど。


{こうして面白魔法は作られていくのであった。}


何ナレーションしてんの、ミディア。


「もう、いいだろう?」パサッ


「あ~、もったいね。めっちゃ美人なのに……。」


まあ、エルフの観点からしても絶世の美女だし?人間からしたら言い表せないほど美人だろうね。


これってナルシスト?


{いえ、事実を言っているだけです。}


フォローありがとう。





「自分の顔くらい自覚している。面倒ごとは嫌いだからな。こうしている方が事件に巻き込まれん。」


べ、別に後付けの理由なんかじゃないんだからねっっ!


……ツンデレ難しいな。


{可愛かったですよ。}


ありがとう。自覚してるww


ん?いつ自覚したのかって?


町入って久しぶりに人間の顔見てから自分見たらさ、「私、めっちゃ美人じゃね!?」って思って。


だから自覚してる、絶世の美女だってこと。


私はふつくしい!!!


これだけ聞いたらただのナルシーww


「では、また。『帰還』」シュンッ


はあ、つかれた~。もう、今日は寝よう。




ガヤガヤ


相変わらずうるさいな、このギルドは。


バンッ


シーン………。


なにこれいじめ?


……なんかデジャヴ。


もういいや、依頼受けよ。外野はむしむし。


カツカツカツカツ「ひっ!」コツコツコツコツ「ひぃ!ごめんなさい!」


う~ん、どれを受けようかな。


{まあまあ見事に怖がられてますね。立てば悲鳴、座れば謝罪、歩く姿に泣きだされ。}


ちょっと、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花みたいなの作らないでよ!


でも、あながち間違ってないのが悔しい!


{え?あながちどころか事実でしょう?}


え?


{え?}


………………。


お!これいいじゃん。


{見事にスルーしたっ!?}


うっさい。



⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫


盗賊団を壊滅させよ。 ランクA推奨。


場所 ノノーヒャ村 期限 6月10日まで


報酬 1154000ギルミ、魔法石5コ


⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫


{いいと思いますよ。ナイスチョイスです。}


じゃ、これ受けようか。


「これ、受けるから。」


「………かしこまりました。………出来ました。……頑張ってください。」


めっちゃ嫌そうな顔して言うなよ。


テンションだだ下がりじゃん、嫌なら言うなよな。


{全くです。あ、ノノーヒャ村の位置が分かりましたよ。『転移』でパッと行けます。どうしますか?}


あ、そう?じゃあお願い。


{了解しました。では『転移』}シュンッ







ここがノノーヒャ村か~。


よく言えばのどか、悪く言うと何もない田舎かな。


{まずは村長の家に行きましょう。}


一番大きな家でいいよね、じゃあここだ。


コンコン


「すまぬ、村長殿はおるか。」


「はい、どちら様で?」


「ギルドから依頼を受けて来た。話を聞きたい。」


「おお、それはそれは。遠いところをようこそ。ささ、どうぞ入って下され。」


「失礼する。」


さ、話を聞きますかね。





「ーーーーというわけなのです。どうか盗賊団を退治して下され!」


村長さんの話をまとめるとだ、


・街に唯一繋がっている道を塞がれた。


・行商が行ったまま帰らない。


・行商について行った村長さんの娘さんも帰らない。


・暫くすると最初に行った行商の一人が事を村長さんに報告。


・ギルドに連絡するために狩人の一人が別の危険な道を通って街に行った。


・このままでは生活できなくなる。


・どうにかしてちょんまげ☆彡


って、わけだ。


いや、こんなにお茶目じゃないけど。


「分かった。早速行こうと思う。」


「もうですか!?報告によると盗賊団は最低200人はいるとされていますぞ!?」


「大丈夫だ。問題ない。」(`・ω・´)キリッ


「そうですか、分かりました。ご武運を!」


「では、失礼した。」


ふう、さてさて汚物(盗賊団)消毒し(殺さ)ないとね。


{盗賊団のアジトが分かりました。人数は358人、全員います。そこに村長の娘と思われる人物と行商と思われる人物達がいます。これがアジトのマップです。頑張ってくださいね。あ、念のため精神安定スキル『我が心は大海なりスピリットヒーリング』を取得、開始しました。安心してっちゃってください。}


色々とありがとう。


それとねミディア、私ね決めた。


悪役ヒールを演じるって。


ずっと考えていたんだ。このまま生きるのは退屈だって。


でも、いい人になるのは嫌だ。王道だし、退屈だ。


なり方も難しくない。ただただ偽善行動をすればいいだけだ。


主人公になればいいだけだ。そんなのつまらない、つまらなさすぎる。


でも、悪役は違う。ずっと悪でいなければならない。


己の信念を曲げずに主人公に立ち向かう。


それって何だかカッコイイと思わない?


私も主人公に歯向かって生きる、楽しそうだと思うから。


刃には悪いけど正体は明かさない。


ま、ばれたらばれたでいいけどね。


それにあれだけ嫌われてるんだ今更悪役を演じたって誰も気づかないさ。


だから演じる、傲慢不遜な魔王よりも魔王らしいエルフを。


一度も負けたことのない傲慢なエルフ。


他種族を見下し、エルフさえハイエルフ以上でないとゴミだというそんなエルフを演じるよ。


私はミディアが反対したとしてもやめないよ。ごめんね。


{……貴女が決めたことです。私は止めません。ですが、辛いことや悲しいことがあったら何でも相談してください。愚痴を聞くくらいなら私でもできますから。辛いことをため込まないでください。友達でしょう?これは、命令です。}


ふふ、なにそれ。でもま、うん、相談するよ。何でも。昼食のメニューに迷った時にも相談するよ。


{あ、何でも相談っていうの無しで。流石にそこまで付き合いきれません。}


え~!ブーブー!友だーち♪でしょ~!


{ほら、アジトが見えてきましたよ。}


見事なスルーですねー(棒)





ザッ


……ふう、ここから私は『傲慢なエルフわたし』になる。


悪役の仮面をつけて、


「『嘘つき道化の万役仮面(ペルソナヨクラートル)』」


悪役を演じる。





……………………よし。


「なっ!!!お前!いつの間に!?ここは…グハッ!!!」


「止まれ!止まらなければうつ………ガハッ!!」


「ひっ!助け………ひぃいぃぃ!!!」


さて、盗賊ゴミども


「Are you ready?(じゅんびはいいか?)


Let’s start party!!!(さあ、パーティーをはじめよう!!!)」


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