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Death is for one people  作者: 心音 響
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6話「夢出会う」

今回は先と合わせるためいつもより全然短いです

俺は電気を消し寝ることにした。

今日のことを思い出す。

消えた生徒や先生。

突然現れた魔法使いの野郎に

帰りにあった学生のありえないような力、再生能力

もしあの学生が自分のこともあの商店街のように元に戻せるのなら

「勝てるわけないよなぁ」

そう呟き目を瞑る。

この何も見えなくなる感じが好きである。

全ての色を混ぜた色が黒だというのだから、

全ての悲しい感情や嬉しい感情を混ぜたものもまた黒になるだろう。

なら、この黒色は今の僕の気持ちも混ぜて、きっと消してくれるだろう。

そう思い、眠りについた。


「ようやく会えたね!」

そう女の人が俺に声をかけている。

俺のいた学校だ。

今日まで通っていて、これからも普通の日々が続いていくはずだった。

そこにいつも一緒にいたはずの女の人が座っていた。

場所は屋上、入口から奥へ行って運動場の見えるところでフェンスにもたれかかっていた。

しかし、そんなに仲が良かった覚えはない。

「やっときたね!」

ここに来るなんて約束した覚えはない

こんなに可愛い人なら約束したいと思ってもしきれないと思うし......。

「ねぇ、今日は何食べて帰る?」

話したことは無いはず。

しかし、どこか懐かしい声で女の人が俺に話しかけてくる。

「ねえ、忘れたの?」

女の人が俺に尋ねる。

「これで3回目になるよ?

君が私のことを忘れたの」

3回目?忘れたのが?君のことを?

「もう忘れないって何回も君は言ったのに......

もう忘れられるのは辛いんだから

まぁ、君のことだから周りのためとか言って動いたんだようけどさ......」

そう言って女の人は俺の前で涙を流した。

俺がそんなことをするとは思えない。

いつもほかの人のことなど気にせずに生きてきたはずだ。

と言うよりも、ほかの人に迷惑がかからず、知られないように。

唯一、親友の新井のためならしそうだな。

だけど、新井は俺のことを頼るようなことないだろうし......。

だが、まずその失った理由の方が気になる

「なんで俺は君のことを忘れているんだ?」

そう聞くと女の人は答えた

「1度目は突然倒れて病院に行ったんだよ

そして、戻ってきたら『なんでそんなに馴れ馴れしく話しかけてくんだ?』なんて殺すかのような顔で言って、本当に怖かったんだよ!」

女の人は優しい声で懐かしいように、でも少し悲しく話す。

俺は

「二回目は?」

と聞いた。

すると彼女は

「ーーーーーーーーー」

と言った。

いや、聞くことが出来なかった。

その言葉だけはノイズがかかり、聞くべきではないと言うように消えていく。

「もう、忘れたなんていわないでよ?」

その言葉を聞くと、何故か涙が溢れてしまった。

だが、なぜ泣いているのかわからない。

「ちゃんと、私のこと覚えててね」

「わかった」

その女の人となにかがまた彼女と俺を結びつけてくれるような気がした。

最後に、またいつかあった時のためにと思い

「なぁ、最後に名前をおしえてくれないか?」

と聞いた。

彼女は

「ーーーーー」

と口を開いた

またノイズがかかり、名前すらも聞くことが出来なかった

俺は

「またな」

と言った

彼女もニコッと笑い、また泣いた

この覚えてないということが胸をすごく締め付けてくる

すると、どんどん世界が闇に吸い込まれていった



暗闇の中で誰かが俺のことを呼んでいる。

「おい、おい!おいおいおい!!!

名前わかんないヤツさん!

おきてくだい!」

ほっぺたを指で押されているこのだが、無駄に力が強いが指は小さい。

てか、名前わかんないヤツさんって何なんだ?

「起きろ!」

なんなんだこいつは?

変なやつには関わるべきではないし、この部屋は家である。

つまり、布団で寝てる俺はこいつに邪魔される権利はないのだ。

昨日のようなこともあり、余計起きたくもない。

まぁ、返信くらい返すかと、

「起きてるよ!!」

というと、

「目が開いてねぇだろうが!!!」

心底ウザイやつだ。

目を開けないと自分の中で誓う。

「目を開けろぉ!!!!」

そう言うと、今度は目に向かって指が来ているのがわかる。

ヒュオォォォって音と周りの空気をさく指の早さが頭に向かっているからだ。

直感的に避けないと目が潰れると判断し避けて、目を開く。

するとベットの枕の置いてあった部分に穴が空いていた。

「おま、なんじゃこりゃぁぁあ!!!」

「あ、やっと目が開きましたね

これで、出会うのは二度目になりますか

俺は慎二です

よろしくな!」

そう言って笑顔でこっちへとそいつは来る。

敬語がちょこちょこ混ざっている感じがまたウザい。

ふつーに話すか敬語で話すかどっちかにしろよ。

「俺がわかんないか?」

そう訪ねてくる。

わからない、というよりまず知らないからなこんなめんどいヤツ。

そんなこと考えている横で、起きていることに俺は目を奪われた。

壊れたばかりのはずのベットが元に戻っているではないか。

「お、お前は誰だ

俺はし、知らねぇぞ」

「いやいやいや、知らないわけないでしょ

だって昨日本屋であったじゃないですか」

そういってニコッと笑う。

あの時と全然雰囲気が違うので気づかなかった

そうか、あの街を壊した......。

「何しに来たんだ」

「いやぁ、本当はブザーがなると同時に殺そうと準備してたんですが、魔法も使えない相手を一方的に殺すのは面白くないなぁと思ってですね

魔法の使い方教えますよ」

ニコニコと笑うその笑みの奥にものすごく黒く、おぞましいものがあることを感じた。

逃げたくなったが、このチャンスを逃すわけにも行かず、乗ることにした。

どうせ使えないなら勝つことなんて出来ないし、同じ生き残りならどうやって魔法が使えるようになったか知ってるはずだ。

なら......

「なら、最大限までお前のその力について教えてもらおうか」

そう言って俺は笑みを返した。

本当にこうやって虚言を吐くのは嫌いだな。

言ってる言葉とは裏腹に心臓はすごい勢いで跳ね上がっていた。

何が起こるかわからない恐怖にだろう。

いや、もしかしたら本当はその先の見えない冒険のようなものへの楽しみかもしれない。

今度はいつもと同じくらいにします

今回も、読んでくださりありがとうございます

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