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Death is for one people  作者: 心音 響
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5話「魔法?!」

久しぶりにまた上げました〜!

そいつは目の前にいた。

だが、次の一瞬で俺の左側へと移動し、

「ねぇ、なんで何も答えないの?」

と、肩を掴まれその力に耐えられず地面に倒れてしまう。

「だいじょうぶ?」

「大丈夫なわけねぇだろうが!!

何してんだお前!」

だが、力は止まっていなかったらしく、地面からビキビキと音が聞こえる。

「いやぁ、なんか力が制御できなくて

こんなに強く力が出るのも初めてで」

「そうだとしてもこれはどういうことだよ!!

そういうレベルじゃねぇだろうが!!!」

商店街の道の真ん中にひびが入り、本屋もコンビニもここら辺一体の建物が傾いているのである。

異様としかいえない状態だ。

大規模な地震が起きたあとのように見える。

けが人が出ていないかが心配だ。

というか、俺も死にそうで怖い。

その元凶を作ったやつが目の前にいるわけで、死んでない自分にも少なからず怖さがある。

周りの皆が逃げながらこちらを見ているのがわかる。

「お前何してんだ!!」

本屋にいた店長さんらしき人が出てくる。

「黙って?」

その一言で店長は喋れなくなり、何かに掴まれたかのように動けなくなった。

だが、そんなことを気にしてる暇はない。

ここにいては俺も死ぬかもしれない。

「なにしてんだよ、逃げるぞ!

建物が壊れてくるかもしれねぇ

こんなとこにいたらどうなるかわかんねぇよ!」

そういうと、

「必要ないですよ」

まぁ、こんなこと出来るヤツは潰されても生きてるんだろうと思ったが、そいつは手を前にだして......。

そして、

「モドレ」

冷たく、その上で威圧するような言い方でその言葉を吐いた。

それと同時に崩れたガレキが動き出す。

ひびも建物の傾きも何もかもがなかったように元に戻っていく。

これじゃ本当に魔法のようだ。

そして、元に全てが戻り、店長も動けるようになったみたいだ。

「あれ?おれはなにをしてるんだ?」

そう言って店長は本屋の中へと戻っていった。

記憶がなくなっているみたいだ。

「さて、これでいいですかね

先程はすいませんでした

魔法使いの人に会ったのかと思ってしまい警戒したのですが、あなたはどうやら使えないようで......

でも、やっぱ透けてないんですよねぇ

あなた、どうやって助かったのですか?」

「なにからだ?」

「いえ、知らないのならいいのです

もしかしたら、まだ行われてない学校なのかもしれないですし

では、またいつか出会った時にでも」

「おい!待て!!!」

そう呼ぶもそいつは一瞬にして姿を消してしまった。

消える瞬間、彼の顔が少し寂しそうな感じがした。

けど、それを考えられるほどの余裕は俺の中にはなかった。

心臓の音が遅れて加速し始める。

自分の心臓の音が聞こえる。

「ホント、なんなんだよこれは......

悪い夢なのか?

もしそうなら、早く覚めてくれよ」

そう願いながら家へと帰った。




家のドアの前についた。

学校に本屋、今のところ普通だったことがない。

つまり、家の中もなにか変わっているかもしれない。

そう考え警戒する。

ドアノブにそっと手を伸ばす。

そして握ると同時にバァン!!とドアが開く。

「きらちゃん、いつまで外にいるつもりなの?」

「母さんか。

今入ろうかしてたところだよ

てか、俺男なのにちゃん付けしないでくれる?」

まぁ、普通みたいだ。

少し安心した。

だが、そう言えばうちも普通とは言えないのだった。

「そういえば、きらちゃんが遅かったから新しい料理作ってみたのよ

早くご飯にしましょ」

「わかったわかった

あと、ちゃんってつけないでくれる?」

「もう、きらちゃんたらぁ〜

照れ屋さんなんだから」

そう、このお母さんの俺に対する扱いが異常なのだ。

もういうだけ無駄だと学んだはずなのにまた返してしまった。

「わかったから早くご飯にしよ」

そう言って部屋に入る玄関から中に入り、一つ目の扉がトイレ、二つ目の扉がリビングへと繋がっている。

扉を開け、リビングに入ると予想外だが、想定通りの展開だった。

「やぁ、こんにちは」

そこには体育館であった青年がいた。

「やっぱか、漫画とかであるパターンだよな

いいかげん夢だと思いてーのにこんな所まで来んなよな」

「そんなこと言われると感動で言葉も出せません」

どこに感動する部分があったんだよ。

「で、どうです?魔法は出せましたか?」

「魔法のまの字もねぇよ」

「あら、きらちゃん魔法使えたの?」

「あら、きらちゃんまだ使えないの?」

真似して青年も俺を茶化してくるのにイライラした。

「母さん、恥ずかしい

てか、お茶がないからだして

あと、魔法は使えないよ」

そういうと、あらそうねぇ〜といってきっちんのほうへとむかってくれた。

「それと、お前の言ってた他の学校の代表の人っぽいやつと会ったぞ

バリバリ魔法使ってた

心底期待ハズレって顔された」

「ほう、お前とはいい度胸ですね」

「いや、お前に勝てる気なんてまだねぇよ

今日あったやつともな

まず、名前がわかんねぇんだよ

お前名乗ってねぇだろ」

「まだ、ですか

そういえば名を名乗っていませんでしたね

八代吉良が私の名前です!」

「それ俺の名前じゃねぇか!!」

ほんとに気持ち悪い笑顔で笑うなぁ

「いいえ、私の名前でもありますよ」

「もしかして、俺のコピーってことじゃ......」

そういえば、少し俺に似てるような。

「いいえ、嘘です」

「嘘かよ!!

少し信じたじゃねぇかこの野郎」

「野郎??」

「信じたじゃないですかお兄さん」

「それもキモイですね

んー、なんか馴染みやすいのがいいんですね

勝手に呼び名つけてくれていいですよ」

「なら、鎖部でいいか?」

「鎖部ですか?

その理由はなんでしょう」

「俺の嫌いなキャラクターに似てるからだよ

とりあえず、俺の部屋に行こうぜ

ここじゃ母さんもいることだし」

「そんなことでしたら、これでどうでしょう」

そう言うと右手を前に出す。

そして、指をパチンと鳴らした。

今度は唱えることなく手が光る。

すると、少し暗くなった。

「これで大丈夫です」

「何がだ?」

「あなたのお母様には幻覚が見えるようにしました

これであなたが話すことが聞こえることもありません」

母さんは

「そうなの?

学校ではそんなに友達がいるの

へぇ、まぁそう!それはよかったわ」

と言っている。

これを俺にされたら怖いなとおもった。

もしかして、本当は俺はこれをくらってるのかもなんて思う。

「鎖部、母さんの中ではどんな設定になってる?」

「お、呼び名で読んでくださるとはありがたき幸せ」

ホントにウザイやつだと思う。

語尾に毎回☆やらなんやらがつきそうでいらいらがたまる。

「いいから、言え!」

「しょうがないですねぇ、もう

これだから子供はって言われるんですよ

まぁ、いいですけどね

はじめは生徒ってつもりだったんですが、先生に変わってますね

母さんはその違和感にも気づいてなかったですが」

「そうか

それはそうとして、なんで俺の家に来てる?」

すると、何故か少し黙り込む。

そして口を開き。

「......キラの母さん、美人だなと思って」

と言い出した。

もちろん本音ではないということはわかるが数秒時間が止まったように固まる。

こいつが同級生なら頭ぶっ叩いてるところだ。

そして、本来の話を思い出して戻す。

「いや、それは俺ん家に来た理由にならないだろ」

まずこいつは俺の学校の人たちを死なせた元凶なのだ。

それが突然うちに来て母さんが美人だとか冗談ということくらいわかる。

想像では母さんを人質にとり戦わせるとか、突然襲ってくるとかだと思ったのでまだマシだと思う。

「そうだったなぁ

戦いのルールを説明してなかったからが一つ目だな

それに、きらのお母さんを人質にとる必要が無いし

あんな美人を襲えるわけないだろう」

と、いってくる。

本気で言ってるのだろうか。

まぁ、嘘だろうし心底馬鹿なんじゃないかと思う。

いや、それよりも

「お前心読めるのか?!」

「あぁ、今頃気づいたんてますね

おそぉ〜い

まぁ、今はそれは重要ではない

重要なのはこの家に住むことになったことだ!

あの美人の奥さんと住めるだなんて夢のようだ

まぁ、母さんには許可はもらったから心配するな

去年家から去った姉の部屋が空いているのだろう?

そこを使わせてもらうことになった」

「いや、勝手に住むなよ!

というか重要なのはルールだろうが

しっかり説明しろ

わかんねぇだろうが」

「そうだったな

体育館で教えたことは覚えているか?」

突然また王様のような喋り方を始める。

「あぁ、たしかこのブザーがなると戦いが始まるんだったよな」

そう言ってポケットに入れていたブザーを握る。

「そうだ」

「なら終わるのはいつなんだ?」

「終わりは、お前が死ぬかブザーがなった場合だ」

「簡単に俺を殺さないでくれる?」

「あと、これは各エリアでそれが行われる

逃げようとすると死ぬようになっているから気を付けて下さい

まぁこれを見せればわかるでしょうが」

そういった瞬間に俺の心臓が押しつぶされたように痛み、体の中の血液が沸騰してきている。

呼吸がしずらくなり、息が荒くなっていく。

「まぁ、これくらいでいいでしょう」

そう言うと押しつぶされるような痛みが少し治り、息も少しずつしやすくなってくる。

「なるほど、大体わかったが今のはやりすぎなんじゃねぇか?」

「そうでもないですよ

普通だったら死ぬくらい痛いはずなんですから

ていうかしぬんですから、死ななかっただけでもマシだと思ってください」

そういうことらしい。

つまり、これが最大ではないのか。

そう思うと恐怖が押し寄せてくる。

「まぁ、あなたは逃げないと思いますが

あと、魔法が使えないんですよね?」

「あぁ」

「それがおかしいんですよね

普通は体にその石が入って20分もすればできるようになるはずなのですが」

「なら、俺が普通じゃないってことか?」

「いや、他校の代表も普通じゃないんですが」

「それはそうだが、なんでだ?」

「さぁ私にもわかりません」

「ならどうすればいい」

「死ねばいいんじゃないですか?」

本気でこいつにイライラがたまる。

こんなの周りはチート使い放題で、1人だけ武器なしで挑んでるようなもんじゃねか、と思うが、それに死ねばいいとか本当にぶん殴りたくなる。

「なら、魔法使える奴らに勝てる方法はないのか?」

それがなければ俺は勝てる可能性がなくなるのだが。

「はい!ありません」

断言されてしまった。

つまり、魔法を持つものには魔法で勝つしかないらしい。

「わかった、もう死ぬことだけ考えておくよ

最大限抗いはするが」

「そう言ってくださると助かります

では、私は帰りますね」

「お前、住むんじゃ......」

「ただの冗談に決まってるじゃないですか

母さんが美人ってのは本気ですが」

本当に母さんを美人だと思ってたのか......。

鎖部は窓を開け。

「では、おやすみなさい」

と俺に声をかけた。

「お、おう」

そう俺は返すと、鎖部はそのまま夜の闇へと消えた。

読んでくださりありがとうございました

また、呼んでください!

前回で170人で250近くのアクセスを頂き本当にいろんな人に見られて嬉しいです

小さな学校の人クラス分というところですかね?

これからも続くのでぜひ応援よろしくお願いします

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