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永劫不変の存在  作者: K
プロローグ
1/4

はじまり

何もない白い空間。

私はどうしてここにいるのだったか、思い出せない。

自分の身体も存在していない。異常な状況なのにどうしてか落ち着いている。


「無理に思い出す必要もない、お前は生を全うした後だ」


私が自分の記憶を辿っていると何処からか声が聞こえてくる。

が、周りに人は見当たらない。

生を全うした後と言うことは死後の世界と言うことか。

実感がわかないのは生きていた時の自分の記憶がないからだろうか。

唐突に目の前に白い光が現れた。その光は神々しく不思議な雰囲気を纏っていた。

そしてそれは声の主だろうと直感でわかった。


「お前をここに呼んだのは他でもないこの私だ」


白い光はそう言った。私は質問をする。こんな状況に置かれれば誰もがするであろう質問。


「なぜ私が選ばれた?」

「真っ当な魂から無造作に選んだ。特に意味はない」


光は即答した。なんだ、たまたま選ばれただけか。


「まぁ私の友人として相応しい魂を選んだつもりだ」


光は言葉を付け足した。


「友人?私は貴方の友人になるために呼ばれたのか?」


私は光に疑問をぶつける。


「半分はその通りだ。もう半分は違う。友人として私に協力をしてくれ」


友人、それは建前で後半の部分が本音だろう。

こんな状況だ、拒否権も何もないだろう。

それに頼られて嫌な気分はしない、むしろワクワクしているくらいだ。


「それで、私は何をすればいい?」

「ずいぶんやる気じゃないか。もう少しごねられるかと思ったよ」

「私は生を全うしたんだろう?ならこれを新たな人生として楽しむこととしよう」

「なるほど、お前を選んで正解だったようだ。それでは本題だが……」


光はごほんとワザとらしい咳をして話し始める。


「私が初めて創造した世界、『地球』。それが安定してきたんで新しく世界を創ろうと思ってな」


光からとんでもない言葉が出て来た。創造した世界、地球。確かに光はそう言った。

地球、それは私の生きた世界。自分の記憶はないだが覚えていることもある。

地球には様々な物があった。覚えている。


「つまりなんだ、貴方は神様で地球を創ったと?それで新しい世界を創る協力をしてくれと?」

「そんなところだ」


まさか地球を創った神様の友人になることになるとは、誰が想像できるだろうか。


「それで私は何をすればいい?」

「簡単な事だ。世界の始まりからただそこに存在してくれていればいい」

「存在するだけ?」

「もしかしたら何か仕事を与えるかもしれないが基本は存在するだけでいい。要は新しくできた世界で好きに生きてくれってことだ」

「本当にそれだけか?」

「いくつか言っておくことはある。まず一つ、お前は私の友人となった。つまり死ぬことはない、本当の意味で永遠を生きることになるだろう」


光から衝撃の言葉が発せられる。


「不老不死ってことか?」

「まぁそんなところだ。だが安心しろ時の流れも私と同じ、気が狂うなんてことはないだろう」


その言葉を聞き安堵する。


「そしてもう一つ、世界に大きな影響を与えることは控えろ。世界が出来て数千年くらいは派手に動いてもいいが文明が多様化してからは慎むように」

「理由を聞いてもいいか?」

「世界の自然な進化、自然な文明の発達を観察するためだ。全能な存在があれやこれや手を加えてしまってはつまらないだろう」


光は世界を観察することが生き甲斐なのだろうか?光の言葉は肝に銘じておこう。

怒らせたらどうなるか分かったものじゃない。


「常識の範囲内なら何をしてもいいぞ。冒険するもよし、人の真似事をして家庭を築くのもよし」


なるほど、暇つぶしには困らないようだ。


「理解した。それで貴方はどんな世界を創るつもりなんだ?」

「それはできてからのお楽しみと言うものだよ」


光は意地悪っぽくそう言った。


「一通り話も終わった。そろそろ世界を創るぞ準備はいいか?」


どうやら光との話もここで終わりのようだ。いざとなると少し不安な気持ちが出てくる。


「お前は私の友人だ。大抵の事は出来るだろう。安心して行くがよい」


私の心の中を読んだかのように光が言った。


「任せたぞ我が友よ」


その言葉を最後にぷつっと意識が途切れた。


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