ただいま~……
今日が終わって行く。
まとめです。
「ただいまぁ。ねむいの……」
「おかえりなさい。こんなにくたびれて。何人と遊んできたのです? 明日から大丈夫ですかね」
「うーんとね」
どうも指折りしているような間。たかが『夢』を覚えている者が、如何ほどにいたかはわからないが、かなりの人数を遊び相手にしてきたようだ。憶えていなくとも、皆、一様にクスリとしてしまうような楽しい夢を。
数えるのがどうやら面倒になった彼女は息を吐いた。
「うーんと。ま、いいじゃない。しばらくねるね~わたしがねているのがいちばんへいおんなの。この町は。この町はかみなんかいなくても、じゅうぶんまわってるし。だから巫女をここにおくの」
「そうですね。おやすみなさい」
キノコの歌に耳を傾け、クスリと笑う。
「平和、ですね」
今日はエイプリルフール。
水の神がひらりと降り立つ。
その揺らぎは本当はまだ見えないハズの『未来』を見せる。
凸レンズと、凹レンズが絡み合って。
万華鏡のごとき道筋の一つを。
見える未来はたった一瞬。
「平和……ですね」
篠生 誠という人間の少年から、体を譲り受けているから。
揺れたおかげで、彼も未来が見えていた。
見ようと思えば彼自身、火神の力を持って覗く事が出来るのであるから、彼にとって特記するほどの事象ではなかったが。
見えた未来にその唇に笑いを浮かべて。
ここには『いろいろ』があろうと『ヒトビト』の営みが続く『平和』な町が、長くココにあるように。
そう思いながら彼は蝋燭の火を消す様に、町の夜闇にふっと姿を消した。
本当にこの未来が訪れるかは不明ですが。
本編完結まで書いて行きます。
リアル都合もあり、本編の歩みが遅くなりますが、
これからも宜しくお願いいたします。
今日はお付き合いいただき感謝です。