いってきます~♪
現在連載中の『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』のサブストーリー。
「きょうはエイプリルフールなのよ! ウソをついてもいいの」
「ああ、そう言えばそう言う風習がありましたね」
「でもわたしたちは、うそついちゃだめ?」
「だめですね、私達は人間ではないのですから。心を試す為の言葉は吐きますけれど?」
「……それってウソなんじゃ?」
「いえ、ウソじゃなくて、試しているだけです。試練ですよ……何ですか? その眼差しは……」
「なんでもないけどぉ。ウソはつけないけど、あそんでこようかなぁって」
「貴女が暇そうだという事は、あの町は平和という事ですから良い事ですが。あんまり遊び過ぎるのもどうかと思いますよ? 貴女のオトモダチのように自由にって訳には行かないのです」
「神なんてなりたくてなったんじゃないし~ちょっといってくる~」
「遊ぶにしても、うちの『関係者』だけにして下さいね。うちの。いいですね?」
今日はエイプリルフール。
水の神がひらりと降り立つ。
人間の体は水に満たされているから、彼女はちょっとだけその水を揺らす。
とぷんと、その揺れは人間の何かを動かし。
まるでレンズがズレたかのように、本当はまだ見えないハズの『未来』を見せた。
凸レンズと、凹レンズが絡み合って。
万華鏡のごとき道筋の一つを。
見える未来はたった一瞬。
夢だから、それを何人が覚えていたかわからない。
夢だから、見た未来は確定ではないけれど。
ウソで笑う日に。
垣間見たシンジツで笑った者がいた、そんな記録。
llllllllll
6時頃更新予定~♪