つるぺた同盟!
「これでよしっと……」
それなりに苦労しながら全員分の登録が終わりました。
「ありがとうございます。キリハ・ミナヅキ様とメグル・ココノセ様、そしてマサムネ・ササゲ様ですね。三人パーティーの登録になりますが、何か名前を付けますか?」
「名前?」
「パーティーですから名前を付けることが出来るんですよ」
「ああなるほど。二人とも何か希望はあるか?」
「ガンスリンガーズ!」
「捧忍軍~」
「……どっちも却下」
即答で却下してしまう桐羽でした。
二人とも偏りすぎです。
というかパーティー名なのに自分の特色だけ主張しても仕方がありません。
「幼女ツインズ」
「僕が入ってないし!」
「幼女ツインズとそのオマケ」
「僕がオマケかっ!」
というかさっきから幼女が強調されすぎです。
みんな大好き幼女ですが、もっと他の案でお願いします。
「じゃあロリコンと愉快な仲間達~」
「僕はロリコンじゃないっ!」
「え~……」
「疑わしそうな目を向けるな!」
「もう。じゃあお兄ちゃんが決めてよ~」
「そうだそうだ。あたし達の意見が不満ならキリが決めればいいんだよ」
ことごとく却下され続けた二人が膨れっ面で文句を言います。
「ようし。分かった。僕が決めていいんだな」
「あ」
「嫌な予感がする~」
予感は的中します。
しかしもう遅いです。
キリお兄ちゃんにお任せコースにするとロクなことがありません。
異世界において二人はそれを学ぶのです。
「パーティー名はつるぺた同盟にする!」
「「最悪のパーティー名だーっ!」」
拳を振り上げて宣言した桐羽に、芽久琉と正宗の悲痛な突っ込みが入るのでした。
「あははは……ちょっと失敗したかも……」
そして勧誘したことをちょっぴり後悔してしまう受付のお姉さんなのでした。
こんなパーティー名登録を自分が担当するというのも複雑な心境だったようです。