アイオライト・ビーって言うらしいよ
「ついたー!」
「ついたね~」
「ファンタジーっぽい街だ」
三人はへとへとになるまで歩いて、ようやく街にたどり着くことが出来ました。
入り口の衛兵さんに教えて貰ったところによると、ここは『サイハテ』というそうです。
「最果て?」
「違うと思うよ~。だって全然はじっこじゃないし~。こっちの言葉があっちの言葉と同じ意味を持つとは限らないじゃない~」
「つーか言葉が通じていることにビックリだ。いやまあそれはそれで不便がなくていいんだけどさ」
ついでに蜂モンスターから回収した眼球が売れるかどうかも質問して、
「ああ。アイオライト・ビーの眼球は冒険者ギルドで売れるよ。それにしても凄いな。あいつらかなり手強いのに。胴体の中心と眼球が弱点だけど、その眼球を全く傷つけずに手に入れるなんて」
などと感心しながら、買い取ってくれる場所も教えてくれました。
そして三人はまず買い取り店に向かっています。
「まあ言葉が通じるのは『旅の鍵』のオマケ能力みたいだけどな」
「つくづく便利だな、それ」
『旅の鍵』の能力は主に三つです。
一つ目は異世界に転移できること。転移可能条件などは特になく、いつでも転移可能です。
二つ目は転移座標をある程度座標を絞れること。異世界に移動した時は人里から離れた森の中という大ざっぱな設定でしたが、使用者が持つ情報により座標精度がより細かく設定できるようになります。
そして三つ目が言語互換能力。『旅の鍵』で次元転移した対象には、互換フィールドが発生し、互いの言葉が通じるようになります。つまり、お互いに違う言葉を喋っていても普通通りの会話が可能なのです。
「あ、お兄ちゃん。見えてきたよ~」
そして次なる目的地が見えてきました。
冒険者ギルドの看板が掲げられています。
互換フィールドは言語だけでなく文字にも有効です。万能すぎます。
「じゃあ手っ取り早く金に換えるか。飯にもありつきたいし」
この街で何かを手に入れるためには、この世界のお金が必要になります。しかし桐羽達はまだお金を持っていません。
お金がなければ食事すら出来ないという有様です。
もんすたぁ登場。
やっぱり異世界トラベルはこうでなくっちゃ(^o^)