第七話
またしても目が覚めて目の前に広がった景色はいつもの部屋の天井ではなかった。
「すごい……」
見渡す限りの草原が眼前に広がっていた。今の東京じゃこんなものは見ることは出来ないだろう。俺はこの景色を呆然としてみていた。そのときだった。後ろから足音がしたのは。
(誰だ……!)
だんだんと音が大きくなっている。明らかにこちらに向かって走って来ている。俺は恐る恐る後ろをゆっくりと振り向いた。そこには異形の化け物が片手に斧を持って走ってきていた。その化け物は顔がトカゲっぽく、腰に剣が刺さっていた。俺は戦慄した。こんな化け物がいるなんて聞いていなかったぞ!?
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺は一目散に化け物が来ている方向と逆向きにに走った。あれはやばい!やばすぎる!!追いつかれたときはもう俺の命がないだろう!!
俺が必死になってやつから逃げようと走ってしばらくすると、建物のようなものがたくさん建っているのがうっすらと見えた。俺はこれまで以上に必死に走った。しかし。もうすぐだと思ったことで気が抜けたのだろうか。足が草に躓き転んでしまった。
(やばい、早く立たなきゃ……!)
しかし体はなかなかいうことを聞いてくれない。焦れば焦るほど、草が絡まり立てなくなっていく。
不意に俺の体が影で覆われた。後ろを振り向くとまさに今、化け物が斧を俺にむかってふりおろそうとしていた。俺の心の中は絶望に染まっていく。
(こんなところで……死ぬのか俺……。だけど五つ命があるんだから……。でも、想像を絶するほどの痛さなんだろうなあ、あの斧で切られると……)
俺が諦めきっていたその時、俺と化け物の間に何かが割り込んだ。そしてギィンッ!という金属同士がぶつかる音がした。そして、何かがこちらのほうを振り向いた。
「大丈夫?」
何か――――いや、彼女はそういった。彼女は美しい金髪でいかにも騎士然とした服装をしていた。
「あ……はい……。って後ろに!」
彼女の後ろにいる化け物が斧を持ち振り上げた。しかし彼女は
「ちょっと待っててね」
と言って、振り向きざまに剣を一閃した……ようだ。確信を持てないのは彼女の動きがあまりにも早すぎて、視認できなかったからだ。しかし、刹那確信へと変わった。なぜなら化け物の体が緑色をした地を撒き散らしながら、上半身と下半身が真っ二つになり地面に落ちたからだ。その光景を俺はただただ見つめていた。彼女がこちらを振り向き、手を俺のほうに向かって笑顔で差し出してきた。
「立てる?」
「あ、立てます……。すいません、あまりの光景にちょっとぼおっとしていました……」
「確かにね~。私も始めてこんな光景見たとき、吐き気がしちゃったもん」
彼女は苦笑してそういった。
「こんなところで話するのもなんだから、町へまずいこっか。あ、私の名前はマナ。君は?」
ここは本名を名乗ったほうがいいのだろうか。俺の一瞬の迷いに気づいたのか彼女は苦笑しながら言った。
「本名は名乗らなくていいのよ。ニックネームみたいなもので」
「えと、俺の名前はカナタです」
「じゃ、カナタ君に町案内するね!」
そう言って彼女は俺の手を引いて、町のほうに歩いていった。
やっと話が書きたいところまで来ました!