第四話
「ふぅ…」
俺は、家に帰り自分の部屋に戻りベッドに突っ伏した。
「結局、無駄足だったじゃないか…。バッドもグローブもないから野球はできなかったし…。まあ、もともと面倒だったからちょうど良かったけど…」
かといって、やることもみつからない。何か、暇つぶしになることは…。
(あ、そういえばあれはなんだったんだろう)
俺は、そう思いカバンからあの爺ちゃんの家で見つかった丸い物体を取り出した。
(いったいこれ何に使うんだ……?)
どんなにくまなく探しても、スイッチの類は見つからない。そこで、俺は、何か中に隠されているんじゃないかと思い、丸い物体を本気で握りしめた。するとその丸い物体は、青白い光を纏いだし、突然俺の手のひらから浮き上がり、俺の心臓めがけて飛んできた。俺は、突然のことに驚き避けれなかった。しかし、それは、当たらなかった。なぜなら、
俺の体の中に入ってきたからだ。
「なっ………!?」
なぜか痛みはなかった。それどころか、不思議なことに心地よささえ感じられる。俺は呆然とし、どうすればいいのかわからなかった。しばらくすると、突然、急激に頭が痛くなった。
「ぐっ…ぐああああぁぁぁぁぁぁ!!」
あまりの痛さに、何も考えれず、うずくまってしまった。今して思うと、あの時誰かに助けを呼び、治療してもらうべきだったかもしれない。治療して治るかどうかわからないが。
(だ…めだ…。耐えられな…い…)
俺は気絶してしまい、意識は闇の中に堕ちて行った。その時、頭の中に声が響いた━━━。
≪ようこそ、夢の世界へ≫