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第一話

 ピロリロ~~~~~♪

 

 ケータイの音楽が響きわたる。ケータイといっても一昔前の実物に触れるタイプではなく、空中に映し出されたディスプレイに触れるタイプだ。

 

 ピロリロ~~~~~♪


 まだWeb小説を読んでいたかったのだが、あまりにうるさいのでしょうがなく電話に出た。


『うっす、彼方カナタお前今暇か!?』


「たった今、お前のせいで暇じゃなくなったな」


 俺 ー 剣崎彼方ケンザキカナタ ー に電話を掛けてきたのは、小学校からの腐れ縁の親友、武藤大介ムトウダイスケからだった。


『おいおい、テンション低いぞ!!夏は始まったばっかじゃねぇか!!もっと熱くなれよ!!』


 だが、小学校から高校、つまり今に至るまでずーっとこんな熱い男だから


「何でこんな熱い中で外に出なきゃだめなんだよ…クーラー利かして部屋でネトゲする方がまだ有益だと思うんだが」


 俺みたいなインドア派とはなかなかそりが合わない。


『甘い、キャラメルマキアートフラペチーノよりも甘い考え方だ!』


 …というか、正直に言うとうざい。果てしなくめんどくさい。(よく、こんな奴と今まで仲良くやってられたなぁ…)と毎日思うくらいだ。


『分かっているのか?この夏の重要性が…高校一年生の夏はこの一回しかないんだぞ!』


 分かってるよ、それぐらい。


「あー、分かった分かった。充分に分かったこの夏の重要性が。んで?何の用事だ」


『野球やろう』ピッ!ツーツーツー


 よし、新しい本でも読もうかな


 ピロリロ~~~~~~♪


 …はぁ、また掛かってきた。


「…はい。何か御用でしょうか」


『「御用でしょうか」じゃねぇよ!何でいきなり切るんだ!』


「…この熱い中、何で好き好んで外に出なきゃいけないんだよ」


『分かってねぇなー。この熱い中でやるのが最高なんだよ!』


 はぁ…面倒くさいな…。しょーがないか。


「分かったよ。どこでやるんだ?」


『おお!お前ならきてくれると思ってたぜ!場所はマルエの横の空き地だ!(マルエとはこの街、風見市の中で一番大きなショッピングモールである)あ、グローブとバットは、自分で持って来いよ!じゃあ待っとくからな!!』


 そう奴は言って電話を切った。

 

 …限りなく面倒くさいことになった。つーか自分のグローブとバットとかあったかな…?


 俺は、イスから立ち自分の部屋から出た。

俺があの時武藤の誘いを断っておけばこんなことにならなかったのにと、後々後悔することになる。

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