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私が勇者だったって絶対バレちゃいけないんですけど  作者: zingibercolor
1章

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3/33

現地実況組よりお届けいたします

 テレビを眺めつつ硬直している私に、同僚が声をかけた。


「小鹿野さん? どうしたの?」


 私は我に返り、「あっいえ、なんかすごいことになってるみたいですね」とごにょごにょ濁した。


「そうなんだよねー! Xも大騒ぎだよ!実況してる人もいるよ!」


 同僚は興奮して言った。これは、テレビよりいろいろ知ってるかもしれない。

 情報が欲しい。まあSNS産じゃ、デマもあるかもしれないけど……。


「どんなことになってるんですか?」

「なんかねえ、何も無いところにいきなり突風が吹いて、光ったあとに外人っぽい人が何人も現れて、それで言葉がすごく不思議なんだって!」

「不思議?どんな風に?」

「なんかねえ、英語っぽくてでも違う言葉なのに、言ってることが全部わかるんだって!」


 碧水石の効果だ。碧水石は、人が言葉に乗せて伝えたい意味を直接脳にお届けする効果を持つ。身につけていると、一種のテレパスになれるのだ。

 ただ、効果は対面限定である。私はサマセット国に魔力による画面通話を普及させたが、碧水石は画面通話では効果をなさなかった。

 ということは、多分テレビでも言葉はわからない……いや、私なら多少はわかるかな。7年も過ごしたし。

 私は同僚に聞いた。


「現れた人たち、何しに来たんでしょうね?」

「勇者探してるっていうのと、あと女らしくなりたいって人がいたって言ってるツイート見た」


 おそらく男装の子、クラレンドだ。確かに彼女なら、こっちに来る理由はあるけど……。

 他の同僚が「勇者? 世界救ってくれってこと?」と話に入ってきた。同僚が答えた。


「ううん、なんか、別の世界から来た人たちで、あっちの世界で勇者だったこっちの世界の人探してるって」


 だいぶ直球の情報が来たな……現地の人なら言葉通じるだろうし、現地実況してる人がいるなこれは。

 上司が休憩室に入ってきて、言った。


「こっちには影響ないみたいだから、午後の仕事もちゃんとしてよね!」


 ……そう、私はピペット土方。新しいエネルギー源、原発に変わりうる温暖化も救いうるエネルギー源をもたらすような人たちとは、住む場所が違う。

 だから、何も言わず、名乗らず、ひっそりとこの生活を続けようと思っていた。

けれど、そうは問屋が卸さなかったのだった。

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