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3話 掲示板 残り30分

悠太視点です。


 ――世界は、あと三十分で大きく変わることになる。


【実況】地球ファンタジー化計画 残り30分


1:名無しの実況民 12:30:00

あと30分


2:名無しの住民 12:30:02

マジで減ってる


3:名無しの研究者 12:30:05

カウントダウンサイト、どこのサーバーにも存在しない。直接脳内に表示されてる可能性


4:名無しの冷静 12:30:07

は?


5:名無しの自衛官 12:30:11

各基地、警戒態勢。だが対象不明


6:名無しの都市部 12:30:15

東京上空、まだ歪んでる


7:名無しのオカルト民 12:30:18

魔人って言ってたよな


8:名無しの考察厨 12:30:21

ルクシオン=階級

神の下で創造と観測が業務なんか

つまり今回ガチ運営


9:名無しの実況民 12:30:28

笑えないんだが


――――


 世界は、まだ形を保っている。


 だが空が、わずかに軋む。


――――


【実況】残り20分 やばいやばいやばい


83:名無しの海外勢 12:40:02

Europeでも空に紋様


84:名無しの研究者 12:40:06

エネルギー波形、地球外起源


85:名無しの都市部 12:40:08

見えるやつと見えないやついるらしい


86:名無しのオカルト民 12:40:11

選別始まってね?


87:名無しの冷静 12:40:15

やめろ


91:名無しの自衛官 12:40:22

ミサイルロック不能。干渉される


102:名無しの実況民 12:40:40

これもう人類詰みでは?


――――


 大気圏上空。


 巨大な魔法陣が、惑星を包み込んでいる。


 誰にも止められない。


――――


【実況】残り5分


201:名無しの住民 12:55:01

地面揺れた


202:名無しの都市部 12:55:03

地下から音する


203:名無しの記者 12:55:05

各地で地盤異常


204:名無しの絶望 12:55:09

無理無理無理


205:名無しの実況民 12:55:12

ゼル出てこい説明しろ


206:名無しのオカルト民 12:55:15

これが“普通の最後”か


――――


 カウントは減る。


 00:00:10

 00:00:05

 00:00:01


 零。


――――


 一瞬、すべての通信が落ちた。


 暗転。無音。


 そして――地面が、割れた。


――――


【緊急】ダンジョン出現


1:名無しの都市部 13:00:04

公園沈んだ


2:名無しの住民 13:00:05

なんかゲートみたいなのある


3:名無しの海外勢 13:00:06

NYにも出現


4:名無しの記者 13:00:07

世界同時多発


5:名無しの自衛官 13:00:08

実弾効かない


6:名無しの実況民 13:00:10

嘘だろ


――――


 その瞬間。


 全人類の魂に刻まれた“枠”が、解放された。


――――


7:名無しの住民 13:00:12

待てなんか出た


8:名無しの冷静 13:00:13

俺も


9:名無しの実況民 13:00:14

ウィンドウ?


10:名無しの研究者 13:00:15

視界内ホログラム確認


11:名無しのオカルト民 13:00:17

ステータスってやつか?


12:名無しの絶望 13:00:18

レベル1なんだが


13:名無しの都市部 13:00:19

STRって何


14:名無しの海外勢 13:00:20

VITって何に使う


15:名無しの実況民 13:00:21

俺INT8wwwwww


――――


 俺は、そのスレをスクロールしていた。


 六畳一間のアパート。テレビが一度点滅した。


 窓の外では、誰かが叫んでいる。


 さっきまで非日常を実況していたはずなのに。

 急に、現実味が出た。


 ――視界の端が、光る。


 半透明の枠。


 呼吸が止まる。意識を向ける。


――――


【名前】佐藤 悠太

【種族】人間

【レベル】1


【HP】102

【MP】34


【STR】9

【DEX】11

【VIT】10

【INT】10

【AGI】12

【LUK】27


【スキル】なし

【称号】なし


――――


 ……高いのか低いのか分からない。


 掲示板では、悲鳴と笑いが混ざっている。


「まあ……普通か?」


――――


16:名無しの都市部 13:00:30

穴からなんか出てきた


17:名無しの住民 13:00:31

緑色


18:名無しの実況民 13:00:32

武器持ってる


19:名無しのオカルト民 13:00:33

ゴブリンじゃね?


20:名無しの絶望 13:00:34

終わった


――――


 窓の外。近所の公園。


 黒い穴の縁から、小さな緑色の影が這い出る。

 刃物を持ち、ぎこちなく周囲を見回す。


 心臓が跳ねる。スマホが震え続ける。


 世界は、確実にファンタジーになった。


 公園から、誰かの悲鳴が響いた。

 

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