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いつのことだったかしら

作者: あまなす

いつのことだったかしら

そのねこは

ひとりも駅員さんのいないその駅に

姿を見せるようになったの


駅の改札の横に

まるくすわってね

細い目をして

ねむりこけているの


ときには

そのあたりの空気を

ぜんぶ吸いこんでしまうような

おおきなあくびを

したりするの


その駅をつかう

けっして多くない人たちは

そのねこのことを

ねこの駅員さんといったわ


何年かして

それが

ねこの駅長さんになったわ


たくさんのときがたってね

その駅は

使われなくなってしまったの

小さな建物はこわされてね

なんにもない

まったいらな土地ばかりに

なってしまったわ


でもね

いまでも

あのねこは

駅があったその場所で

細い目をして

ねむりこけているのよ


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― 新着の感想 ―
駅にやってきて、ねむりこける猫。それが何年かを経て、いつしか…そして時は流れて、またねむりこけている猫が、とても印象深いです。 猫がまどろむその片時のうちに、人や列車や、駅さえも姿を変えて。儚くも不…
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