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芯界  作者: カレーアイス
第四章 芯界強奪事件
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推理パート

 犯人を捕まえるため、まずは、事件の情報整理。

 折角シュヴァリィが集めてくれた資料があるので、それをまとめてみる。


1、取り出した芯界でできることについて。

  所持者の芯界にある、物や生物を取り出すことができる。

  取り出した生物には、ある程度の指示を下すことができ、その生物に芯界の珠を渡せば、限定展開が可能になる。


「事前情報とあまり変わらないね」

「次行こうZE(ゼィ)


2、闇市の動向について。

  芯界の「し」の字も無かった。

  二年前に一度事件が止まった時にも、出回った形跡が無いので、見張りは継続するが、無関係だと思われる。


「まあ、そうだと思ってた」


3、ヴァリア・ユートロン暗殺との関係性について。

  この事件の犯人は未だに不明。

  とても厳しい警備を突破した点と、芯界を抜かれた(推定)という点しか共通点が無い。

  最近、暗殺者に依頼した貴族が判明したが、彼女らにも実行犯の素性は分からないようだ。

  依頼者は「成功するとは思っていなかった。戦争を起こすために、たくさん撒いた種の一つに過ぎない」と供述している。

  ただ、接触した者によると、暗殺者は戦争を望んでいたらしい。


「やっとまともな情報が出てきたな」

「うん」

「けど、「戦争を望んでいる」だけじゃ、特定はできねーZE(ゼィ)


 ……今考えてみると、シュヴァリィはミレイクが出た時から、狙われていたのではないだろうか。

 ミレイクが炎上森にいた理由が分からなかったが「シュヴァリィを事件に深入りさせるため」と考えれば、合点がいく。

 実際、あの時シュヴァリィが過労で倒れていなければ、俺達と共に買い出しに行っていただろう。

 俺とラミリが一緒なら、絶対に犯人を逃がしはしない。

 シュヴァリィを狙う理由は、「犯人が戦争を望んでいる」という情報を踏まえて、非戦争派で台頭したシュヴァリィを亡き者にしたかった……とか。


「でも、それなら芯界を抜くより、殺した方が確実だよなぁ」

「どうしたの、ラギナ?」

「いや、何でもない。次に行こう」


4、事件の傾向について。

  取り出した芯界でできることが「中の生き物を取り出す」くらいなので、強者が狙われることが多いようだ。

  一般人も標的になっているのは、カモフラージュ。

  先んじて行われている、世界大会の成人の部で、活躍した大軍系かボス系の人が、十数名標的になっている。

  警察もそれを掴んで、囮作戦をしたが、ガチガチに警備すると事件は起こらず、離れて警備すると逃げられてしまう。

  囮もそう多用できないので、有効な策が見つかるまで、見送りとなっている。


「最後に来たね……」

「ギリギリやれなくもない情報を……」


 おそらく、俺達が出場する少女の部でも活躍すれば、標的になるだろう。

 ルール系のラミリは無理だが、イースとドラゴンを使った俺なら、囮になれる。

 問題は、おびき出した後に捕えきる手段が無いことだ。


「これも空振り、かNA()

「そもそも、本戦どうするよ」


 芯界戦闘の本戦は、全国放送される。

 ラミリが出ると、未だに家族が植物状態になっている人からの批判は免れないだろう。

 死刑を求めている過激派までいるのだ。

 実は、今ここで普通に過ごしているのも、結構マズかったりする。


 日程はまだ決まっていないが、一回戦はおそらく一週間後。

 それまでに解決しなければ、面倒なことになる。


「完全に手詰まりだNA()

「こうなったら、この国の全員にカマかけて、芯界に引きずり込むしか……」

「それDA()! 時間が無い、今すぐ始めようZE(ゼィ)!」

「普通に捕まるよ」


 駆けだそうとしたラミリは、イースに止められた。

 俺からイースを説得しようとした時――彼女は、神妙な面持ちをしていた。


「……何か、あるのか?」

「もしかしたら、できるかもしれない」

「捕まえることが!?」

「うん」


 彼女は、自分の策を話した。

 今まで出た案の中では、一番可能性がありそうだった。

 しかし、作戦の根幹が、上手くいくか分からないという、超不安定要素を抱えている。

 何より、失敗するとイースが犠牲になる。


「ダメだ! そんな作戦は認めない!」

「それなら、ボクは一人でもやるよ」

「……本気KA()

「うん」


 こうなった時のイースは強情だ。

 俺も、覚悟を決めよう。


「分かった、裏工作は俺に任せとけ。一回くらいなら多分何とかなる」

「オレっちHA()……」

「変装の練習でもしとけ」


 暴発のD作戦、始動。


 今出ている情報でも、捕まえ方は多分わかるので、暇な人は予想してみてください。

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