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芯界  作者: カレーアイス
第四章 芯界強奪事件
44/72

待ちが出来る戦法は大体ゴミ

「勝ってくれてありがとう、ラギナ」

「イースのお陰だよ。あそこでイースが庇ってくれなければ、俺もやられてた。アメいる?」

「うん」


 イースにミント味のアメをあげて、控室に戻る。

 その途中にラミリとすれ違った。


「二人ともナイSU()!」

「えへへ」

「後は頼んだぞ、ラミリ」

「任せときNA()! オレっちの初陣、勝利で飾ってやるZE(ゼィ)!」


 そう言って、軽やかにローラースケートで会場に向かった。




 ぐっすり寝ているシュヴァリィの状態を診てから、モニターで試合の様子を見る。

 ラミリは、始まる前からサングラスを取って、殺る気に満ち溢れている。

 そして、相手はコッテコテの軍服の少女。

 迷彩柄で、作り物か知らないが、胸には勲章が付いている。


「……騎士団ってあんな感じだったの?」

「違う、白を基調とした鎧が制服だ。アレは多分趣味」


 キビキビとした動きから、ただ者で無いことは察せられる。

 だが、キャラの強さでは負けてない。

 こっちはサングラスにローラースケート&お嬢様のハイブリットだ。


「やっちまえー!」

「準備はよろしいでしょうか。では、開始!」

Iskace(アイスケイス) on(オン) the() music(ミュージック)!」

Woodilland(ウッディランド) gun(ガン) field(フィールド)


ピロン♪


 今回は開始した瞬間に音楽が鳴り響き、ラミリが氷上を滑り始めた。

 連携する時のために、曲を教わっていたから分かる。

 これは――オペラ座の怪物。

 低い立ち上がりから、完璧に音楽に乗って、スピードを上げていく。


 対して、相手の芯界は、森。

 視界が悪く、軍服の迷彩もあってか、姿が見えない。


「森ってことは、大軍系かな?」

「おー、鋭くなってきたな。けど、多分違う」


ヒュン


「ッ!」


 一瞬前にラミリがいた所を、高速の何かが通り抜けた。

 この世界ではあまり一般的では無いが、前世を覚えている俺には分かる。

 銃だ。

 森のどこかから、銃で狙撃してきている。


「サバゲーのフィールドかな?」


 森に潜んで、銃で撃つ、ハイド&ショット。

 まともにやるとウザかっただろうが、それはラミリも大概だ。


ヒュヒュン


 段々と弾丸の雨が濃くなるが、アイススケートの不規則な動きと、段々加速する変速性から、全く命中する気配が無い。


「今日の夜どうする? 普通のご飯にするつもりだったけど、予選突破祝いにパーティでもしようぜ」

「いいねえ。でも、シュヴァリィがコレだから……明日にした方がいいかも」

「呼んだ?」


 いつの間にか、睡眠中だったシュヴァリィが起き上がっていた。

 周りをキョロキョロと見回して、状況を把握する。

 視線は、モニターの戦いで止った。


「ラミリさんが戦っているということは、アナタたちは勝ったのね」

「うん」

「もうすぐ終わりそうだから、とりあえずそのまま起きとけ」


ガガガガガガ!


 試合は佳境を迎えていた。

 しびれを切らした軍服が、木に登って姿を現し、ガトリングを唸らせている。

 加速前ならハチの巣になっていただろうが、ラミリはもう分身して見えるレベルの速度だった。

 当然、銃弾は一発も当たっていない。


「クッソ、ロケラン!」

「ラストスパート!」


 軍服が、切り札らしきロケットランチャーを構えた。

 それに応じて、ラミリも試合を決めにかかる。

 大きく飛び上がって、右足を美しく伸ばし、ライダーキックのポーズを取った。


「発射!」

「メテオストライク!」


 ロケットランチャーが発射されるが、スケートの靴はそれを切り裂いて突破し、相手の首を軽く傷つけた。

 真っ二つになったロケットランチャーの弾頭が爆発し、彼女の勝利を飾る。


ドカーン!


「試合終了!」


 ……ライダーキックで通じるかなぁ。

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