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芯界  作者: カレーアイス
第二章 騎士入学編
16/72

■■■■■■■ ■■■■■■■■

 こっからまたラギナ視点。

「大丈夫か!?」

「……遅いわ」

「これでも最速で来たんですけどね。状況は?」

「平和主義者になると言ったら、刺された」

「刺されたって……うわマジじゃん。アメで傷塞ごうか?」

「……頼むわ」


 躊躇なく胸の布を(やぶ)って傷を見せる彼女に、少し引きつつ、これ以上出血しないよう、アメでガチガチに固めた。


「芯界も解除していいかしら?」

「いや、塗り替えるから、まだ少し維持しててくれ」


 まずは、対話だ。


「やあディーシュさん、大人しく捕まる気はない?」

「ありません。アナタこそ、こちらの派閥に入って、シュヴァリィを引き渡す気はありません? これから、思想が似てる第四王女あたりをトップに()げ替えて、再起する予定なんですが」

「友達を売るような真似、する訳ないでしょ」

「……立場分かってますか? あなたのアメじゃ、私には勝てませんよ」


 言葉と同時にディーシュの両手の暴風が強くなった。


「あの風は一定以下の質量を取り込むわ。アメはある程度固めないと、ただの養分よ」

「……それが分かってて、どうして俺を呼んだの?」

「呼びに行かせたのは、能力が分かる前だったから。それと……今の状況で一番信用できるのが、あなただったから」

「嬉しいこと言ってくれるじゃん。じゃあ、期待に答えようか」


 あの人のは……あと一回だったか。

 もったいない気もするが、使い時だろう。


「解除してくれ」

「話が長いから疲れたわ」

「ごめんな……後は任せろ」


 火山の世界が解体され、代わりに広がるのは……アメの広間ではなく、宇宙。


「来い、Grandun(グランドゥン)!」


 不安定な深い紫。

 煌めく無数の星々。

 テトレディさんのよりは小さいが、それでも十分なサイズを誇る巨大なロボットが、宇宙に立った。


「ハァ!? アンタの芯界はアメじゃないの!?」

「敵に答える義理は無い」


 ディーシュが驚愕している間に、シュヴァリィを抱えてジェットパックでグランドゥンに搭乗した。

 操縦桿を右手に、コマンドボタンを左手で押す。


『さて、やろうか』

「……!」


 ビームソードを起動し、両手で構えた。

 巨大ロボットと、嵐を腕に宿した少女が対峙する、なんとも奇妙な構図。

 長々と話したせいで、シュヴァリィがそろそろ限界だ。

 この一撃で、決める。


⇒⇩⇘⇒⇩⇘ A


『食らえ、正義の断罪剣!』

吸収(アブス)!」


 グランドゥンがビームソードを上段から振り下ろし、ディーシュは嵐の両腕でそれを受け止める。

 拮抗。

 両者一歩も譲らず、火花が飛ぶ。


 しかし、


「ビーム吸収されてない?」

「……クッソ何が『ビームは正義!』だ、テトレディさんめ!」


 ビームソードが、粒子に分解されて、吸収されている。

 嵐の腕にビーム粒子が追加され、逆にビームソードは出力が減少し、少しづつディーシュさんに圧される。


「不味い!」


(ビームソードを変形させるか? でもそのコマンド苦手だし……副武装? いや、今出力を下げるのは――)


 迷っていると――今にも消え入りそうな、シュヴァリィのか細い声がした。


「右の腕に力を掛けなさい」

「ッ、信じるぞ!」


 体勢を低くし、ビームソードを短くして、ディーシュさんの右腕に繋がる暴風に、全ての力を掛ける。

 すると……ディーシュの腕が、折れた。


「ガアァ!」

「なんかよく分かんねえけど、ヨシッ!」


 片腕相手なら、勝てる!


⇒⇘⇓⇙⇦ A!


「オオ!」

解放(リリース)!」


 ビームソードと解き放たれた粒子が激突。

 それは、大きな爆発を引き起こし――立っていたのは、一人だけだった。


 ラギナがテトレディの芯界を使えた理由については、また次回

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